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本日は、Global social protection fund※について、ルワンダのカガメ大統領が公の場で発言した内容について書かれた記事をピックアップしました。
(※グローバルコミュニティが樹立する社会保障基金。主に高所得国が資金をプールし、最も脆弱な低所得国の国々の社会保障に役立てるというもの。)
ルワンダの社会保障制度のグッドプラクティスや、コロナ禍における非公式(インフォーマル)セクターの問題などについて書かれています。
ぜひ、ご覧ください!
記事:カガメ大統領、グローバル社会保障基金を支持
Kagame supports proposed global social protection fund
記事リンク:
https://www.ippmedia.com/en/news/kagame%C2%A0supports-proposed-global-social-protection-fund
続くコロナウイルスのパンデミックにより、これまでに、209カ国がこの対応のため、1,568の社会的保護措置を採用したと言われています。これらの措置の54%は新しい緊急プログラムであり、46%は既存の社会的保護プログラムの調整でした(⑴ILO、2020年11月16日))。
本日は、社会保障プログラムに関して、ルワンダのポールカガメ大統領が、Global social protection fundについてその期待を語っている内容の記事をピックアップしました。
このGlobal social protection fundとは、グローバルコミュニティが、社会保障基金を樹立し、主に高所得国が資金をプールし、最も脆弱な低所得国の国々の社会保障に役立てるという基金のことです。
この記事では、カガメ大統領が、月曜日の世界経済フォーラムのオンラインイベントで、この基金について強く支持すると発言したことが示されています。
その発言の中で、今回のパンデミックでは特に、“最低賃金などの権利を享受することができていなかった非公式な雇用現場(インフォーマルセクター)の雇用者にとって特に大きなダメージになっている”ということが言及されていました。実際に、インフォーマルな形で雇用されている人々が、総雇用者の約90%にも上ることが以前から問題視されていましたが、今回のパンデミックにより、その問題がさらに顕在化されたようです。
そこで、今回の基金によって、新たに社会的保護の対象者として顕在化してきた人々へ救済の措置が取れるということです。
ルワンダは以前から国内の社会保障制度には様々な工夫を凝らしており、その一つとして、健康保険システムについては、世界で最も成功しているものの1つとして知られていました。ルワンダ国民の92%が国の健康保険制度の対象となっていて、その健康保険の経費は、3分の2は保険加入者から、3分の1は国の予算から拠出されています。また、一人当たりの負担額は、最も貧しい国民は無料、最も裕福な人は毎年成人1人あたり800ドルの保険料を支払うという仕組みになっています(2)。
このように、ルワンダ国内では、より所得の高い人々がそうでない人々よりも多く支出をするという形で、この健康保険制度が賄われていました。しかし、今回のパンデミックにより、社会保障の対象となる人々の人数が増え、さらにインフォーマルセクターの従事者達も窮地に立たされたことによって、より国家の財政が圧迫される形となってしまったということです。
そこで、この未曾有の危機をどう乗り越えるか、グローバルコミュニティが一丸となって乗り越える必要があると感じます。最近はCOVAX(高・中所得国が自ら資金を拠出し、低所得国へのワクチン供給を行う仕組み)が注目されていますが、今回のGlobal social protection fundも同様に、この積極的な関与によって、低所得国がカバーしきれない部分を、保障できるようになることを願っています。
- What’s next for Social Protection: A Global Fund for Social Protection – Link
- ルワンダ、ヘルスケア部門からのニュース(健康保険の適用範囲拡大に尽力、他1件)- Link
- Kagame advocates innovative approach to social protection – Link
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