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皆さん、こんばんは!
土曜日はアフリカ全体のことをお届けしています。
今日は最近特に世界でも話題になっております、気候変動に関してアフリカのニュースを届けます。
今回はBBCの記事を共有しますが、彼らはエネルギー確保のため2030年までに発電量を現在の2倍にするに十分な発電所の建設計画と気候変動への取り組みの可能性に関して書かれています。
お楽しみください!
気候変動:アフリカのグリーンエネルギーへの転換は今後10年間のうちは起こらない?!
英題:Climate change: Africa’s green energy transition ‘unlikely’ this decade
記事リンク:https://www.bbc.com/news/science-environment-55620848
内容と背景:
エネルギーの課題はアフリカ、特にサブサハラ以南の地区では大きな課題です。いまだに約50%の人々が電気へのアクセスがないなどのニュースを目にすることも多い中、これから経済発展を実現していく上で、さらに大きな課題になってくることは容易に想像できるのではないでしょうか?
しかし同時に、環境問題にも取り組んでいかなければいけないのが現状です。環境に配慮しつつ、エネルギーを確保していくことがこれからのアフリカ、そして世界に課せられた課題である中で、今回はBBCの記事をお届けします。
BBCの記事によると2030年までにアフリカでは現在の発電量を2倍近くにする約2500の発電所の開発計画があるようです。しかし、そのうちたったの10%が風力や太陽光発電によるエネルギー確保を可能とするようです。そこで、これだけ多くの炭素エネルギーによる発電所が建設されることで、アフリカ全体として、向こう数十年間自らをそれに縛ってしまうため、無・低炭素化発電を推し進めるためのショック療法的なものが必要なのではないかという研究関係者の意見を伝えています。
スタートアップ企業や企業家のイノベーティブなアイディアやビジネスが注目されるようになったことで、アフリカという単語と「リープフロッグ」という単語もより強い結びつきが見られるようになってきている中で、他の産業、特に携帯電話やスマートフォンなど向けのソリューションに見られるような、これまでの世界の発展の在り方とは違った形の発展を見せることがエネルギーの分野でも期待されてきたものの、特にグリーンエネルギーの分野で同様のことは見られないのではないかとの研究者らの意見も共有されています。
さらに研究者らによると、2030年までに発電される電力のうち、再生可能エネルギーから発電されるもの(水力発電を除く)は約9.6%程度らしく、さらには、このうちの再生可能エネルギー発電所もガスや石油などと比べると成功率もいくらか低くなるようです。
この成功率の裏にはその発電所の規模が関係しているようで、エネルギー分野への外国投資を集めるために最初こそは大きすぎない発電所開発計画だったものの、次第に大きなものになってきていると研究者らは共有しているようです。そこで研究者らは独自開発のマシンラーニング分析方法から、特に現在多くの開発計画がある中央アフリカ共和国やガボンなどでは、今後開発計画が進められている発電所の失敗率が80%にまで昇るのではないかとの予測を共有しています。そして、全く同じ数値でないにしても、同様の失敗の可能性は他のアフリカの国々でも見られるのではないかとしています。
この失敗予測の裏には、使われる燃料が関係するようで、中でも水力発電所の失敗率が一番高く、61%になるだろうとしています。
研究者たちは、再生可能エネルギーによる発電所の開発を進めているのですが、世界的にもまだ化石燃料による発電が中心となっている中で、特にアメリカの企業のアフリカでの発電所の建設計画が多いことから、彼らが投じようとしている投資や出資金を再生可能エネルギー分野に切り換えることで、アフリカでも再生エネルギーによる発電が割合を増やすのではないかとしています。
そして、別記事ではありますが、時を同じくしてアフリカ開発銀行(African Development Bank: AfDB)はAfrica Mini-Grid Market Access Programme(AMAP)への700万ドルの投資を通したグリーンミニグリッドへのサポートを表明しました。この事業の成功により、88万の電力(再生可能エネルギーによるもの)へのアクセスが可能になると予測されており、400万人への電力アクセスを可能にする最大80MWの生産能力があるようです。また、これにより、7200のフルタイムの雇用を生み出すとともに、AfDBの予測では、今後のこの分野への投資(約6億5000万ドル)を集めるきっかけになるだろうともしています。
また別記事では、アフリカ開発銀行がAfrica Renewable Energy Fund(AREF) IIを進めるため、Sustainable Energy Fund for Africa(SEFA)とClean Tech Fund (CTF)から相次いで、それぞれ1500万ドルと1000万ドルの受け入れを決定したと伝えています。この取り組みでは、水力、太陽光、風力発電所の建設で800MWの生産能力のある、中小規模の発電所開発事業が行われるようです。
近年、アフリカ開発銀行ではこのようなインフラ形事業への投資が多く行われている印象があり、これらの事業が定着することで、アフリカのエネルギー課題が解決に向かうだけでなく、アフリカ内での様々な産業へも恩恵があるのではないかと予測されます。
エネルギー関連のニュースも引き続きお伝えしていきます。
関連記事:
- 「AFRICA: AfDB boosts investments in green mini grids via SEFA」 – Link
- 「Mini grids grant could drive 80 MW of new capacity in Africa」 – Link
- 「$15m earmarked for clean energy generation in sub-Saharan Africa」 – Link
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- 「原子力産業への注力を示すルワンダ、その背景とは?【Pick-Up! アフリカ Vol. 26 (投稿:2020年11月3日)】」 – Link
- 「ルワンダにて核科学技術センター建設へ、他エネルギー関連の話題【面白記事 Vol. 72(2020年6月29日配信)】」 – Link
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