目次
みなさま、こんばんは!
本日はアフリカで予定されている共通通貨に関する最新の情報をお伝えいたします。
今回ご紹介する記事によると、西アフリカ経済通貨同盟(UEMOA)の加盟国であるコートジボワールの大統領Alassane Outtara氏の発表により、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)による共通通貨ECOの導入が予定より最大5年間遅延する見通しであることがわかりました。
詳しくは下記をご覧ください!
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記事:「西アフリカ地域、共通通貨ECOの導入が最大5年間遅延の可能性」
英題:「West Africa’s new currency could now be delayed by five years」
記事リンク:
https://www.cnbc.com/2020/09/29/west-africas-new-currency-could-now-be-delayed-by-five-years.html
内容と背景:
本日はアフリカで導入予定の共通通貨に関する最新の話題をお伝えいたします。
以前からこちらの投稿でもたびたび取り上げていますが、東アフリカ共同体(EAC)では2024年の通貨統合を最終的な目標に東アフリカ・シリングの導入、また西アフリカ諸国経済共同体(以下:ECOWAS)では今年2020年を目標に、まず8カ国が加盟する西アフリカ経済通貨同盟(以下:UEMOA)にて共通通貨ECOの導入が計画されています。
そこで今回ご紹介する記事によると、UEMOAの加盟国であるコートジボワールの大統領Alassane Outtara氏の発表により、ECOWASによるECOの導入が予定より最大5年間遅延する見通しであることがわかりました。
フランス語圏である西アフリカではフランスの植民地であった背景からUEMOA加盟国にて今でも共通通貨CFAが広く使用されており、昨年発表された新通貨ECOの導入には西アフリカ地域へのフランスの影響力を小さくすることが期待されています。
計画当初、UEMOA加盟国間で合意された通貨導入の基準は国家予算の赤字がGDP(国内総生産)の3 %以下に抑えられることでした。これに対してOuttara氏は、今回発表した遅延の理由として、コロナウイルスによる経済的打撃によりUEMOA加盟国らによる通過導入の基準が今後数年以内に達成される可能性が低いことを挙げ、それゆえECOの導入にはさらに3年から5年がかかるだろうと述べています。
記事後半ではアフリカ経済に関する調査や洞察を提供しているNKC African Economicsに所属する経済学者Leeuwner Esterhuysen氏の言葉を紹介し、現在西アフリカ地域にて使用されているCFAに代わり新たにECOが導入されることのメリットおよび懸念事項が解説されています。
まずECOが導入されることのメリットとして、ヨーロッパの金融発展への地域の依存を減少させることができる点が挙げられています。
一方懸念事項としては、ECOWASの本部を構え石油への依存度が高いナイジェリアが過度の通貨リスクをもたらし為替市場の発展を支配してしまう可能性、また通貨に設定された特定の地域経済収斂基準が加盟国間の異質性のために達成が困難である可能性が挙げられています。
これらの懸念事項をふまえ、Esterhuysen氏は共通通貨ECOは導入前のさらなる改良が必要であり、西アフリカ政府は財政赤字を抑えるため、支出の削減と課税基盤の拡大に取り組むべきであると主張しています。
アフリカ大陸での域内貿易は現在15%前後とかなり低水準に止まっているだけに、地域間での共通通貨の導入は未だ未熟な域内貿易の活発化を促す動きとして期待されています。今回は西アフリカ地域での共通通貨導入の動きに関して最新情報をお伝えしましたが、今後も東アフリカで導入予定の東アフリカ・シリングや来年始めに運用予定であるアフリカ大陸自由貿易協定(以下:AfCFTA)に関しても最新の情報をお伝えできればと思います。
関連記事には、地域関係なくアフリカ大陸全体としての共通通貨の導入は時期尚早であるという見解を紹介している記事や、以前ご紹介したAfCFTAに関する記事などを載せていますので、ぜひ合わせてお読みください。
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