みなさん、こんばんは。
いつもPick-Up! アフリカをご覧いただきありがとうございます。

本日はコロナ禍で問題視されているメンタルヘルスの課題についてケニア最大の難民キャンプでの現状を紹介した記事をピックアップしました。

Pick-Up! アフリカは今週も引き続き毎日更新予定です。
ぜひ最後までお付き合いのほど、よろしくお願いします!


記事:ケニア、難民キャンプでの自殺とメンタルヘルスケアの課題

Kenya: Desperation Builds In Dadaab, As Promises Of Durable Solutions Falter In The Face Of Covid-19

記事リンク:https://allafrica.com/stories/202010090810.html

内容と背景:

続く戦争、紛争、迫害によって強制移動させられた難民は、世界で約6,800万人に上ると言います。ケニアの北東州に位置するダダーブ難民キャンプは、ソマリア難民を46万人ほど受け入れている世界最大規模の難民キャンプです。

本日はこのキャンプでのコロナ禍の自殺未遂の増加とメンタルヘルスについて書かれている記事をご紹介します。

新型コロナウイルスの感染拡大の防止策による移動の制限による失職や、ドナーからの食糧配給などを含む人道支援の削減により、難民キャンプで生活をする人々の心理的負担はますます荷重になってきているようです。

以前から難民キャンプでは、その人口密度の高さが指摘されていました。UNHCRのウェブサイトによると、バングラディシュのコックスバザール県の難民キャンプでの人口密度(人/ ㎢)は、東京23区が15,446名であることに対し、33,000人が生活しているということです。一般的に難民キャンプでは多くの人々が狭い敷地に密集していることが理解できるかと思います。

今回の記事で取り上げられているケニアのダダーブ難民キャンプにおいても、50㎢の土地に約46万人ほどが生活しているというように、その人口密度の高さからも住民の感染への不安やそのリスクが相当なものであると考えられます。

今回の記事によると、ダダーブ難民キャンプでメンタルヘルスクリニックを運営する国境なき医師団(MSF)は、このような新型コロナウイルスによる心理的な影響等により、難民キャンプの住民の自殺未遂の件数が昨年から50件以上急増したという報告をしています。

この記事の中では、24歳で自殺をした青年や、産まれてから約30年間この難民キャンプの外で生活をしたことのない女性について言及し、見通しのない難民キャンプでの不安定な生活は、若者の希望をも奪い、さらに移動の自由も完全にできなくなった現在の状況について、彼らは肉体的および精神的にもダメージを受けているということが書かれています。

また、WFPは厳しい資金制約のために、難民キャンプでの一般的な食糧配給を通常の配給量の70%にさらに減らすことを余儀なくされたということで、依然として健康状態にも甚大な被害を与える可能性が高まっているようです。

今年の7月に更新した記事の中でも、新型コロナウイルスの蔓延におけるアフリカ地域での自殺率の増加について言及した記事がありました。その中では、コロナ感染の第1波において、自殺率が例年より下がっているというデータが出ているという報告をしました。

しかし、日本でもその後、状況に大きな変化があり、経済悪化と失業などの影響により、7月以降自殺者が増加傾向、8月には前年比15%増しになったという報告がされています。

このような難民キャンプでの食糧供給や基本的な医療の不提供など、ライフラインに関わる切迫した状況と比べて考えてみると、ウイルスの蔓延による影響と言っても、現在の日本の状況と比べて置かれている状況には違いがあるとも言えますが、コロナ禍におけるメンタルヘルスの課題はどの地域でも早急に対策やケアが必要になってきているということが理解できます。

関連・参考記事:

  1. アフリカのヘルスケア- HIV検査プロジェクトとコロナ渦メンタルヘルスの課題【面白記事 Vol. 86: 2020年7月16日配信】 - Link
  2. 難民キャンプ感染拡大危機(UNHCR)- Link
  3. 8月自殺者 前年比15%増 コロナで経済悪化、失業率とも相関 支援策急務 – Link


ご相談・お問い合わせ

アフリカ・ルワンダへのビジネス進出をご検討の際は、当サイトの運営に関わっているレックスバート・コミュニケーションズ株式会社までご相談・お問い合わせください。


コメントを残す