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こんばんは。本日は南アフリカから教育関係の記事をピックアップしました。
より多くの若者を大学にアクセスさせるための新しい提案として、TVET(技術職業訓練教育)セクターに働きかけた政策の検討について言及しています。
Pick-Up! アフリカは今週も毎日更新予定です。
今週もぜひお楽しみください。
記事:南アフリカ:多くの学生を大学に入学させるための新しい提案
New proposals to get more South Africans into university
内容と背景:
現在、南アフリカの大学進学率は国際順位155か国中103位の23.80%(2018年)となっています。(参考:日本は46位、63.58% ルワンダは143位、6.24%)Link
南アフリカは経済や発展のあらゆる部分でアフリカ大陸の国々を牽引する存在ではあるものの、大学進学率においては世界基準で考えるとまだ課題が残っているようです。
そこで本日ご紹介する記事では、南アフリカでより多くの若者を大学に入学させるための新しい提案として、高等教育訓練局を筆頭に大学・高等専門学校・その他の教育機関を相互に連携させることを目的とした新しい「アーティキュレーションポリシー」 の検討について書かれた記事をご紹介します。
従来、南アフリカの大学進学にあたっては、National Senior Certificate(NSC)と呼ばれる高校の卒業証書があり、大学に入学するために必要な証明書として位置付けられています。
しかし、この記事によると、TVET(技術職業訓練教育)セクターからはNSCのように大学等高等教育への入学を管理する国内の規制の枠組みがなく、TVETルートを介した大学への入学が少ないことが特に問題視されているということです。現に2018年のTVETから大学に入学をした学生は26の大学すべてで3,000人未満という少ない人数になっています。
そこでこの問題に対処するために、高等教育訓練局は、TVETセクターと大学を繋ぎ、それらを適切に調整するためにいくつかの提案を提出しました。
その提案では、「学校制度から高等教育への入学を管理するような規則の確立」や、「TVETカレッジからの学生を受け入れるための大学の設立と奨励(または措置)」「TVETセクターの能力支援や大学における技術分野の教師の育成」などが含まれています。
アフリカのTVET教育を提供する学校では、職業訓練校(VTC)のように技術に注力をした機関もある一方で、ポリテクニックスと呼ばれる日本の場合高等専門学校(高専)のように深く専門の学芸を教授し、職業に必要な能力を育成する場としても機能している機関もあります。
日本では高専から大学に編入できる仕組みになっていますが、南アフリカではその仕組みを今から整えていくという提案がされたということです。
以前お伝えしていた記事では、南アフリカでは大学卒業生と雇用主のニーズの合致が難しく、双方のマッチングがうまくいっていないことから、若者の雇用率が低迷しているという現状について言及していました。(アフリカ初、インターンシッププラットフォームの立ち上げ!他、教育に関する話題【面白記事 Vol. 104: 2020年8月10日配信】)
今回のケースでは、TVET校を卒業した学生が、高い技術を習得した上で、さらにその知識をアカデミックな場面で活かす機会が少ないという問題について取り上げられています。
大学卒業後の就職、学校卒業後の大学進学という2つの記事を読む中で、どちらともその「移行」の部分における連携や調整が必要不可欠であると感じました。
一般教育・TVET・高等教育など、それぞれのセクターで教育の質を上げていった上で、その次のフェーズとしてその別々のセクター同士をどのように繋いでいくかということが今後の発展の鍵になるのかもしれません。
今はまだ一桁台も多く見受けられるサブサハラアフリカ地域の大学進学率ですが、その向上のために必要なグッドプラクティスを南アフリカが示しているように感じました。
関連・参考記事:
- アフリカ初、インターンシッププラットフォームの立ち上げ!他、教育に関する話題【面白記事 Vol. 104: 2020年8月10日配信】 – Link
- 東アフリカ地域、職業訓練教育に関する話題【面白記事 Vol.116: 2020年8月24日配信】 – Link
- アフリカからの難民、職業訓練教育で幸福を見つける【Pick-Up! アフリカ Vol. 1: 2020年10月5日配信】- Link
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