みなさま、こんばんは!

さて、本日はGoogleの親会社であるAlphabetが「Project Taara」を通じて目に見えない光線を使用し、アフリカで高速インターネットを長距離間で提供しようとしている取り組みをご紹介いたします。

ぜひアフリカでのインターネットインフラ構築というテーマを扱った以前のコラムと合わせてお読みください!


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記事:「GoogleのプロジェクトTaara:光線を活用し、アフリカで高速インターネットを提供へ」

「Alphabet’s Project Taara Will Enhance Internet Connectivity in Africa, But How?」

記事リンク:

https://qz.com/africa/1931111/googles-project-taara-to-deliver-fast-speed-internet-to-africans/

内容と背景:

こちらの投稿やコラムでもこれまでたびたびご紹介してきましたが、GoogleやFacebookといったシリコンバレー発のテック企業らが、アフリカでの低いインターネット接続率の向上を図ろうと、イノベーティブな手法を取り入れた様々な取り組みを行っています。そこで本日は、Googleの親会社であるAlphabetが「Project Taara」を通じて目に見えない光線を使用し、アフリカで高速インターネットを長距離間で提供しようとしている取り組みをご紹介いたします。

世界のインターネット往来は毎年24%増加すると予測されているように、人口の増加や経済の発展などにより、インターネットインフラのさらなる強化は世界的に必須の課題となっています。需要の伸びに対し、これまでは光ファイバーケーブルの増強が一般的な対処方法とされてきましたが、地下工事を伴う光ファイバーケーブルの設置には、大規模なコストと時間を要する点が課題であると指摘されています。特に、インターネットに限らず全般的な社会インフラが未だ整っていない地域の多いアフリカでは、コスト面での課題がインターネット接続向上の大きな障壁となっています。例えば、アフリカ最大の都市であるナイジェリアの首都ラゴスでは、たった1㎞の光ファイバーケーブルを設置するのに最大12,900ドルもの費用がかかると言われています。

そこで、これらのコスト面での課題を解消する手法として、Alphabetは光線の活用を考案したのです。Alphabetの子会社であるX(旧称GoogleX)の主導する「Project Taara」では、既存のタワーや屋上に設置されたTaaraターミナル間で、目に見えない光線を介した高速データ伝送が可能となります。ターミナル間の各リンクは最大20ギガビット/秒の帯域幅を送信でき、最大20キロメートルの距離をカバーできると予測されています。記事では、光線の使用によりインターネットの速度が現在の100倍にもなる可能性があるとの見解が示されています。

インドとメキシコでの試行が終了した現在、「Project Taara」はパンアフリカ展開の一環としてまずケニアでの運用を目指しています。記事によると、「Project Taara」は最近ケニアの通信事業者であるEconetと提携し、光線の伝達に使用するTaara端末を既存のタワーに装備し始めているようです。

Xは、インターネットにアクセスできていない、もしくは低速なインターネット接続に耐えている約40億人以上の人々に対し、手頃な価格での高速インターネット提供を実現させるという目標を掲げており、インターネット普及率が約40%と未だかなり低い水準にあるアフリカ大陸はXにとって重要な焦点領域となっています。

以前の投稿でご紹介していますが、Xはアフリカにて気球型のユニットを使用し、低コストおよび広範囲でのインターネット供給を可能とする「Project Loon」も主導しています。こうした動きには、今後人口の爆発的な増加が予測されているアフリカにてインターネットインフラを構築し、何百万人もの人々をオンラインにすることで、自社(Google)のサービス顧客を拡大させようとしている狙いがあると考えられます。

以前のコラムではデータプライバシー等の観点から、巨大テック企業らがアフリカ大陸にてインターネットインフラの構築をリードしていることに関して挙がっている懸念点をご紹介しています。また、アフリカ諸国がテック企業らと協働すべき方法に関しても解説していますので、ぜひコラムも合わせてお読みください。

関連記事:

  1. 「コラム – Vol. 3:シリコンバレー発テック企業らによるアフリカ大陸でのネットインフラ構築;アフリカ諸国が彼らと協働すべき方法とは」Link
  2. 「面白記事v.12(2020年2月29日)記事5」Link
  3. 「面白記事v.17(2020年4月14日投稿)記事3」Link
  4. 「面白記事v.43(2020年5月25日投稿)記事2」Link
  5. 「面白記事v.44(2020年5月26日投稿)記事3」Link
  6. 「Google is working on delivering super-fast internet in Africa with experimental light beams」Link
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