みなさま、こんばんは!

本日は、観光セクター促進に向けたアフリカ大陸での最新の動きとして、今年12月に新たにGishwati-Mukura国立公園が観光客向けにオープンするというルワンダからの話題、そしてテクノロジーを活用した感情マップの作成を通じてアフリカの魅力を発信し、大陸全体で観光セクターを盛り上げようとする動きをご紹介しています。

ぜひ関連記事と合わせてお読みください!


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記事1:「ルワンダ:今年12月に新たな国立公園を観光客向けにオープン」

「Rwanda to open Gishwati-Mukura Park for tourism in December」

記事リンク:

https://www.newtimes.co.rw/news/rwanda-open-gishwati-mukura-park-tourism-december

内容と背景:

本日はルワンダの観光セクターに関する話題をお伝えいたします。

ご紹介しているこちらの記事によると、ルワンダでは今年12月に新たにGishwati-Mukura国立公園が観光客向けにオープンするようです。また今回の動きに伴い、ルワンダ開発委員会(RDB)の管轄下でGishwati-Mukura観光当局が新設されたようです。

ルワンダは2024年までに年間の観光収入を現在の4億ドルから8億ドルと2倍にするという国家目標を掲げており、今回の動きには国家目標の達成に近づくため、新たに国立公園を開放することで観光収入を増加させたいという狙いがあるようです。また、コロナウィルスの影響により深刻な打撃を受けた観光セクターの回復を促進する狙いがあるようです。

ルワンダ北西部に位置するGishwati-Mukura国立公園は今年10月にユネスコにより生物圏保護区に指定され、現在様々な固有種や絶滅危惧種を含む生物多様性の見られるスポットとして広く知られています。最近の生物多様性調査によれば、在来種である492の植物種と、22の哺乳類種が現在生息していることが示されています。

しかし、実はこの地域は何十年にもわたって杜撰な土地管理が見られ、現在の景観とは程遠い地域でした。そこで、政府は2014年に世界銀行を通じて地球環境ファシリティから950万ドルを受け取り、エコツーリズムに基づいた地域の社会経済的発展を目指し、観光開発マスタープランの実施を含む景観回復プロジェクトを遂行したのです。

開発された地域には約34万人が生活しており、その主な経済活動には持続可能な土地管理活動による農業、森林放牧、アグロフォレストリー、観光が含まれます。RDBの観光保護局長であるAriella Kageruka氏の話によれば、RDBはこの地域周辺のコミュニティでの収益分配プログラムに既に3億ルワンダフラン以上もの資金を割り当てているようであり、コミュニティと協力して地域の持続可能性を高めたいとする政府の強い姿勢が伺えます。

資源に乏しい内陸国であるルワンダでは、観光セクターは国の経済を支える重要なセクターです。関連記事によると、2018年には国のGDPの14.9%を占めています。さらに、観光収入の年間成長率が過去最高に達した2019年には163万人を超える観光客が訪れ、ルワンダの観光セクターは4億9,800万ドルもの収益を上げています。しかし、コロナウィルスの影響により観光セクターは世界的に深刻な打撃を受けており、ルワンダもその例外ではありません。ルワンダのUzziel Ndagijimana財務大臣は、国内の観光セクターは今年3月と4月だけで約1,000万ドルもの収益を逃したと述べています。

今年8月に海外からの観光客の受け入れを再開したルワンダですが、入国時の厳しいPCR検査規定や世界的に未だ改善の見込みが立たない感染状況等により、スムーズなセクターの回復が見られているとは考え難いのが現状です。国内最大の国立公園であるAkagera国立公園や、Nyungwe国立公園、またKivu湖などに加え、新たにGishwati-Mukura国立公園を観光名所に加えることで、観光客を引きつけ、観光収入を増加させることができるのか、今後のセクターの動向に注目したいところです。

関連記事:

  1. 「アフリカの理想の経済発展を実現するには?民間セクターの貢献の必要性と観光業に目を向ける(面白記事 Vol. 103)」Link
  2. 「アフリカの観光業とコロナの戦い!(面白記事 Vol. 52)」Link
  3. 「【最新情報】ルワンダ国内における対コロナ規制措置、および日本からの渡航と輸送状況に関して」Link
  4. 「環境系の取り組みもアフリカではビジネスチャンス!?(面白記事 Vol. 82)」Link
  5. How Rwanda Tourism Sector Is Adapting To Covid-19Link

記事2:「アフリカ大陸内での観光促進に向けて、ATREVIA社とUNWTOが協働」

「ATREVIA to work with UNWTO to boost tourism in Africa」

記事リンク:

https://thediplomatinspain.com/en/2020/11/atrevia-to-work-with-unwto-to-boost-tourism-in-africa/

内容と背景:

記事1では観光セクター発展の促進に向けたルワンダでの最新の動きをご紹介しましたが、こちらの記事ではデジタルイノベーションの活用を通じてアフリカの魅力を発信し、大陸全体で観光セクターを盛り上げようとする動きをご紹介いたします。

この度、世界的なコミュニケーションおよび戦略的ポジショニング企業であるATREVIA社により開発された「Ubuntu:Africa Invites You To Live」キャンペーンが、CNN Internationalと共同で世界観光協会(UNWTO)が主催したInspiration Africa Branding Challengeにて200以上ものエントリーの中から優勝を果たしました。

UNWTOとATREVIAの共同プレスリリースによると、このチャレンジには観光を開発の推進力として地域の持続可能な成長を後押しするために、前向きなイメージの育成を通じて大陸の魅力や強みを強調し、個々の国々や組織の取り組みを強化する狙いがあったようです。

UNWTOの事務総長であるZurab Pololikashvili氏は、アフリカ大陸における観光の再開がイノベーション、企業家精神、コミュニケーションの力を活用し、責任ある協調的な方法で管理されれば、何百万人もの人々の生活を変革し、アフリカの豊かな文化的および自然的遺産、また多様性を保護するのに役立つと述べ、アフリカ大陸における観光セクターの可能性に期待を示しています。

記事によると、ATREVIA社の開発した今回のキャンペーンは、様々な観光商品や様々な顧客に適応できる統一されたコンセプトの中で、アフリカのような広範な大陸でも全ての属性を抽出することを目的とした地域ブランド手法の開発を通じて作成されています。

このキャンペーンでは、人々の忠誠心と人間関係を示す伝統的な用語である「Ubuntu」の概念を中心とし、アフリカ初の感情マップが作成されるようです。記事によるとこの感情マップとは、大陸を訪問した旅行者が生み出す感情を測定するのに役立つイノベーションを活用したデジタルシステムであるようです。具体的にはソーシャルリスニングやビッグデータを活用して、ソーシャルメディア上で交わされる旅行体験に関するユーザーの会話を収集し、各国で示されたポジティブな感情を抽出する仕組みとなっているようです。

コロナウイルスの影響により観光セクターが深刻な打撃を受ける中、テクノロジーを活用して旅行者のポジティブな感情を収集し、旅行に対する前向きなイメージを育もうとする発想は非常にイノベーティブで興味深い取り組みであると言えます。キャンペーンが進行し、その効果に関する記事が出てきましたら、また共有させていただければと思います。

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