目次
皆さん、こんばんは!
地域経済などの話題をお届けする土曜日です。
今日は直接AfCFTAではありませんが、仕組みづくりから見る直接・間接的な経済貢献を扱った記事を共有します。
一つ目は、コロナ環境下でドナーへの依存が改めてはっきりしたことに警鐘を鳴らしつつ、政府の自己金融の可能性を見る記事を。
二つ目は、AfCFTAでも重要になる貿易を活発化させる上で、まだ有効活用されていない東アフリカの海運資源に関して扱っている記事を共有します。
お楽しみに!
どうすればアフリカは自己金融を通した経済回復を実現できるのか?
英題:How Africa can self-finance its economic recovery
記事リンク:https://kathmandupost.com/columns/2020/11/10/how-africa-can-self-finance-its-economic-recovery
内容と背景:
本日は、コロナ環境下で経済を回復するためにアフリカが自力でできること、と題した記事を後共有します。以前の面白記事でも共有してきましたように、今年のGDPや経済成長率は年初めに当初発表されていたものから、5月など少しづつコロナの影響が見えてきたところで、さまざまな国際機関、国際金融機関のレポートなどから成長度合いが小さくなり、経済的に数百億ドルの規模の損失が出るのでじゃないかとも予測されました。
そんな中で、今回の記事では、これまでアフリカの成長を支えてきたパートナー(国や国際機関)が、それぞれの国内の経済回復に取り組むため、アフリカの国々に対してこれまで同様のサポートができないことをあげています。そこで、それぞれ、アフリカの国々が国内のリソースを活用し、一部を政府が負担する形のインフラ系のプログラムなどをこなしていくこと、さらにそれらのリソースをリサイクルする形で活用することで、すでに身動きが取れない状態を少しでも状態を緩やかにすることができるのではないかとしています。特に民間部門や投資家などをを引き入れることで、政府が全てをしなくて良くなるため、他の課題にも取り組めるようになるのではないかというのが最初の提案です。そしてこれを実現することで、アフリカ開発銀行が以前発表した、アフリカにおける年間680〜1080億ドルにも及ぶインフラ開発資金ギャップも埋められるのではないかとしています。
リサイクルできる資源には、電力発電所や空港、港、ファイバー回線などをあげており、これらを貨幣化することで、新たなプロジェクトにも取り掛かることができるようになり、それによって雇用創出や新たなビジネス機会などの副産物的な効果が得られるのではないかとしています。
記事によるとこのような取り組み方はあまりアフリカでは取り組まれていないようで、それを同級する上で、オーストラリアには多くを学べるのではないかとしています。オーストラリアは、12の国有のアセットリサイクルを行い、3年間で約180億ドルの算出に成功した過去を持っているようです。また、オーストラリアの例では、ソブリン・ウェルス・ファンドや年金基金、投資家などがこのようなプロジェクトに参画するようにもなったとしており、これを実現することで、それぞれの政府のドナーパートナーや、国際金融機関への依存ども減らせるようになるのではとしています。
記事ではさらに、デジタル化がアフリカの発展に大きく貢献することに触れ、コロナ環境下でも強く認識された、脆弱なインターネット環境を、信頼性の高いものにすることが政府に求められているとしています。そのような取り組みにおいて、上で共有したようなアセットリサイクルの手法をとることがアフリカの政府にとってもいいのではないかと共有しています。その一つの例として、Kigali Innovation Cityをあげており、ルワンダのフラッグシップの取り組みの一つである、政府主導であるものの、民間企業の参入を狙っている取り組みを共有しています。
また、最後ではやはり、AfCFTAの重要性にも触れており、これまで各国がそれぞれ取り組んできたようなプロジェクトや環境整備も、「インテグレーション」を実現するために共同で取り組むことで、それぞれの政府にかかる負担を軽減しつつ良い環境づくりができるのではないかとしています。
大きな政府と小さな政府の上手な切り替えとも取れる今回の提案が実際に施行されることはあるのでしょうか?
ただ、今回コロナの影響もあり、これまでのパートナーやドナー、そしてODAなどの外的サポートへの依存度の高さがハイライトされたこともあるなかで、アフリカとして、あるいはそれぞれの国々が他への依存度を少しずつ小さくしながらの発展を実現できるのか楽しみなものです。
もちろんAfCFTAもさまざまなドナーパートナーや国際機関からの支援を受けていますが、自力で走るようになった時のアフリカの経済成長がどうなるのか楽しみです。
関連記事:
- 「『アフリカの経済を一変させたいならば、政府への依存を超えた取り組み方を見据えなければいけない』面白記事 Vol. 103(2020年8月8日配信)」 – Link
- 「GoogleとIFCも発表!インターネット経済のアフリカ経済への貢献レポート!【Pick-Up! アフリカ Vol. 36 (投稿:2020年11月14日)】」 – Link
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東アフリカ地域は海運の持つ可能性を最大限に活かしきれていない
英題:East Africa has yet to tap its full maritime potential
内容と背景:
続きましては、東アフリカ地域から海運業の持つ可能性をまだ完全に引き出せていないという記事をご共有させていただきます。東アフリカ地域なので、東アフリカ共同体(East Africa Community: EAC)の国々だけでなく、さらにそこに海に面している、スーダン、エリトリア、ジブチ、ソマリアといった国も入ってきた大きな意味での東アフリカ地域に関しての話題です。これらの国々が所属する地域は政府館開発機構(Intergovernmental Authority on Development: IGAD)と呼ばれています。
地理的な情報からいきますと、実はこの地域には約2億5000万の人口を抱えていて、海には約6700Km面しているというのがあります。しかし、アフリカの貿易においては、90%が海運業を通して行われているのに反し、アフリカ諸国が所有する船は全体の1%ほどしかないようです。単純比較ではないのですが、どれだけ、アフリカの海運貿易がアフリカ依存しているのかを示しているのではないでしょうか!?
記事では、その原因が、港の未整備や有効活用ができていないことだけでなく、港の後のインフラがまだ充実していないことにもあるとしています。
そしてさらには、日本のニュースでもたまにみられる海賊行為などの脅威もこの傾向に拍車をかけているのではないかとしています。
そこで、この地域の地域海事評議会(Regional Maritime Council)の設立と、運営が、この課題を解決するだけでなく、AfCFTAの施行と効果的な貿易の実現にも大きな好影響をもたらすのではないかと記事では紹介しています。この評議会の設立なのですが、最初にIGAD内で提案されたのは2017年で、その後再び2019年にも提案されたのですが、未だ実際の設立には至っていないことから、今こそその時なのではないかとのことです。
この評議会が設立されることで、港から陸地に向かうさまざまな貿易網の開発に繋げられるのではないかとしており、すでにある、ケニアーウガンダ間や、南スーダンーエチオピア間、さらにはアデン湾や紅海、そしてカンパラ(ウガンダ)ージブチ間の回廊などとの連携や、それらの回廊の再建などを通した雇用機会の早出など、違った経済効果も期待できるのではないかとも記事では書いています。そしてさらには、安全の確保ができれば観光業にも良い影響を及ぼすことが期待されているようです。
この記事では数値的なものであったりまで共有していませんが、また改めてそれらの面から捉えている記事なども共有できればと思います。
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関連記事:
- 「How an IGAD Regional Maritime Council can boost tra」 – Link
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