記事リンク:
内容と背景:
本日は、Netflixがケニアで無料のプランを開始したという記事をご紹介します。
新型コロナウイルス拡大の影響により、外出を控えるようになったことで、Netflixの需要が高まり、ユーザー数を伸ばしてきました。しかし、2021年になると新規会員数の伸びは徐々に低下し、予想される増加人数を下回るようになりました。
四半期末からの会員の純増数は会社予想である600万人を大きく下回り、398万人とどまりました。これは、前年の同時期の会員の純増数と比べて約4分の1にあたります。
このような事態により、Netflixは新規会員数を増加させるため、アフリカへの普及を目指しています。アフリカでは、テレビのコンテンツをインターネット上でお金をだして見るということが比較的普及しておらず、新規顧客獲得に胸が広がります。
以前投稿したこちらの記事では、ナイジェリアでのシェアを進めるために、Netflixがナイジェリアの映画制作者とパートナーシップを結んだということが紹介されています。Netflixがナイジェリアの映画制作会社と提携し、アフリカ市場への進出を拡大させようとしていたことがわかります。
今回、Netflixはケニアで無料モバイルプランを開始すると発表しました。このフリープランは、18歳以上のアンドロイドユーザーに向けたもので、広告もつけられないとのことです。
Netflixはストリーミングビデオ市場の競争が激化している中で、すでに飽和状態となったアメリカなどではなく、新しい市場で顧客を新しく獲得しようとしています。そこで今回は、ケニアで生まれた新しいユーザーが無料プランから、有料プランに加入してもらうことを狙いとしています。
以前にも、ケニア以外でこのような無料サービスは実施されていました。インドでは、2018年に3ドル(約300円)で登録できるモバイルプランを実験的に導入していました。日本でNetflixに加入すると1000円から2000円程かかるので、かなり安価なことがわかります。その後、このようなサービスはほかの国にも広がっています。2020年には『ストレンジャー・シングス 未知の世界』というドラマのシリーズや”『好きだった君へのラブレター』などの映画が全世界に配信されたことがあります。
ではなぜ、新規の会員者数は伸び悩んでいるのでしょうか。ここでは、四つの理由を示します。
一つ目の理由は、自粛規制の緩和です。アメリカやイギリスでは、ワクチンも進み、以前よりも外出する人が増えてくると考えられています。それにより、家で動画をみる機会が減ることからユーザー数が低下したと考えられます。
二つ目は、競争の激化です。上記でも少し触れましたが、Netflix以外にもストリーミングサービスは増加しており、新規登録者が増加しないことに加担していると考えられます。また、現在では、無料で見れる様々な動画コンテンツが存在しており、「コンテンツ過剰」な状態にあります。有料のサービスに登録する必要がなくなっていることも原因と考えられます。
三つ目は、コロナ下における制作の遅れです。映画やドラマなどの制作が遅れていることで、2021年は新作が少なかったことが有料会員数の伸びに影響していると考えられます。
四つ目は、急激な会員数の増加です。コロナによって、前倒しに成長してしまったため、会員数は一時的に伸びましたが、その分のしわ寄せがきていると考えられます。急速な成長が現在の会員数増加に歯止めをかけていると予想されます。
また、その性質上コンテンツの種類が少なくなりやすいため、こちらの記事ではビデオゲームの追加を検討していることが書かれています。
このように、Netflixは新規登録者数を増やすため、アフリカへの市場の拡大や新しいコンテンツの追加などを進めています。私たちが紹介した中でも、ナイジェリア、ケニアとその規模は拡大しています。今後の展開に期待が膨らみます。
関連・参考記事:
- Netflixが新たにナイジェリアの映画制作セクターに進出!《アフリカエンタメウィーク第二弾》【面白記事 Vol. 129: 2020年9月8日配信】-Link
- Netflix to add mobile video games as subscriber growth slows, REUTERS-Link
- Netflix、会員数の伸び鈍化鮮明 1~3月24%増収, 日本経済新聞-Link
ご相談・お問い合わせ
アフリカ・ルワンダへのビジネス進出をご検討の際は、当サイトの運営に関わっているレックスバート・コミュニケーションズ株式会社までご相談・お問い合わせください。