ジブチ:なぜRadissonがアフリカの国々にホテルを新たに建設しているのか?

英題:Djibouti: Why Radisson is opening a hotel in this tiny African country


記事リンク:https://www.howwemadeitinafrica.com/djibouti-why-radisson-is-opening-a-hotel-in-this-tiny-african-country/121338/?mc_cid=313b84e9f8&mc_eid=e5bbf89d9d


内容と背景:

アフリカだけでなく、世界でも観光や接客業などの業界は目に見える形でコロナ禍で大きな影響を受けたのではないでしょうか。しかし、ワクチン接種なども世界各国で行われるようになったことで、少しづつ海外への渡航も見られるようになってきました。これにともない、観光目的での人の移動もにられるのではないかと予測されます。

そんな中で、今回はRadisson Hotel Groupがジブチに新たなホテルを建設するというニュースをお届けします。それに先立ち、実は昨年7月にはアフリカ市場で6の新たなホテルの建設(マリ、ナイジェリア、南アフリカx2、エチオピア、ガーナ)をも発表しており、今回のジブチへの進出はコロナ禍から抜け出す兆しが見えてきたからとられた特別な動きということでもないようです。またこの昨年の時点で合計32カ国への進出を実現していたとこちらの記事では共有されています。またこちらの、同グループのアフリカ・トルコ部署の副代表のRamsay Rankoussi氏へのインタビュー記事では、2025年までにアフリカ全体で150以上のホテルへの成長計画が共有されています。

さて本日ご紹介する記事は、2024年完成予定で、144部屋を備えたホテルをジブチに建設予定との同グループが今年6月に行われたアナウンスの共有で始まっています。約1100万人の人口と、人口的には大国とはいえないものの、海に面しており、海運ロジスティックスを介しアフリカと中東、アジア、そしてヨーロッパを繋ぐ役割をになっている同国への進出に至るまでの流れがインタビュー形式で紹介されています。

まず最初に、ジブチ(アフリカ大陸全域も含む)への進出・事業拡大に何を見ているかという質問か行われ、それに対し、同グループが将来的に、アフリカにおける中規模からラグジュアリー分野における戦略を持っていると共有されています。中でも、特にアフリカで中心的な存在になり得る都市や金融ハブなどに目を向けた結果、今回のジブチへの進出という決定に至ったことが明かされています。

この他、政治的安定性も挙げられています。そして、同国ではこの分野において競争力がまだ激しくないことにも触れるとともに、同国が2035年までの成長戦略として掲げる目標の中で現在のGDPの3倍の実現、中でも同国への訪問者数の50万人超えの目標があり、観光分野がVision 2035と言われている成長戦略の中で重要な役割を担うのが見えたことも大きな後押しとなたとしています。

さらに、インタビューの質問の中では、進出が10年前ではなく、このタイミングになったことに関しても聞かれており、同グループが採用しているオーナーーオペレーターという関係性による決定によるところが大きいと説明しています。というのも、この関係性においては、オーナー側が投資の可否を決定する役割を担うのに対し、オペレーター側にあたるRadissonがその後のホテルの経営を任されていると説明しています。中でもパートナーとなるオーナー側の決定がカギを握るとともに、両者間でのより良い関係構築と同じ長期ビジョンを描いているのかなど様々な要素において共通認識・理解が必要となるとしています。そして、今回がそれらの最適なタイミングだったとはなしています。

ジブチへの進出に見る競合に関して、あまり競争が激しくないと先に共有してはいるものの、国内で想定される競合に関しても話しています。国際的な同業者との競争、そしてローカルの同業者との競争の両方があり、前者に関しては彼らの現在提供するサービスと実際に求められているものとの差を同グループが埋められるだろうと話しています。今回は新たなサービスプロダクトを導入するようで、ジブチ経済の中心でもある、トランスポーテーション(輸送・交通)の要となる港や、経済特区、そして空港など繋げるようなロケーションにホテル建設する予定でもあると共有しています。

また、今回は同グループの数ある違ったサービスの中でも5つ星として知られる、Radisson Bluブランドを皮切りに、将来的には、他のブランドを介したジブチ内での事業展開も見込んでいるとも共有しています。特に3つ星の区分関しては、国際的な同業者の進出がないことから、一つの機会とも見ているようです。

最後にコロナの影響に関しても語られており、幾らかの課題を抱えたものの、アフリカでのホテル展開において、今年すでに11の合意書に調印していることにも触れ、記録を樹立していると話されています。

さて、今回の記事を選ぶにあたり、アフリカでの同分野の可能性に関しての記事もいくつか見かけましたので紹介していきます。

まず、コロナ以降の予測をし、成長の機運が見られるとしているこちらの記事では、そもそもアフリカの観光分野に大きな成長への見込みを一つの理由とするとともに、若年層が受け取ることに終始するのではなく、自らイノベーションや実用的な思考などを身につけて、アフリカのホスピタリティー産業に変革をもたらしていることもそれをさらに後押しすると予測しています。

さらにこちらの記事では、観光分野に焦点をあて、コロナの影響により、観光収入(約400億ドル)によってカバーされていたメンテナンスなどのコスト(約10億ドル)が得られなくなり、それが大きく財政に負担をかけた結果、職の損失や、動物保護などの予算が減らされ、例えば密猟のケースが増えたと共有しています。しかしこうした危機を乗り越えることで、これまでとは違った投資の形が見られるだろうともしており、そういったものが登場することで、ホスピタリティー分野への参入を目指す人や企業もさらに入りやすくなるだろうとしています。先の記事でも共有しましたRadisson Hotel Groupのアフリカ・トルコ部署の副代表、Ramsay Rankoussi氏は例えば、ホテル分野では、住居部門がコロナの影響に対抗できたことを指摘し、そういった要素を備えた新たな宿泊サービスなどもビジネスの可能性を広げるだろうと共有しています。

ホテル産業の分野がそれだけで成り立っているのではなく、観光やビジネスの活動と同歩調、あるいは影響しあうことを念頭に置かなければいけないものの、アフリカの両分野での活動の拡大、選択肢やサービスの多角化・拡充化が大きな意味を持ちそうなことがこれらの記事から読み取れました。

引き続きこの分野での可能性を共有するとともに、面白い取り組みなども紹介していきたいと思います。

ここに紹介しきれなかった他の関連・参考記事などを下記に共有していますので、ぜひご覧ください!


関連・参考記事:

  1. Radisson Hotel Group announces six new hotels in Africa
  2. Radisson Hotel Group on track for a record year in Africa
  3. Africa’s Hotel Industry: Growth and Development After COVID-19
  4. The future of the hotel sector in Africa after Covid-19
  5. Transforming Africa’s hotel industry
  6. International hotel brands target sub-Saharan Africa
  7. Spotlight on Africa – Q1 2021
  8. Hospitality Report Africa 2019

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