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みなさま、こんばんは!
さて、リニューアル初日であった昨日はお楽しみいただけましたでしょうか?
本日はPick-Up! アフリカVol.2として、アフリカ諸国が農業セクターにおいて抱える食料の安全保障に関する課題を最先端テクノロジーを用いて解決しようとする国際的な官民連携の動きをご紹介いたします。
本日もぜひお楽しみください!
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記事:「国際プラットフォームIMPROVATEが食糧安全保障における課題解決を目指し、アフリカ政府とイスラエルのテック企業らをつなぐ」
英題:「IMPROVATE brings together African nations and Israeli tech companies to tackle food security challenges」
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内容と背景
本日はアフリカ諸国が農業セクターにおいて抱える食料の安全保障に関する課題を最先端テクノロジーを用いて解決しようとする国際的な官民連携の動きをご紹介いたします。
今年9月29日に発表されたプレスリリースによると、政府とイノベーション企業をつなぐ国際的なプラットフォームであるIMPROVATEがイスラエルのテクノロジー企業とアフリカ諸国政府をつなぐことを目的として、食料の安全保障を議題に初の国際会議を開催しました。
IMPROVATEはすべての人々がイノベーションとテクノロジーにアクセスできるようにすることをビジョンに掲げ、今年9月にローンチされたばかりの新しい国際プラットフォームです。イスラエルのテルアビブを本拠に置く同プラットフォームは、テクノロジーにおいて変革を起こすプレイヤーをつなぐことを使命に、政府と企業間での国際会議やビジネス代表団の派遣などの実施を目指しており、今回開催された会議は同プラットフォーム初めての国際会議となりました。
会議はまずコンゴ民主共和国、ケニア、タンザニア、エチオピア、エスワティニ王国(旧スワジランド)の農業大臣らが食料の安全保障に関して自国が直面している課題を提示し、その後イスラエルを代表する10の企業らが課題に対するソリューションを提示する形で進められました。
現在は軍事国家であるという背景から特にサイバーセキュリティなどITやハイテク分野において世界をリードするイノベーション大国として広く認知されるようになったイスラエルですが、資源や国土に乏しく乾燥地帯に位置する同国は、乾いた土地を灌漑し野菜や果物を植えて国土を緑化していった歴史を持ち、実は昔から自国で開発した農業分野での卓越した技術を保有しているのです。
面白記事でもたびたび取り扱ってきていますが、アフリカではこれまで農業における低い生産性や収穫後のロスなどにより、急速に増加する人口をカバーする食料の安全保障が危惧されてきました。また今回世界的に発生したコロナウイルスにより起きているサプライチェーン網での混乱などにより農業セクターにおける食料の安全保障はより一層深刻な課題となっています。
IMPROVATEの創設者兼議長であるIrina Nevzlin氏は、人々は危機に直面した際、その問題や加害者にフォーカスを当てて考える傾向にあるが、重要なことは問題の原因を理解することであり、当局者や企業らが問題の解決に集中できるようにするためのプラットフォーム構築が必要であると述べています。またその上で彼女は、人々の生活向上につながる共通の目標を前進させるために課題の実用的な解決方法を模索する政府やテクノロジーリーダーをつなぐIMPROVATEはまさにその必要性に応える役割を果たしていると主張しています。
アフリカにて労働人口の約6割が従事する農業セクターでは食料の安全保障を維持するため、近年生産性の低い伝統的な農法から最先端技術を活用した生産性の高い近代的な農法への転換が謳われており、最先端テクノロジーの導入が盛んに行われています。アフリカ諸国が自国民をカバーするだけでなく、将来的に世界各国に食糧を提供する農業大国へと成長するためには、官民組織や国家を超えた協力関係の構築および連携が不可欠と言えます。
記事本文では会議に参加したイスラエルのテクノロジー企業などが紹介されていますので、ご関心のある方はぜひ合わせてお読みください。
関連・参考記事:
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- 「農業セクターにおける組織間連携の動き(面白記事 Vol. 120)」–Link
- 「アフリカ農業における課題点からみるコールドチェーン構築の必要性(面白記事 Vol. 108)」–Link
- 「アフリカの農業セクターを脅かすバッタの大群と深刻な干ばつ(面白記事 Vol. 87)」–Link
- 「農業セクターにおけるCOVID-19の影響;南アフリカとケニアの事例(面白記事 Vol. 69)」–Link
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