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学習障害と支援技術: アフリカ人のユニークなケース
The unique case of Africans with learning disabilities and assistive technology
記事リンク:https://techpoint.africa/2021/06/24/learning-disabilities-assistive-technology/
内容と背景:
本日はアフリカの「学習障害」について取り扱った記事をピックアップしました。
近年日本では、約10人に1人の子どもがADHD(注意欠陥・多動性障害)であるという通説があります。
また、診断基準が変更され、該当する子どもが増えたことや、社会的に学習障害の存在が認知されるようになったことなどによる影響から、世界中では発達障害や学習障害の数は年々増えているということも言われています。
アメリカでは2003年には440万人の子どもがADHDであると診断を受けていましたが、2020年には610万人となり、上昇傾向にあるということが分かります。
今回の記事では、アフリカでも同様に学習障害障害のある子どもは増加傾向にあるものの、統計データが不十分なため、数を正しく特定することが不可能であるということが示されていました。
また、ISDS(International School of Disability Studies: 2017)によると、学習障害のあるほとんどの人に正しい診断がついていないということが明らかになりました。その結果、いまだに多くの人が必要なケアやサポートを受けることができていない現状にあるということです。
この記事では、アフリカに住む学習障害や発達障害を有する人々に、どのような困難があったかということについて一人一人にフォーカスが当たっています。
例えば、学習障害は人々に理解されず、時に馬鹿にされ、”STUPID”と呼ばれたり、ウガンダではディスレクシアの子どもが学習障害であるということを理由に、学校に入学することを拒否されたケースが多数あるということが書かれていました。学習障害の存在が社会的にあまり認知されていないことにより、自尊心が傷つけられたり、学習の機会を奪われるなど苦しい思いをしている人がたくさんいるということが理解できます。
今回のこの記事では、そういった学習障害のある人々に対して、適切な支援機器を使うことについてのメリットを説明しています。例えば、文章を読むことが苦手なディスレクシアという障害に対しては、音読をする機械など、また書くことが苦手な障害にはライティングを支援する機器などを提案しています。
しかし現実には、アフリカなどの低中所得国において、支援機器を必要としているすべての人が適切な支援機器を手に入れることができるわけではありません。世界では10億人以上の障害のある人々がそういった支援機器にアクセスできていないというデータもあります。
そこで、国際社会ではアフリカでの支援機器の普及を目指し、ACAT (the African Community on Assistive Technology)というイニシアチブを2017年に設立しました。これは、WHOのthe WHO Global Cooperation on Assistive technology (GATE) コミュニティの一員が主導しています。
例えば、使用者に適した車椅子提供のための成果測定の開発など、現地で活動する団体と協力して必要な視座や知識の提供などを行っています。
今回はアフリカの学習障害について言及している珍しい記事でした。関連する研究論文などを色々と確認してみたものの、はじめに言及したようにどの論文でも、正しい統計データが不足しているということが書かれていました。また、関連する研究論文や記事はごく少数であるように感じるとともに、アフリカの小学校に足を運んでも、知的障害の認識は広がっていても、まだまだ発達障害や学習障害に対する認知は広がっていないように実感できます。
必ずしも学習障害や発達障害を定義づけることが必要かどうかということの判断は難しいですが、その障害が原因となって起きる差別などをなくすために、正しい理解を促進することが大切なのではないかと感じます。アフリカ各国が今後どのように学習障害や発達障害に向き合っていくのか引き続き見ていきたいと思います。
関連・参考記事:
- Attention-Deficit / Hyperactivity Disorder (ADHD) – Link
- ケニアの盲目の男性、電力エンジニアとしての働き方【面白記事 Vol. 98: 2020年8月3日配信】- Link
- アフリカ:ろう者のテクノロジーアクセスを高める【Pick-Up! アフリカ Vol. 119:2021年3月1日配信】- Link
- African Community on Assistive Technology – Link
- Africa’s First Innovation Ecosystem dedicated to Assistive Technology launched In Nairobi, Kenya – Link
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