記事:ナイジェリアの国立芸術劇場の改修で16000人の雇用を創出
National Theatre’s renovation will create 16,000 jobs – Official
内容と背景:
本日はアフリカのエンタメ市場に着目して、ナイジェリアの国立芸術劇場の改修について書かれた記事をご紹介します。
「2017年ー2021年のグローバルエンターテイメント・メディアの見通しレポート」によると、調査対象となった54か国の中で最大の成長率を誇ったのは12.1%のナイジェリアと示されています。反対に最低の成長率という結果になったのは日本で、成長率は1.7%に留まっていました。
ナイジェリアのエンタメ市場の根幹となっているのは、ノリウッドと呼ばれる映画産業で、労働従事者は約100万人、国内のGDPの1.4%を占めているなど、ナイジェリア国内に大きな影響を及ぼしています。音楽業界の総収益の伸び率も右肩上がりで、2021年に13.4%の成長率、7,300万米ドルに増加すると推定されています。
そこで、今回は急速に成長するナイジェリアのエンターテイメント産業のハブとなる国立劇場の改修について書かれている記事をピックアップしました。
ナイジェリアの国立芸術劇場は1976年に建設され、建物の中には現代美術コレクションが収められています。
この国立芸術劇場は今年2月に改修が決定し、連邦政府とナイジェリア中央銀行(CBN)によって国立芸術劇場の改修を正式に開始するための覚書(MoU)が結ばれました。国立劇場と隣接するエンターテインメントハブが同時に建設されるということです。
この記事では、国立芸術劇場の改修とその後の収益性の高い事業の運営のために、ナイジェリア中央銀行から多額の資金が投資され、16000人もの雇用の創出が推定されているということが書かれていました。
その他、関連する記事を読んでみると、この国立劇場の改修に至った背景は、ナイジェリアが力を入れている「非石油産業」の創出よる影響が大きいと考えられます。ナイジェリアは石油大国として知られているものの、2014年に起こった石油価格の暴落によってナイジェリア経済の脆弱性が露呈したことから、政府は非石油産業ににより力を入れるために国内産業に着手しているということが言われています(関連記事4)。
そこで、現在ではあまり使われなくなってしまっている国立芸術劇場を改修し、21世紀の美学を備えた建物内の設備と施設、そして隣接する44ヘクタールの土地にクリエイティブなハブのエコシステムを開発し、アフリカ一のイベント施設となることが目指されています。
同時に、ナイジェリア国内のクリエイティブ産業の活性化と、その産業に従事する若者の雇用機会の拡大にもつながるということが示されています。
隣接するクリエイティブハブでは、音楽、映画、ファッション、情報技術のための専用のクリエイティブハブの開発に利用され、音楽スタジオや映画製作スタジオなどが併設されるということです。
世界的にも大きな成長を遂げているナイジェリアのクリエイティブ産業が、国内の施設を拠点にますます成長していく様子が想像できます。Pick-Up!アフリカでは、引き続きこの産業の動向や、建物の工事の進捗など、情報を追っていきたいと思います。
関連・参考記事:
- Nigeria will be the world’s fastest growing E&M market– PwC Report – Link
- Media and Entertainment Industry (Nollywood and Nigerian music) – Link
- Journey Towards National Theatre’s Rebirth – Link
- Why Nigeria urgently needs to grow non-oil exports – Link
- Netflixが新たにナイジェリアの映画制作セクターに進出!《アフリカエンタメウィーク第二弾》【面白記事 Vol. 129: 2020年9月8日配信】- Link
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