目次
みなさま、こんばんは。
本日は環境立国を目指すルワンダにて、電気自動車やLPGガスの普及を通じて温室効果ガスの排出量を削減しようと目指す Safi Run Rwanda の最新の動きをご紹介いたします。
ぜひ関連記事と合わせてご覧ください。
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記事:「ルワンダの気候行動アジェンダ:2,500万ドルもの後押しを受ける」
「Rwanda’s Clean Air Agenda Gets $25million Investment」
記事リンク:
https://www.ktpress.rw/2021/03/rwandas-clean-air-agenda-gets-25million-investment/
内容と背景:
本日は環境立国を目指すルワンダにて、電気自動車や液化石油ガス(LPGガス)の普及を通じて温室効果ガスの排出量を削減しようと目指す Safi Run Rwanda の最新の動きをご紹介いたします。
本日ピックアップしている記事でも紹介されていますが、ルワンダは調理時などに燃料として従来より使用されてきた薪や木炭に代わる燃料としてガスを積極的に採用することで、温室効果ガスの排出を削減し、環境立国になるという野心的な目標を掲げた最初のアフリカの国として知られています。
ルワンダでは2016年に大気室の保全と大気汚染の防止に関する法律が採択され、2020年には国内と外部の両方から資金提供を受ける形で110億ドル相当の気候行動アジェンダが発表されています。このアジェンダのなかで、ルワンダは2030年までに温室効果ガスの排出量を38%削減する目標を掲げており、最大460万トンに相当する量の二酸化炭素を削減する計画を立てています。
加えて記事によると、ルワンダでは近年液体ガス製品や調理器具の消費量が増加している一方、人口の約80%が依然として調理時に木炭を使用しているなか、政府は2024年までにその割合を42%にまで減少させることを目標としています。
ルワンダでの温室効果ガスの排出状況に関して、環境大臣のJeanne d’Arc Mujawamariya博士は一般にモトと呼ばれる二輪車が首都キガリの温室効果ガス排出量の60%以上を占めており、公共の自動車や自家用車がモトに続く形であると述べています。
さらにMujawamariya博士は最近行われたインタビューの中で、モトはメンテナンスが不十分な場合が多く、自動車と並び大気中に大量のガスを放出するため、大きな懸念事項であり、ルワンダ政府は現在二輪車や自動車を、燃料を使用するものから電気を使用するものへと切り替えようとしていると述べています。彼の話によると、政府は電気輸送手段の利用にインセンティブを与えると同時に、薪や木炭の代替燃料としてLPGや電気など、クリーンエネルギーの使用奨励を試みているようです。
このように、ルワンダが国を挙げてクリーンエネルギーの使用を促進し、環境立国となることを目指しているなか、本日ピックアップしている記事によりますと、化石燃料ベースのモビリティにより引き起こされる大気汚染を減少させようと、国際的に環境に優しい食品配送やロジスティクスを提供するテクノロジー企業 Safi Run が先週3月18日木曜日にルワンダへ2,500万ドルもの資金を投じることを発表しました。
Safi Run Rwanda のCEOであるTony B. Adesina氏は投資先にルワンダを選んだ理由として、その有利な政治的環境や、自社のサービスを促進してくれるビジネスおよび環境政策を挙げています。
Adesina氏の話によると、同社は今後5年間で電気二輪車による調理用LPGガスの配送を始めとする様々なグリーンモビリティソリューションを首都キガリ、また北部のムサンゼ地区、フイエ地区とルワンダ国内で順次に提供していく予定のようです。
また同社のオペレーションマネージャーMarie Jose Tuyizere氏の話によれば、グリーンモビリティソリューションの提供には、ルワンダの温室効果ガス削減を後押しするだけでなく、男女問わず若者の雇用を創出する狙いがあるようです。Tuyizere氏は、同社はこれまでに女性を含む50人のルワンダ人を雇用しており、今後3年間で300人以上のルワンダ人を雇用することを目標に掲げていると述べています。
関連記事によると、ルワンダで調理用ガスを手に入れる際、現在はガソリンスタンドまで行くのが一般的のようですが、同社の提供するサービスにより人々はガソリンスタンドまで行かずとも自宅の玄関でガスを受け取れるようになると考えられます。同社のメンバーJerry Ndayishimye氏は今後のサービス展開に関して、既存のLPGガス供給業者と協力し、最小限のコストで高品質なサービス提供を実現できるよう努めると述べています。
別の関連記事ではルワンダの研究者など複数の研究者が共同で発表しているレポートが紹介されており、従来の二輪車から電動二輪車への移行を推進することで、年間90億相当もの電力消費を削減することができるとの研究結果が示されています。この研究結果からも、電動二輪車の普及を始め様々なグリーンモビリティソリューションの提供を目指すSafi Run Rwandaの取り組みは、環境立国を目指すルワンダのビジョンを後押しするものであると考えられます。
関連記事には、温室効果ガスの排出削減を目指すルワンダのビジョンに言及している記事や、Safi Run Rwandaの取り組みに言及している記事を載せています。ご関心のある方はぜひご覧ください。
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