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アフリカ連合、大陸全体向けのインフラストラクチャーファンド立ち上げへ
英題:African Union to set up infrastructure fund for the continent
内容と背景:
記事では、道路、鉄道、電力発電所などに向けて取り組むためのファンドを設立すると伝えています。記事によるとこうなるに至った理由として、現在毎年600億ドル〜900億ドルの同事業を行う上での資金不足にあるようです。
記事ではこれを解決する一つの方法として、南アフリカやアンゴラ、ナイジェリア、モロッコ、エジプト、ケニアなどの政府系ファンド、保険資金、退職基金を活用することを考えているようです。そして、5%の持株に相当する投資を様々なファンドに対して行う予定とアフリカ連合内のインフラの高官を務めるRaila Odinga氏が話していると共有しています。アフリカ連合としては、ここに投資することが、今後の投資先を見つける間それぞれのファンド関係者が自らの資金を無益化することよりも有益だろうとしています。
アフリカ連合はこれからこのファンドの枠組みを作るのですが、アフリカ連合の開発機関として新たに立ち上げられた、African Union Development Agencyが管理するようです。
この動きを取った背景には、これまでアフリカ連合が潤沢な資金を持つ国々からの資金援助に依存してきたことがあると伝えています。特に近年様々なところでアフリカといえば中国の資金援助ということを聞くことも多いと思いますが、ケニアなど様々な国々の高い債務水準が影響し、中国からの融資額の減少に繋がっていることがあるようです。
今回のファンドを立ち上げることで、今年から施行されているアフリカ大陸自由貿易圏(African Continental Free Trade Area: AfCFTA)にとっても重要視されるインフラへの取り組みを加速しようとの事のようです。
関連記事にありますMcKinseyの記事によりますと、アフリカで着手されているインフラ関連のプロジェクトのうち、80%は予備調査、あるいはビジネスプランの確率段階で頓挫してしまい、次のファイナンスまで行きつかないようなのです。この記事では、この現象をAfrica’s infrastructure paradoxと呼び、さらに深く検証しています。
また、他の記事では、アフリカ域内を繋げようとする投資家の興味を惹きつけそうなプロジェクトがある反面、様々な基本的な課題(財務系、税務系、法的、法人管理システム)間の調整の難しさに加え、こういったインフラ関連のプロジェクトの管理・実施団体が、実施国外にあることを課題の一つとしてあげています。そして、ここに社会的責任投資(Environmental, Social and governance [ESG] factors)事項が加わることで、アフリカ大陸が抱えるインフラギャップをさらに広める原因になっているとしています。
また、もう一つの記事では、インフラに限定した話題ではないですが、SDGsを実装するにおいてもアフリカは資金不足が叫ばれていることを伝えています。コロナ前からもこの課題は伝えられてきたのですが、コロナの影響でこちらも難しくなっていることが容易に想像できるだけに、今後、各国内や域内のインフラ開発、SDGs、そして何よりも国民の生活を保障していく上でさらなる各国政府の支出が求められるだけに、どのようにしてこれらの資金不足を解決していくのか追っていく必要がありそうです。
関連記事:
- 「ルワンダ大統領、グローバル社会保障基金について語る【Pick-Up! アフリカ Vol. 92:2021年1月28日配信】」 – Link
- 「COVID-19がもたらした課題と解決への取り組みとは?【面白記事 Vol. 50: 2020年6月3日配信】」 – Link
- 「コラム – Vol. 6: アフリカ物流市場のマーケットポテンシャルとは?」 – Link
- 「Solving Africa’s infrastructure paradox」 – Link
- 「Why Is It So Difficult to Fund Infrastructure Development in Africa?」 – Link
- 「Where does Africa stand in achieving the SDGs but most importantly what are the financing gaps the continent faces in achieving these goals.」 – Link
- 「Closing the SDG Financing Gap—Trends and Data」 – Link
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