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なぜアフリカのFintech企業は新たな市場への進出よりも、製品を揃えることにより取り組んでいるのか?
英題:Why African fintech startups are expanding their product suites rather than hitting new markets
内容と背景:
アフリカのFintech分野がアツいのはこれまでもお伝えしてきました。そしてここ数年、注目に値する企業もいくつか出ています。中には新しい市場・国へ新しい機会を求める企業もありますが、どうやら現在違った傾向が見えるようです。
記事では、Fintechへの投資を行うVCである、Quona CapitalのJohan Bosini氏へのインタビューという形で、現在のFintech企業の拡大に見える傾向に関して話しています。インタビューの最初で、資金運用や財務計画などのデジタルソリューションを提供しているCowrywise社に対して同社が3億ドルのシリーズA前の投資を行ったと共有し、彼らのビジネスがナイジェリアのファイナンスへのアクセスを民主化していることがとても興味深いとし、その投資に繋がったと話したようです。そしてさらには、彼らが資産クラスに従った動きをしていることや、パートナーシップモデルを活用しようとしていること、そして教育など多岐にわたる取り組みを行っていることも彼らへの興味を高めたとしています。
インタビューの続きで、今回の投資によって、他国への進出より、現在のソリューションをさらに広めることに活用する予定と話すとともに、これが現在よく見られる傾向でもあるとしています。Fintech企業が銀行に対して挑戦しようとしていることが、これをさらに引き出しているとしています。
特にナイジェリアがとても大きな市場であることが、他の市場に行くことよりも、現在提供しているものをさらに深めることの方が法理的であると話すとともに、他の市場に行く際に乗り越えなければいけない課題(法や政策、規制の違い、言語や複数の通貨への対応、そしてその他にも細々とした課題への対応に要する人的リソースを割かなければいけない点)などを挙げ、これらがさらにその傾向を強めていると続けています。
さらにインタビューではFintech分野への投資の集中に関しても触れており、投資家の世界でも注目の的となっていると話しながらも、南アメリカなどで見られたような投資環境への変貌がまだ実現できていないことを指摘しています。ただ、同時に、とても早いスピードで成熟していっていることにも触れており、彼らのこの分野へと集中した投資も理解できそうです。
インタビューではさらに銀行の存在に関しても触れており、スタートアップ企業が最も必要とする認可などを持っていることが、新たに銀行とスタートアップ企業の間でのパートナーシップの形成を後押ししているとも話しています。
記事の下の方ではDisrupt Africaのポッドキャストも共有されており、今回の記事の内容や他にも、Startupbootcamp AfriTech社の代表Philip Kiracofe氏にしたインタビューも聞くことができる。彼らは、既存企業とスタートアップ企業とを繋げ、PoCなどを行う手伝い、そしてその後の投資へと繋げるサポートを行なっており、コロナでこれまでと同様のビジネス面での収入などが見られないだろうことに気付いてきた企業がアフリカへの進出と新たな顧客の獲得のために彼らに対して問い合わせを増やしていると話しています。
少し長いですが、とても面白いポッドキャストとなっていますので、ぜひお時間があるときに聞いて観てください。
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