2021年注目すべきアフリカのテックトレンド!

英題:African tech trends to watch out for in 2021

内容と背景:

昨年のイノベーションやテック系での動きを思い出しますと、コロナの影響もあり、「リモート」でサービス提供が一つのトレンドになっていたのではないでしょうか?その中で、教育、健康医療、ロジスティックスなどの管理サービス、そしてe-コマースや電子決済などに関する話題を耳にすることが多かったように思います。

また、1月後半、2月前半に共有しました、スタートアップへの投資に関する記事などではFinTech系への投資が、2020年の投資全体で大きな割合を持っていたことなども伝えさせていただきました。

記事でもEdTechやBioTech(生物工学)系が大きな成長を見せ、コロナによって推奨されたオンラインでのサービス提供の影響を良い方向に受けたe-コマースが2020年を表現する上でのトレンドだったと始めています。

記事では、ここから6名へ行ったインタビューから、それぞれが見るトレンドを共有しています。それぞれについて少し解説していきます。

トレンド①:FitnessTech

こちらはTechcabalで編集長を務めているKoremone Koroye氏があげたトレンドです。その背景として昨年のApple社の新製品発表の中で見られましたように、Fitnessへの大きな取り組みをあげています。またApple社だけでなく、スマートウォッチなどの製品の装着者の健康状態などをデータ化することが一般化していることから、その中で動くアプリや同様の製品の開発などの流れがアフリカにも来るのではないかとしています。ナイジェリアでジムを営む方が実際に同様のアプリを開発したことにも触れ、そう遠い将来のことではないのではないかとしています。

実際、「With コロナ」がまだ続くことやアフリカでの遠隔医療の必要性などを鑑みるに、この動きがあながち間違ったものではないようにも思えます。

トレンド②:Music TechとスキンケアTech

こちらはEdwin Madu氏の予測で、こう考える裏にはライフスタイル、そして、人々の健康・幸福な状態を表すWell-beingの分野をより良くするテクノロジーの成長が見られるのではないかとしており、その中で代表となるのが、音楽、そしてスキンケアなのではないかと言っています。

こちらの記事でも何度か、音楽などの芸術系の取り組みがアフリカで抱える課題(著作権や彼らの活躍や収入獲得を後押しする環境が未整備)を共有してきましたが、それらのことに取り組む技術が見られるのではないかとしています。また、音楽だけでなく、もしかしたら動画配信などもこの一つに入るのかもしれません。

スキンケアに関しては、ガーナで行われたMESTプログラムで採用され、開発されたBAREというスタートアップを紹介しています。このスタートアップではもともと肌の黒い方々が使いたがるスキンケア商品やマーケットを理解し、それに関しての情報を集めることを目的としていたのですが、そもそも黒い肌に関わるデータが足りていないという課題に直面したようです。そしてその課題を解決するという形で、黒い肌に関するデータを集め、AI技術を駆使し黒い肌の方々に合うスキンケア開発に向け、同分野の企業などに対し分析・コンサルテーションを提供するようになったようです。

このアプリからもわかるように、これを使って開発されたスキンケア商品が市場に出回ることで女性の「美」に対する取り組みがより良くなることが想像できます。

トレンド③:融資&不動産テクノロジー

こちらは、Techcabalのライターの一人でもある、Olumuyiwa Olowogboyega氏の予測です。資金の融資などを決める際に必要な情報をデータ化し、融資業社らに提供しているOZÉ社を紹介するとともに、アフリカだけでなく、世界でもローンなど融資が日常でも行われていること、そして、それらの決定をする際に必ず行わなければいけない信用調査を簡単に行うことができる必要性に目をつけている面白いソリューションです。そのようなソリューションが今後増えていくのではないかと予測されています。

そして同様に不動産がいつの時代も一つのビジネスであり、不動産を扱う業者の助け、あるいは彼らの競争相手になるであろうソリューションが出るのではないかとしています。

トレンド④:農業技術

こちらもTechcabalのライターの一人である、Alexander Onukwe氏が紹介しています。近年農業分野のテクノロジーで注目されていたのが、「どのように農業生産量を高めるか」だったことに対し、農場での問題だけでなく、さらに先のサプライチェーンに及んだ課題解決を行ったナイジェリアのスタートアップが100万ドルの収入を2019年と2020年に記録したことに注目した結果、同様に農場だけでなく、「食」全体に関わる課題を解決するソリューションがトレンドとして挙げられるとしています。

トレンド⑤:Femtech

こちらも同様Techcabalのライターの一人、Bright Azuh氏の紹介トレンドです。こちらでは、女性起業家のテック界隈での存在感に注目しています。実際、ここ近年の投資傾向や企業傾向を見ると、女性の割合は男性の割合と比べとても少ないです。しかし、国際機関であったり、各国政府であったりが、女性の起業家育成、テック業界への進出をサポートする取り組みを増やしていることから、女性の同業界での活躍が見られるのではないかとしています。

トレンド⑥:Edtech

同じくTechcabalのライターの一人であるDaniel Adeyemi氏がトレンドとして取り上げている教育テクノロジーです。昨年はコロナの影響もあり、以前にもまして需要が高まったものの、まだ準備が整っていない感があったのも否めなかったのではないでしょうか。

4億5000万人いると言われるアフリカの子供たちの中で、実際にEdtechの恩恵を受けることができているのはたった1900万人と説明の中でも書かれています。この潜在的な市場に入り込むことができるような取り組みが必要になってくると同時に、その周りにある他の課題を解決することが必要なこともこの市場、そしてそこにソリューションを提供することが2021年の一つの注目に値することを示しているのではないでしょうか。

6つのかそれぞれ違ったトレンドの可能性が共有されていますが、昨年だけでなく、ここ最近の傾向からアフリカが動こうとしている方向を反映したものが共有されているのではないかと思います。

今年を振り返るようなレポートでこれらの点がどのように出てくるのか楽しみなものです。


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