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アフリカ大陸自由貿易圏:経済的に統一されたアフリカにおけるスポーツとエンターテイメントの未来
英題:The African Continental Free Trade Area (AfCFTA): Future of Sports and Entertainment in an Economically United Africa
内容と背景:
これまでも取り扱ってきましたように、AfCFTAは統一経済圏の規模としては世界最大と言われています。先の例としてはヨーロッパ連合がそのモデルになっています。アフリカでは、大陸が大きすぎることや、文化などの違いから、これまでは地域経済圏が中心となってそこでの統一を図ってきました。それぞれ、東西南北中央で違った経済圏があります。
また、ときには経済圏を跨いださらに大きな経済圏を形成することもありました。主に東部アフリカと南部アフリカの国々で構成される、COMESAなどはその代表例ではないでしょうか。
記事では、アフリカが大陸として一つの経済圏を作り出そうとしていることを、先の例である、ヨーロッパ連合(EU)や東南アジア諸国連合(ASEAN)、アラブ経済統合理事会(the Council of Arab Economic Union)とに照らし合わせると同時に、アメリカ合衆国とも照らし合わせています。
EUに関しては、統合を実現し他にも関わらず、先のイギリスの脱退(Brexit)が物語るように、統合が一筋縄では行かないと指摘しています。
これまでのアフリカの東西南北中央の経済共同体に関しては、統合に向けた取り組みとして取り組んだものの、完全なる統合の実現に失敗したことを指摘しています。その解決策として、大陸内部での活動の活発化に解決策を見出そうとしているともしています。そして、2030年までにアフリカでの人口増加などを背景に、アフリカ大陸としての消費力が約6.7兆ドルに達することから、ビジネスだけでなく、成長の可能性を見せ続けているエンターテイメントやスポーツなどもこの大陸としての統合を内部の活発化から実現していく動きを実現に近づける中で大きな役割を担うだろうとしています。
特にこの記事では、この分野での海外企業(Netflixやディズニー)の参入や、世界のスポーツ界へのタレントの放出などの事例から、コンスタントにアフリカが世界のそういった分野に貢献している要素を挙げ、AfCFTAが作られることで、アフリカ内でのエンターテイメント、スポーツ分野の成長を止めるのではなく、それぞれの良さを最大限に引き出すことに繋がるかという問いを掲げています。
その解として、エンターテイメント、スポーツ産業を発達させるための、これらの産業の産業化、生産や流通インフラの開発などが大きな鍵であるとしています。ここで指摘していることがこの両分野に限ったことではなく、AfCFTAとして機能・成功するためには、そしてアフリカで起きていることの大部分をコントロールするためには、特に生産と流通を地元(アフリカ内)でできるようにしなければいけないとしており、それを自らのスタイルで実現した例として、中国の例をあげています。
中国では、皆さんもご存知のように、GoogleやFacebookなどのサービスが締め出されたわけですが、この動きに他の理由があったにせよ、国内で同様のサービスを提供しようとしていた企業に成長の場や機会を与えたとしています。
そして、AfCFTAという取り組みをするようになったことこそが、大陸内のエンタメ・スポーツ分野の成長に取り組むとてもよいタイミングであるともいっており、「機は熟した」のではないかと書かれています。そして、地元でのこれらの分野への投資を増やすことが大切としています。
例としてサッカー界を使っているのですが、年々アフリカから若いタレントが排出され、彼らはヨーロッパなどの大舞台で活躍しています。この分野への十分な投資があれば、彼らを引き留め、地元に活躍の場を見出し、将来的にはアフリカがヨーロッパなど他の大陸とも同等に戦うことを可能にするだろうとしています。
もちろん、AfCFTAの施行がこの1月だったことから、急いで決めつけることはせず、どのように各国がコミットメントを見せ、大陸内での人・もの・製品・サービスの自由移動を実現していくのか見守った上で、AfCFTAがエンタメ・スポート分野にどのような影響を持つかみていきたいと記事では締め括られています。
私たちのサイトでも、少しではありますが、アフリカでのエンタメに関する記事を取り上げてきました。アフリカでのエンタメコンテンツの生産などこれまでと違った動きがみられてくるようになったものの、著作権や、業界の未発達から、アフリカ外に活躍の場を見出そうとする俳優などの動きは見られていますし、当分は続きそうにも見えます。しかし、内部での統一や組織化が進むことで、これらの業界が抱える課題も解決できていくのだろうという希望も今回の記事からも感じられました。
引き続き、これらの分野の話題に関しても取り上げていきます。
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