元記事:What is mpox and why has WHO declared it a global health emergency?

こんにちは!Pick-Up! アフリカです。先日8月14日、世界保健機関(WHO)が、コンゴ民主共和国やアフリカ全域で大流行しているエムポックス(サル痘)について、国際的に懸念される緊急事態だとして、最高レベルの警告を出しました

今回の記事では、

★そもそもエムポックスとはどんな病気で、どのように感染するのか

★なぜ国際的な緊急事態に?現在の感染者・死亡者数は?

★アフリカ・世界で十分な感染対策が可能なのか?ワクチンはあるのか?

について、最新の情報をもとに解説していきたいと思います。


そもそもエムポックスとはどんな病気で、どのように感染するのか?

エムポックス(サル痘)は、人獣共通感染症であり(人にも動物にも感染する)、天然痘で有名かつ大きいDNAウイルスであるポックスウイルス科の一種です。エムポックスは、天然痘(現在は根絶されている)や牛痘に似ているそうです。

最初にこの感染症が発見されたのは、1958年にデンマークの研究用のサルで、ヒトへの感染に関しては、1970年にコンゴ民主共和国の生後9ヶ月の男児が初めて報告されました。

症状としては、体の至る所にぶつぶつや水ぶくれなどの発疹(白・黄色の大きなニキビのように見えるそうです)ができ、水ぶくれは膿などの液体で満たされ、やがてかさぶたができて直ります。その他にも、発熱や頭痛、関節痛、リンパの張りが見られるそうです。

エムポックスの感染で死に至るケースは稀だそうです。

潜伏期間は3〜21日、症状は2〜4週間続くそうです。しかし、症状が現れる1〜4日前(潜伏期間)でも、他の人への感染力があるとのことです。

ヒトとヒト間の感染経路は、以下の通りです。

★感染者の損傷部、体液、呼吸飛沫との直接的な接触。

★感染者との対面による濃厚接触や近距離接触。

★感染物質と接触した寝具や衣服など、汚染された物に触れること

なぜ国際的な緊急事態に?現在の感染者・死亡者数は?

元記事によると、世界保健機関(WHO)が緊急事態を出すに至った背景には、ルワンダやケニアを含む数カ国で重症化しやすい新しいタイプのウイルスが発見されていることがあるようです。エムポックスは2022年7月にも緊急事態宣言がなされており、その際は70カ国以上に広がりましたが、2022年の時は死に至るケースが比較的稀だったものの、現在大流行しているウイルスの方が致死率が高いようです。

また、国際的な問題として国際社会に訴えることで、全世界から必要な資源を動員するという目的もあるようです。

コンゴ民主共和国から国外への行き来はあまり活発でないため、国際的な注目が十分に得られていませんが、こちらの記事によると、ブルンジ・ケニア・ルワンダ・ウガンダでは最近初めてエムポックスの感染が確認されたそうです。

8月15日の世界保健機関の声明の中では、現時点で1万4,000人の感染ケースと524人の死者(致死率約3%)が出ているとのことです。また、アフリカ大陸の中では少なくとも13カ国に広がっています

こちらの記事によると、新しいタイプのウイルスが蔓延するコンゴの州で、致死率が5.5%を記録したそうです。

また、こちらの記事によると、研究者はコンゴの鉱山地域で現れた新しいタイプのウイルスが、致死率10%まで上がる可能性があると発表したそうです。

まだ感染ケースの96%はコンゴ民主共和国で報告されていますが、8月15日には初めてアフリカ大陸外での感染ケースとして、スウェーデンで感染者が発見されました。参考記事

アフリカ・世界では十分な感染対策が可能なのか?ワクチンはあるのか?

実は、まだエムポックスの承認されたワクチンや治療法はないようです。

米国食品医薬局は、18歳以上の重症患者に対し、重症化を防ぐために天然痘ワクチンであるJYNNEOS(別名ImvamuneまたはImvanex)を投与することを承認していますが、効き目が限られている上に、コンゴ民主共和国ではエムポックス患者の60%が18歳以下だそうです。また、アフリカ疾病管理予防センター(CDC)によると、コンゴの感染者の70%近くは15歳以下の子供であり、死亡者の85%を占めているそうです(参考記事)。

日本ではLC16m8というワクチンが承認されましたが、研究では抗体反応を起こす場合があるようです。

コンゴでは今年後半にワクチンの配布が期待されているそうですが、アフリカ諸国ではワクチンを入手できる状態にはないため、有効な感染対策の手段は確立していないようです。(参考記事

おわりに

いかがでしたでしょうか?日本とは遠いアフリカの地で流行しているため日本ではあまり注意が向けられませんが、一度世界に広がってしまうと国際的に大きな問題となりそうです。

ちなみに、隣国のルワンダでは、先週(8月11日)に首都のバーガーショップへ行った際、今までマスクをしていなかった店員が全員マスクをしていたので、エムポックス対策なのかもしれないと思いました。

今後も動向を見ていきたいと思います。お楽しみに!


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