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こんにちは、Pick-Up! アフリカです。
ケニアのナイロビ、ウガンダのカンパラなど、アフリカの各地域では、都市開発や著しい経済成長に伴って交通渋滞や大気汚染などの問題が発生しています。
そこで本日は、都市移動が日々の課題となっているナイロビの中心部で、都市交通を再構築するべく、Uberが革命的なソリューションを導入したという記事を取り上げます!
元記事: https://techcabal.com/2023/08/31/uber-electric-motorbikes-kenya/
Uberの革新的なアクション
ケニアにも導入されているUber(ウーバー、ライドシェアサービス)は、交通課題に革新的なソリューションを導入し、アフリカの経済を形成する原動力となってきました。
ウーバーは、都市での移動が日常的な課題となっている忙しいケニアの街並みを変える解決策を発表しました。その名も、「ワン・エレクトリック (One Electric)」。
ナイロビ市民の移動手段に革命を起こすことを約束する電動バイクです。
ワン・エレクトリックは、ケニア市場においてUberが2023年に発表した三つ目の主要製品となります。
一つ目は、安全を守るためのUber車内に音声録音機能を導入するサービス、二つ目はUberの支払い方法にM-PESAの決済システムを加えたことです。(M-PESAとその仕組みについてはこちら!)
この電動バイクはUberのElectric Bodaというサービスの一環(ケニアではバイクタクシーのことをBoda Bodaと呼びます)で、ユーザーはUberアプリを使って電動バイクの乗車予約ができます。
Uberによると、この電動バイクは、ガソリンを燃料とするバイクに比べて燃料費と維持費を最大50%節約でき、交通部門からの二酸化炭素排出量と騒音公害も削減できるということです。
当初は3,000台のバイクでスタートしましたが、2023年末までに10,000台まで増やすという計画なようです。Electric Bodaの電動バイクの運転手をしたい場合、Uberから補助金付き料金で電動バイクを借りることができるそうです。
また、ナイロビ中にあるバッテリー交換ステーションにアクセスし、消耗したバッテリーをフル充電されたバッテリーと無料で交換することもできるようです。
しかし、交通の電動化はUberに限ったものではなく、世界レベルで「Eモビリティ」と呼ばれ、トレンドになっています。
「Eモビリティ」は、自動車、バス、自転車、スクーターなど、さまざまな電動交通手段を含んでおり、世界銀行(Workd Bank)の刊行物でも強調されているように、CO2排出量の削減・効率の向上・コスト削減・ユーザーエクスペリエンスの向上といった利点が原動力になっているようです。
アフリカにおける電動バイクの普及と活躍するベンチャー企業
アフリカでは、特にタクシーやデリバリーサービスにおける電動バイクの導入が増加しています。
これらの電動バイクは、運行コストの削減、効率の向上、騒音の低減、汚染の最小化など、大きな利点があります。電動バイクの導入に取り組む東アフリカベンチャー企業を紹介します。
★Ampersand
例えばルワンダでは、Ampersandというベンチャー企業が先駆けとなり、電動バイク導入のリーダーとなっています。この会社は1000人以上のドライバーを雇い、燃料費を75%節約できると主張しています。
Ampersandはバッテリー交換ステーションも提供しているほか、350万ドルの資金を調達し、他のアフリカ諸国への拡大も計画しているようです。
★Zembo
ウガンダにはZemboと呼ばれる独自の電動バイク会社があり、電動バイクを時間貸し・日貸しで提供しています。ZemboはAmpersandと同様、バッテリー交換ステーションとGPS追跡機能を提供しており、50台以上の電動バイクと100人以上のドライバーを管理しいています。
★Spiro
Spiroという企業は、ケニアとウガンダで電動バイクのバッテリー交換制度を提供する企業です。Spiroは2025年までにガソリンを燃料とするバイクを50万台なくすことを目指しており、充電ステーション網へのアクセスを提供しているようです。ちなみに最近はルワンダでもSpiroのバイクタクシーを稀に見かけます。
★Ecobodaa
もう一つのケニア企業Ecobodaaは、1回の充電で最大70km走行できるバッテリー駆動のバイクを開発し、デジタル決済オプションとバッテリー交換ステーションを提供しているそうです。
★Opibus
スウェーデンとケニア共同の電気企業であるOpibusは、電動バイクでケニアの交通に革命を起こそうとしています。
Boda Boda (ボダボダ)として知られる従来のガソリン式バイクとは異なり、よりクリーンで安全かつ安価な代替手段を提供すると同時に、ライダーに新たな雇用と収入の機会を創出しているそうです。
Opibusはバッテリー交換システムを採用しているため、ライダーはバッテリーを所有したり充電したりする必要がなく、初期費用と運用コストを削減できます。
さらに、このシステムによって、Opibusはソーラーパネルなどの再生可能エネルギーをバッテリーの充電に利用することができるため、電動バイクが環境に与える影響を軽減することができます。
Opibusは、同社の電動バイクが従来のオートバイに比べて燃料を最大90%、メンテナンス費用を最大75%節約できると主張しています。
終わりに
Uberのケニアにおける電動バイクの導入は、政府の目標である、ケニアにおけるグリーン・モビリティの推進を支援する取り組みの一環です。
Uberは、従来のモーターサイクルに代わる、よりクリーンで安全かつ安価な選択肢を提供するとともに、運転手と地域経済に新たな機会を創出することを目指しています。
アフリカ全土で交通の電動化が進む中、ウーバーのElectric Bodaサービスをはじめとする企業の取り組みが、アフリカ大陸をより持続可能で環境に優しい未来へと牽引していることが見て取れます。
Uberは、2040年までに排出ゼロのプラットフォームになるという目標の一環として、将来的にケニアやアフリカの他の都市に電動バイクサービスを拡大する計画を持っているとのことです。また、ケニア政府やその他のパートナーと協力し、ケニアにおける電気自動車のインフラ整備や政策を支援する意向とのことです。
ウーバーが電動バイクで突進する中、日本企業がこの変革的な動きに参加する機会は、アフリカやその先の都市交通の未来を形作る可能性のある、革新的な提案だと言えるでしょう。
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