こんにちは!Pick-Up! アフリカをご覧いただきありがとうございます。今回のアフリカどんな国シリーズ第6弾では、コンゴ民主共和国(通称コンゴ・DRC)をご紹介いたします。

筆者の友人のコンゴ人の経験に基づく情報も含めております。ぜひ最後までご覧ください!

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アフリカで3番目に大きい!コンゴ民主共和国の基本情報

コンゴ民主共和国は、中部アフリカに位置し、広大な面積を持つ(スーダン、アルジェリアに続きアフリカ大陸で3位)国です。コンゴ共和国・アンゴラ・ザンビア・タンザニア・ブルンジ・ルワンダ・ウガンダ・南スーダン・中央アフリカ共和国と国境を接しています。

コンゴ民主共和国は、南部・東部・中部それぞれの国と接しており、南部アフリカ開発共同体(SADC)、東アフリカ共同体(EAC)、中部アフリカ諸国経済共同体(ECCAS)をはじめとし多くの地域機構に加盟しています。

<基本情報> 

国名コンゴ民主共和国(Democratic Republic of Congo)
面積234.5万㎢(日本の6.2倍、アフリカ大陸で3番目)
首都キンシャサ
人口9,901万人(2022年、世銀)
民族200以上の部族、大部分がバントゥー系
言語フランス語(公用語)、リンガラ語、スワヒリ語、チルバ語、キコンゴ語等
宗教キリスト教(80%)、イスラム教(10%)、その他伝統宗教(10%)
日本との時差−8時間
外務省のWebsiteより抜粋・編集

<国旗>

現在の国旗は1963年に作られたもので、青は平和、赤は殉教者の流した血、黄色は国の富、星は国の明るい将来を象徴しています。(参考

<首都>

首都・キンシャサは、コンゴ西部に位置する大きな都市です。写真を見て分かるように、発展しているのがわかります。こちらの記事によると、イノベーションシティランキングでキンシャサはアフリカ全体で18位にランクインしているようです。この写真の奥に写っているのは、コンゴ川です。コンゴ民主共和国は、最西端が大西洋に接しており、Matadiという中心的な港をはじめとし、港がいくつか存在し、貿易の要所となっています。

しかし増加する人口に対し交通インフラが不足しており、都市交通が上手く機能しておらず、人々が安価な価格で交通機関を利用できないという問題があり、JICAは2021年から技術協力事業を行っています

コンゴ民主共和国とコンゴ共和国の違い

ご存知の方も多いかと思いますが、中部アフリカにはコンゴ民主共和国(Democratic Republic of the Congo; DRC)とコンゴ共和国(Republic of the Congo)の二つの国が存在し、混同しやすいと頭を抱える人も多いはずです。

では、この二つの国はなぜ違う国として独立したのでしょうか?

コンゴ民主共和国とコンゴ共和国は、似た文化を共有していますが、植民地宗主国が異なります

現在のコンゴ民主共和国(DRC)は、1885年にベルギーのレオポルド2世が私有地として支配しました(レオポルド2世は実際、先住民に過酷な労働を強いて、結果人口の70%が減少したそうです)。1908年にはベルギー政府が宗主国となり、1960年に独立するまで支配しました。

一方、現在のコンゴ共和国の地域では、1880年代からフランスが宗主国となり、独立の1960年まで支配しました。(参考記事

以下、コンゴ民主共和国のことをコンゴと呼びます。

コンゴの特徴①多様な文化

コンゴ民主共和国では200以上の部族と言語が存在し、非常にバラエティ豊かな国です。主要な言語に、スワヒリ語、チルバ語、キコンゴ語があります。

したがって文化を包括的に紹介することはできないので、ここでは一部面白いものを取り上げます。

伝統的なアート

例えば彫刻でいうと、コンゴでは部族の違いもあり少なくとも50以上の彫刻スタイルがあるそうです。材料としては主に木や象牙、金属などを使うそうです(参考記事)。

食文化

コンゴはとてもバラエティ豊かな食文化を持っています。その中でも共通して伝統的な料理に、以下のものがあります。

  1. イソンベ:キャッサバの葉で作ったソース。肉や魚も入ることが多く、辛い場合がある。ウガリやお米などと一緒に食べる。

※この料理はルワンダやブルンジなどでも食べられます。

このほかにも、ナスと小魚のソース、葉野菜と肉のソースなど、様々なソースがあります。

  1. ウガリorフフ:キャッサバやコーンの粉で作ったもちもちの主食。味に特徴はなく、味の濃いソースやオムレツなどと一緒に、手で食べます。
写真左上。

ファッション

女性はアフリカ布(キテンゲ)をよく使用します。(西洋やアジアっぽい服を着ている人も多く、ルワンダよりも安く手に入ります。)

@nana_style_et_coutureより

コンゴの特徴② 豊富な鉱物資源と長引く紛争

コンゴはミネラルに最も恵まれたアフリカの国の一つで、ダイアモンド・金・銅・スズ・リチウムが豊富に採れます。(参考

それに加え、スマートフォンやPCに使われるコバルトも豊富に埋蔵されています。コバルトは電動自動車を作るためにも大量に必要となるのですが、近年のクリーンエネルギーへの転換の世界的な動きに伴い、コバルトは異様なほどに需要が大きいのです。

コバルトを含む多くの鉱物資源はコンゴ東部に埋蔵されています

ところで、「紛争鉱物」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

コンゴ東部では、1990年代から紛争が続いており、120以上の反政府武装勢力が存在しているとされています

その紛争構造を見ると、反政府武装勢力が鉱山地域を支配しており、密輸や鉱物資源を求める外部勢力(多国籍企業など)によって彼らが紛争を続けるための資金源が確保されていると言う事実があるそうです(参考文献)。

コンゴでの採掘事業は、低賃金かつ大きなリスクを伴う労働による人権侵害だけでなく、長引く紛争の助長にも繋がりかねないということが、問題となっています。

コンゴのインフラ・生活事情

電気

世界銀行のレポートによると、コンゴでの電気普及率は21.5%だそうです。コンゴ東部の北キヴ州・ゴマ出身の友人によると、国民に電気供給をしている国営企業のSNELは上手く機能しておらず、電気を使うためには民間企業から購入をする必要があるそうです。

その友人曰く、民間企業から電気を繋げる場合、まず機材を取り付けるのに350米ドル払い、その上で使う電気代を支払う必要があるそうですが、一般家庭ではとても賄うことのできない額だそうです(こちらのデータによると、コンゴの地方部の平均月収は約176米ドルだそうです)。

UNICEFによると、コンゴではたった52%の人口しか水質改善された水を手に入れることができないようです。しかし、コンゴはアフリカ大陸の水資源全体の50%以上を所有しており、矛盾が生じていることがわかります。

インターネットの普及率

世界銀行のデータによると、コンゴのインターネット普及率は23%だそうです。

日本とコンゴ民主共和国との関係

ルワンダやケニアなどと比べると、日本とコンゴ民主共和国との関係はそこまで深くありません。

二国間の貿易は、日本がコンゴから銅、魚介類、コーヒー、木材を輸入(計231.5億円)、日本からコンゴへ自動車や機械などを輸出(計50.8億円)しています。

また、コンゴでは定期的に柔道杯や空手杯を開催しているようで、私のコンゴ人の友人も空手の仕方を学校で習ったといっていました。(参考

おわりに

いかがでしたでしょうか?今回はコンゴ民主共和国(DRC)について紹介しました。

コンゴの事情や他の国についてもっと知りたい方は、お問い合わせよりリクエストをお寄せください。次回もお楽しみに!

アフリカどんな国シリーズの次回号もお見逃しなく

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