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こんにちは!Pick-Up!アフリカです。
日本のインフルエンザについては、コロナ以降患者数が増加傾向にあるようです。今年の8月下旬からインフルエンザの拡大により、休校や学級閉鎖が相次いでいるそうです。冬の時期になると、本格的なインフルエンザの流行シーズンを迎えます。今後さらなる増加が懸念されています。
インフルエンザウイルスの流行は、ヒトだけではありません。
南アフリカでは、大規模な鳥インフルエンザが流行しているようです。南アフリカでの鳥インフルエンザの状況と対策、近隣国への影響についてまとめていきます。
南アフリカで流行している、高病原性鳥インフルエンザ
南アフリカでは、多くの養鶏場で鳥インフルエンザが流行しているようです(詳しくはこちら)。
今回流行しているインフルエンザウイルスの株は、インフルエンザA(H5N1)とインフルエンザA(H7N6)とされています。南アフリカの農業・土地改革・農村開発省(DALRRD)の報告では、H5N1型は2023年の4月から続いており、家禽では10件、非家禽では39件の発生があるそうです。
国際獣疫事務局(WOAH)によると、H7N6型の最初の流行は、2023年の6月に南アフリカの東部に位置する、ムプマランガ州のデルマス付近で始まったとされています。その後、ハウテン州、自由州、リンポポ州、北西部の州まで広がっているようです。これまで、H7N6型による発生は家禽、非家禽含め50件であるとのことです。
国際的には、ヒトが鳥インフルエンザA(H5N1)に感染した症例は、わずか8件であるとされています。いずれも、感染した鳥との濃厚接触が関係しているようです。また、現在の流行性インフルエンザ株は、ヒトからヒトへの感染は報告されていないとのことです。
国立感染病研究所(NICD)は今回流行している鳥インフルエンザウイルスの株(H5N1、H7N6)は、病鳥や死鳥、排泄物や臓器などの直接接触をしなければ、鳥からヒトへの感染リスクは非常に低いと示しています。
鳥インフルエンザの被害と対策
H7N6型の鳥インフルエンザの発生により、南アフリカの養鶏家は700万羽以上の鶏の殺処分を余儀なくされたとのことです(詳しくはこちら)。
南アフリカの鶏の個体数は約2700万羽であり、この値は、国全体の在庫の20から30%に相当するとされています。
南アフリカで家禽獣医サービスを提供しているAvimuneのShahn Bisschopは、H7N6型は、H5N1よりもはるかに伝染力が高いと語っています。また、南アフリカではすでに卵不足を経験しており、4〜6週間以内に鶏肉不足に直面し始めるのではないかと述べています。
この高病原性鳥インフルエンザの流行に、動物保健当局は、家禽産業の回復を支援するためにワクチンの緊急使用について議論が進行中とのことです。ワクチンは、鳥インフルエンザの発生によって被る損失の軽減と養鶏場間の病気の蔓延を遅らせることができるのではないかと期待されているようです。
南アフリカ農務省は、南アフリカ農務省は、十分な在庫の確保と不足を補うために卵と鶏肉の輸入を承認したそうです。また、当局は農場に検疫措置を課し、家禽製品の輸出に関しても制限を設けたとしています。
鳥インフルエンザの流行は、市民の生活にも影響を与えているようです。WoolworthsとPick’n Payは、卵の供給が正常に戻り始めるまで、購入制限をかけるとしているようです(詳しくはこちら)。
近隣国への被害は?
南アフリカで大流行している鳥インフルエンザは、近隣国においても被害が生じているようです。その被害は、企業や市民の生活にも影響を与えているとのことです。
近隣国の状況や鳥インフルエンザの蔓延対策を取り上げていきます。
モザンビークの南部で45000羽以上の鶏が殺処分されたそうです。感染した鶏は、鳥インフルエンザが流行中の近隣国である、南アフリカから輸入されていたとされています。
首都マプトを含むモザンビークでは、卵と鶏不足により最近価格が急激に高騰したとBBCは取り上げています(詳しくはこちら)。
鶏肉は、平均価格の350モザンビークメティカル(MZN)から約2倍の600MZNに引き上げられたそうです。日本円に換算すると、350MZNは約825円であり、600MZNは約1415円に相当するようです(2023/11/15 時点)。また、卵においても価格が上昇しているとのことです。
1ダースの卵が平均価格の100MZNから、150MZNに値上げしたようです。50MZNは、日本円換算では約100円に値します。(2023/11/15 時点)
モザンビーク政府は、発生しているモルンベネからモザンビークの他の地域への鶏と卵、飼料の流通を停止することを発表しました。
ナミビアは9月に南アフリカの家禽輸入を禁止する措置をとったとのことです。また、南アフリカの近隣国であるレソト政府は、鳥インフルエンザの蔓延対策として、南アフリカからの家禽の輸入を禁止する予防措置を講じるとしています(詳しくはこちら)。
この決定は、日本でも馴染みのあるケンタッキーフライドチキン(KFC)に大きな影響を与えているようです。ケンタッキーフライドチキン(KFC)では、南アフリカ国内の認定養鶏場から南アフリカ近隣国へ鶏肉を供給していたため、鶏肉の確保ができない問題に直面しているとされています。
ケンタッキーフライドチキン(KFC)は、鳥インフルエンザに感染していない南アフリカの認定養鶏場からの鶏肉に大きく依存しているため、鶏肉の確保ができない問題に直面しているとされています。
ケンタッキーフライドチキン(KFC)は、レソトにある全店舗の一時的閉鎖を発表しました。KFCの閉鎖は一時的なものであり、サプライチェーンの問題解決に専念するとし、状況が安定したらすぐに再開するとのことです。
おわりに
いかがでしたでしょうか?
鳥インフルエンザの発生が検出された際には、できるだけ早く根絶する目的で、政府の管理下に置かれるとのことです。しかし、州の獣医サポートには問題点があるようです(詳しくはこちら)。
1つは、鳥インフルエンザのアウトブレイクが起きた際に、州の獣医サポートは管理するための十分な資産を持っていないとされています。2つ目に挙げられるのは、家禽が鳥インフルエンザに感染した場合、州による殺処分の補償がされないそうです。そのため、養鶏家に対して、殺処分の命令に従わせるのは難しいとしています。
南アフリカは現在の状況に対処するため、ワクチンの導入を検討していますが、ワクチンについても問題を抱えているようです。
ワクチンで鳥インフルエンザの感染を予防することにより、感染拡散の状況が緩やかになり管理が可能になると考えられています。しかし、ワクチンでは鳥インフルエンザの根絶は難しいとされています。
また、流行している鳥インフルエンザに対して有効的なワクチンは限られていること、国内で使用するには、実際に効果があることを確認しなければならないようです。そして、それを成すために膨大な時間がかかるとしています。
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