こんにちは!Pick-Up! アフリカです。今回は、前回の観光記事で予告した、アフリカの治安について発信していきます!

去年投稿したルワンダの治安に関する記事とは異なり、今回は最新のランキングに沿って色々な国をご紹介していきますので、ぜひご覧ください。

過去記事はこちら↓↓

アフリカの治安が良い国トップ20をご紹介

治安ランキングは色々なソースから発信されていますが、今回は、平和・治安を評価する指標としてGPI(Global Peace Index)という指標を利用し、2022年のレポート2023年のレポートを参照します。GPIとは、世界163カ国の平和レベルを表すもので、経済平和研究所(シドニーに拠点を置くThe Institute of Economic and Peace、IEP)が163カ国を調査し、毎年発行している信頼性の高いレポートです。

GPIは以下の①進行中の国家間・国内の紛争、②社会的な安全性、③安全保障・軍事、の3点に焦点を当てて計測されます。

それでは早速、アフリカの2022年・2023年の治安ランキングを見ていきましょう!

まず、トップ20の早見表は次の通りです。

2022年2023年推移
1位モーリシャスモーリシャス↔︎
2位ガーナボツワナ↗️
3位ガンビアシエラレオネ↗️
4位ボツワナ、シエラレオネガーナ↘️
5位ザンビアセネガル↗️
6位赤道ギニアマダガスカル↗️
7位マラウイ・ナミビアナミビア↔️
8位セネガル・ルワンダガンビア↘️
9位モロッコザンビア↘️
10位ガボンリベリア↗️
11位アンゴラマラウイ↘️
12位マダガスカルチュニジア↗︎
13位チュニジア赤道ギニア↘️
14位タンザニアアンゴラ↘️
15位エスワティニモロッコ↘️
16位レソトギニア・ビサウ↗️
17位トーゴルワンダ
18位ベニンコートジボワール↗️
19位コートジボワールタンザニア↘️
20位アルジェリアガボン↘️

今年4月にBBCが発表した「女性が安全に一人旅できる国」のトップ5には、ルワンダが唯一ランクインしていましたが、GPIの指標で見ると、アフリカの中だけでも8位(2022年)・17位(2023年)に位置しています。(ルワンダの治安についてはこちらをチェック!

ここからは、こちらの記事を参考にし、上位の国を厳選して詳細にご説明します。

モーリシャス(1位を維持)

一位を誇ったモーリシャスは、観光大国のパラダイスです。経済的なランキングも高く、なんと一人当たりGDPはアフリカの中で第2位(2022年)!世界的には28位の治安を誇ります。犯罪率が低く、めったに起こりません。その背景として、軍事化、国連PKO活動への貢献において進歩があったと紹介されています。

ビーチ、ラングーン、豊かな自然を楽しめる楽園で、ハネムーンにもオススメの国です。

ガーナ(2位→4位)

ガーナは世界レベルでは51位(2023年)に位置し、首都のアクラではスリなどが発生するそうです。しかエコツーリズム地(自然環境や歴史文化を体験しながら学ぶとともに、その保全にも責任を持つ観光のあり方として人気を集めている国でもあり、レトロな街並みやお城、海を楽しむことができるようです。また、ガーナは親日国とも言われており、今年2023年のゴールデンウィークには、岸田総理が外遊の一環としてガーナを訪問し、今後3年間で5億ドルを支援することを表明しました。

レポートを参照すると、2023年のランキングが下がってしまった要因として、「国内および国際紛争の領域」の指標が下がってしまったことが挙げられます。

ガンビア(3位→8位)

西アフリカに位置し、アフリカ大陸最小の面積を持つガンビアは、治安が良く、人々のおもてなしの精神が高いため観光地として人気な国だと紹介されています。馬に乗ったり釣りを楽しんだりすることができます。しかし、盗み、詐欺は頻繁に見受けられるようです。一人当たりGDPはアフリカの中で39位(2022年)と、下位に位置します。ガンビアにとって観光業は大事な収入源の一つで、GDPの20%に貢献しているようです(参考記事)。

中でも、ガンビアには全長1100キロメートルのガンビア川、600種以上の鳥類が生息していることから、エコツーリズムやバードウォッチングを売りにしています参考記事)。

ガンビアも、ガーナと同様に2022年から2023年にかけて「国内および国際紛争の領域」の指標が下がった上に、「社会の安全と治安の領域」と「軍事化の領域」の指標もわずかに下がってしまいました。

ボツワナ(4位→3位)

南アフリカの北に位置するボツワナは、かつてはアフリカの中でも数少ない、成功した民主主義国として注目されていました。一人あたりGDPはアフリカの中で第4位(7,737米ドル、2022年)を誇ります。こちらの参考記事によると、ボツワナ政府はテロリズムの脅威に対応するべく、国家安全保障戦略を展開させており、例えば今年6月には、対テロ措置の規模を拡大すべく、近隣国であるモザンビークに300人もの軍隊を配備し、南部アフリカ開発共同体(SADC)の待機軍に従事していることから、このような安全保障面での政策が高評価された理由の一つではないかと思います。

ボツワナは、2021年に暴力的なレベルが上がってしまったことが、2022年のランキングを下げたとのことで、2023年ランキングでは「社会の安全と治安の領域」が回復し、「軍事化の領域」も向上していました。

シエラレオネ(4位→3位)

シエラレオネといえば、ブラックダイヤモンドや2002年までの内戦や、2014年からのエボラ出血熱の流行の記憶から、貧しく復興が必要な国であるというイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。シエラレオネは一人当たりGDPがアフリカの中でも後ろから3位で、さらにはロシアのウクライナ全面侵攻の影響を受け、インフレや深刻な負債によって、経済不振に拍車がかかっているようです

しかし、内戦後の平和構築が熱心に行われ、2000年代から軍事面での整備が進み、国民の武装率が10万人あたり193人(2008年)から10万人当たり99人(2023年)にまで減ったそうです。国内の治安はかなり良く、外国人を標的にしたスリ・窃盗・ナイフの突きつけなどは時々見受けられるものの、内戦時に比べると治安はかなり回復したと紹介されています。

アフリカの治安が悪い国はどこ?

最後に、GPIとこちらの参考記事をもとに、アフリカの中で最も治安が悪く危険が伴う国をご紹介します。

1位:南スーダン(世界160位)

2011年に独立した南スーダンは、人口の半分は18歳以下であり、独立したばかりで脆弱な国家です。国内紛争のレベルや殺人率が高く、10万人中4.42人が殺人でなくなっているようです。人口の35%が国外に難民として避難しています。

2位:ソマリア(世界156位)

無政府状態が続くソマリアでは外国人に対する誘拐事件・殺人事件が頻発しており、経済も高レベルでインフォーマルな形で行われているようです。また、国民の20%以上が国を追われています

3位:コンゴ民主共和国(世界159位)

コンゴ民主共和国では、反政府武装勢力勢力の3月23日運動(M23)が2021年11月からコンゴ民主共和国東部での攻撃を激化させており、国軍との対立が続いており、さらなる治安の悪化が懸念されていました。EACによる和平交渉の努力や、EAC地域軍のコンゴ民主共和国への派遣などといった努力がなされるも、あまり効果が見られず、治安が非常に悪い状態が続いているようです。

4位:中央アフリカ共和国(世界152位)

豊富な天然資源に恵まれる中央アフリカ共和国は、政情が不安定で人間開発指数(HDI)が世界ワースト2位である上に、保健面では最低国であるとされています。また、紛争に関連した死者が近年増加傾向にあるようです。

5位:スーダン(世界155位)

今年4月以降の国内の軍事衝突が大きなニュースになっているスーダンは、もともと国内紛争やクーデターなどで治安が悪い状態にありました。スーダンは昨年民主化移行の3年目に入りましたが、2019年8月に署名された憲法憲章に定められた主要な制度・法律改革を実施できておらず、引き続き治安に支障をきたしているようです。

また、暴力による経済的なコストは、GDPの39.7%にも上り、莫大な損失を生み出していることがわかります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回は、世界平和指数(GPI)という指標で見てみたため、一般的に言われる「治安」だけを基準にすると、また少し違う結果になりそうです

治安がなかなか改善されない国もある一方で、アフリカの多くの国では観光業が近年成長し続けています。例えば、モロッコの過去3ヶ月間の観光収入は、今までの年の中で一番多かったそうです。また、ルワンダとウガンダでは観光面での協力が進んでいるようです。(2023年のおすすめ観光国はこちらからご覧ください!)

そして今年の11月には、第23回世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)グローバルサミットがルワンダで開かれる予定で、アフリカへの観光熱が一層増すと思われます。

今後も、定期的にアフリカの治安や観光について発信していく予定です。お楽しみに!


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