元記事https://www.newtimes.co.rw/article/3107/news/business/rwanda-boosting-cross-border-trade-facilities

Rwanda boosting cross-border trade facilities

こんにちは!Pick-Up!アフリカをご覧いただきありがとうございます。今日は昨日に引き続き、アジェンダ2063に関するアフリカの取り組みをご紹介します。

具体的に、今回はアジェンダで目指されているアフリカの統合の達成に向けた東アフリカ諸国の取り組みをお伝えしていきます。

以前Pick-Up!アフリカでは、アフリカ全体の長期成長計画であるアジェンダ2063に関する記事(アジェンダ2063とは?)を執筆いたしました。また、その後のアジェンダ2063シリーズ(シリーズ1シリーズ2シリーズ3)ではこのアジェンダの旗艦プロジェクトの内「アフリカの単一航空市場(STAAM)の創設」や「アフリカ統合高速鉄道ネットワーク」などに焦点を当て、「20の目標」の1つである「統合されたアフリカ」に関して大陸レベルのプロジェクトが行われていることをご紹介しました。

こうした大規模なプロジェクトが動いている一方、この目標の達成に向けた国、地域間レベルのミクロな取り組みも多数行われており、その効果も見落とすことはできません。こうした取り組みについてお伝えするために、個々の大きなプロジェクトに焦点を当てたこれまでのシリーズとは打って変わり、今回は1つの地域に焦点を当て、地域内の各国が「統合されたアフリカ」に向けて総合的にどういった取り組みを行ってきているのかご紹介していきます。具体的には、東アフリカ地域にフォーカスし、地域間統合の取り組みの中でも重要性の高い貿易、交易の促進に向けて各国がどのような活動を行っているのかご紹介します。

今回は、以下3つの取り組みについてご紹介していきます。

1.国境施設の整備

2. 交通インフラの整備

3.規制緩和

1.国境施設の整備

東アフリカ各国は、隣接する国との交、貿易を促進するため、クロスボーダーマーケットOne Stop Border Postといった国境施設の整備を行っています。

クロスボーダーマーケットとは、自国と近隣の国からの商人、消費者が集まって交易を行う商業施設のことを指します。近隣の国から人を集めるため陸地の国境付近に設置されていることがほとんどです。

記事によると、この施設の重要性はローカルレベルの交易を促進することにあります。実際に、この施設が国境付近の小商人や消費者に交易市場へのアクセスを与えることで取引量を増加させる効果があることが記事では示唆されています。こうした重要性から、ルワンダはこの施設の建設に積極的に取り組んでおり、現在ウガンダとの国境付近に新たな施設を建設するプロジェクトが実施されていると記事で述べられています。

One Stop Border Postとは、国境を超えた人や物の移動の管理を行う施設であり、この施設内で国境を超えるための手続きをすべて実施できることが特徴です。このために手続きが短時間で済み、実際にこの記事では、以前は数日かかった作業がこの施設では数時間で完了すると述べられています。

こうしたことからこの施設はスムーズな移動を実現するために有用性があり、そのため各国で建設が行われています。実際にウガンダでは、現在の8施設に加え新たに2施設が建設中であることが記事では紹介されています。

2.交通インフラの整備

また、東アフリカでは港湾、道路、鉄道等の交通インフラ整備も積極的に行われています。

港湾インフラの整備については、主記事でルワンダの例が紹介されています。具体的には、ルワンダ政府が約2億円を投資し、キブ湖周辺に4つの港を建設するプロジェクトを実施していることが示されています。

4つの港のうち3つの大きな港はそれぞれ年間150万人の来港に対処できると見込まれており、最大の港では58万トンの貨物に対応できると考えられています。それに加えて10トンを許容できる船の建設も行われているようで、こうしたプロジェクトがキブ湖を挟んだコンゴとの水上運送を加速させることが期待されています。

また道路インフラに関しては、東アフリカ共同体(EAC)主導でCross Border Upgrading Projectという事業が行われています。このプロジェクトでは、東アフリカ全体の道路ネットワークを改善するとともに、ブルンジやルワンダといった内陸国の海へのアクセスを向上することが目指されています。

そして鉄道インフラについても、アフリカ統合高速鉄道ネットワークシリーズ1)のプロジェクトによりタンザニアのダルエスサラーム港からルワンダの首都キガリの区間、また、ウガンダのカンパラからブルンジのブジュンブラといった区間で整備がなされることが決定しており、輸送の効率化に期待が寄せられます。

3.規制緩和

1と2では設備面の取り組みについてお伝えしてきましたが、同時に貿易障壁の緩和ビザ規制の緩和といった制度面での取り組みも行われています。

貿易障壁とは、関税や輸入量規制といった国際貿易に関する規制のことを指します。AFCFTAの実施が決定されたことを受けて、東アフリカ各国ではこうした貿易障壁の撤廃に向けた動きが強くなってきています(AFCFTAについてはこちら)。

具体的には、去年の8月にウガンダがタンザニアから輸入されるコメに対しての付加価値税を撤廃したり(関連記事)、今月の初めにケニアがウガンダからの輸入品に対しての非関税障壁を撤廃するなどしています。このような規制緩和が地域間の円滑な貿易を促進すると考えられます。

また、東アフリカ諸国はビザ規制の緩和にも取り組んでいます。この理由としては、ビザ取得にかかる時間、お金といったコストが人の移動を妨げ、結果的に貿易や交易にも悪影響を及ぼすことが挙げられます。最近では、ケニア政府が南アフリカとのビザ規制緩和に取り組み、その結果今月からケニア市民は南アフリカにビザなしで3か月滞在できるようになりました。こうしたビザ規制緩和によって人や物の移動が増加することに期待が集まります。

こうした総合的な取り組みが、実際に地域間貿易の促進に効果をもたらしていることがこちらの記事では示唆されています。実際に記事では、コロナ規制が緩和されたこともあってEAC内での貿易額が2019年の70億ドルから2022年の100億ドルまで向上したことが紹介されています。また、記事では、様ざまな取り組みによって今後5年間でEAC内の貿易額が最低でも40%向上する見通しが立っていると同時に紹介されています。こうした数字を見てみると、少なくとも経済面において、東アフリカでの「統合されたアフリカ」に向けた動きはある程度順調に進んでいるように思えます。

しかしながら、この地域の取り組み全体に関して課題も多く残っています。具体的には、資金調達、EAC以外との協力、政治対立(紛争)の解消、能力のある人材の確保などが挙げられると思います。各国の協力でこうした課題を乗り越えていくことに期待が寄せられます。

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