題:モロッコが国際リサイクル・ゴミ管理エキスポを開催

英題:Morocco Set To Host International Recycling And Waste Management Exhibition 2022

記事リンク-Link

キーワード:アフリカ ゴミ問題 ゴミ処理 リサイクル

こんにちは!Pick-Up!アフリカをご覧いただきありがとうございます。

本日は、アフリカのゴミ処理に関した記事をピックアップしました。

内容と背景:

この記事では、アフリカのゴミ処理やゴミリサイクルの問題を解消することを目的に、国際的な博覧会がモロッコで開催されたことが示されています。

博覧会について述べる前に、まずその開催の背景にあるアフリカのゴミ問題の現状から詳しくご紹介していきます。

アフリカのゴミ問題の現状

近年アフリカでは急速な人口増加、都市化、経済の活発化を受けてゴミの量が増加し続けており、2016年には1億7千万トンであったアフリカ全体のごみ量が2050年には約3倍5億トンにまで増加すると予測されています(参考記事)。

現在、こうした状況に対してアフリカのゴミ処理機能の向上が追いついていない状況があります。実際にこちらの記事では、アフリカで発生するゴミのうち45%が業者によって回収されておらず、90%以上が管理や適切な処理の行き届いていないゴミ捨て場や埋立地、または道端や川に捨てられていると述べられています。

こうしたゴミ処理の状況は様々な問題を引き起こしています。具体的に、長期間ゴミが放置されることで地下水や地表水に汚染物質が漏れ出したり、プラスチックごみの処理不足のためにマイクロプラスチックが海に放出されて水質汚染の問題が発生しているとこちらの資料で紹介されています。

また、分別や汚染対策がされていない状態でのゴミの焼却によって温室効果のあるブラックカーボンや健康被害のあるPM2.5、ダイオキシンなどの大気汚染物質が発生するという問題も存在します。こちらの記事によると、こうしたゴミの焼却による汚染物質によりアフリカの約1.2億人が肺炎などの健康被害を受けているようです。

そして、このように適切な分別や処理が行き届いていない中で、循環型経済や持続可能な社会の形成のために近年重要視されているゴミのリサイクルの発展も芳しくありません。具体的にこちらの記事では、アフリカで発生するゴミのうち70~80%がリサイクル可能なのにも関わらず、実際にリサイクルされているのは4%のみであるという現状が示されています。

ゴミ問題解消に向けた国際的な取り組み

こうした深刻な課題を受けて、モロッコがアフリカで初めてゴミ問題に関する博覧会を開催する運びとなりました。

今回ピックアップした記事によると、the International Recycling and Waste Management Exhibition(RWM Expo)と名づけられたこの博覧会は、6月22日から25日までモロッコの都市タンジールで開催されたようです。セネガルやガーナといった西アフリカ諸国からの政府の代表や、この分野で活躍するアフリカの主要な企業が一堂に介し、大気汚染やリサイクル、循環型経済といったテーマで議論が行われました。

またそれだけに留まらず、ゴミ分野で活躍する企業や団体がコミュニケーションをとるためのブースを用意してアフリカ内でのビジネスネットワークの形成を促したり、先進技術を使ったマシンの展示や、参加企業、団体、大学に対する金銭的援助によるアフリカ内からの新たなイノベーションの促進に貢献しました(参考記事)。

今後の課題と展望

こちらの資料では、今後アフリカのゴミ処理、リサイクルの状況を改善していくためには以下の4つの対策が必要であると示されています。

1.個人の意識、行動を変化させる

2.ゴミ処理を担う企業に対する教育、研修

3.政府、民間の協力

4.ゴミの回収、分別を担うインフォーマルセクターの統合

このうち、3.以外は海外資本の協力や、今回ご紹介してきたようなアフリカ諸国の連携によって大きく改善できる部分があるのではないかと思います。国内だけの動きだけでなく、国際的な動きにも注目していきたいです。

今回はアフリカのゴミ問題全体についてご紹介しましたが、来週はプラスチックゴミに焦点を絞った記事を執筆する予定です。乞うご期待ください!

Pick-Up!アフリカを運営するレックスバートコミュニケーションズは、アフリカ進出に関するご相談をお受けしております。ご興味がある方はぜひ下の「ご相談 お問い合わせ」からご連絡ください。

関連記事:

1.ゴミを資源に!ルワンダのゴミ処理に関する取り組み【Pick-Up! アフリカ Vol. 7:2022年2月14日配信】-Link

2.ケニア:スラムの問題と政府の取り組みー都市開発が解決へと導く?【Pick-Up! アフリカ Vol. 32:2022年5月24日配信】-Link

参考記事:

1.What A Waste: Innovations In Africa’s Waste Material Management-Link

2.Africa Waste Management Outlook-Link

3.Open burning of waste in Africa: Challenges and opportunities-Link

4.Recyclage, gestion et valorisation des déchets-Link


ご相談・お問い合わせ

アフリカ・ルワンダへのビジネス進出をご検討の際は、当サイトの運営に関わっているレックスバート・コミュニケーションズ株式会社までご相談・お問い合わせください。

コメントを残す