南アフリカで死者400人以上の大洪水。その実態と原因は？【Pick-Up! アフリカ Vol. 28：2022年4月27日配信】

Pick-Up! アフリカ,Pick-Up! アフリカシリーズ,環境と気候変動 |

2022年4月27日

こんにちは！Pick-Up!アフリカです。

今回は、環境と気候変動から、南アフリカの災害・気候変動の現状についてご紹介します。

記事リンク：

https://www.bbc.com/news/world-africa-61113807

KwaZulu-Natal floods: South Africa army sends 10,000 troops

『クワズール・ナタールでの洪水：南アフリカの軍は1万もの部隊を派遣しています』

アフリカへの出張や旅行の計画を登録して、同じ時期、同じ国に滞在している仲間を見つけてみませんか？

https://mytravellist.net

世界の中でもアフリカは自然災害の影響を受けやすいとされています。こちらの記事では、世界各国における被災可能性、自然災害リスクがまとめられており、多くのアフリカの国々は自然災害を経験しやすく、それによるダメージを受けやすいとされています。ここでは、南アフリカも被災可能性が高い国、つまりは自然災害が多い国として挙げられています。またこちらの記事では、南アフリカ最大級の港ダーバンと呼ばれる地域で、10年で3回も深刻な洪水を経験した他、今後100年に1度レベルの大規模な洪水が2050年までの間に何度も起きるのではないか、と予想されています。

今回ご紹介する記事では、南アフリカで起こった最近の大洪水について書かれています。先ほども述べたダーバンを含むクワズールー＝ナタールという地域では、4月11日から数日間に渡って起こった豪雨が洪水をおこし、4000戸もの家が破壊され、過去最悪とも言える440人以上の死者が確認されているとのことです。そしてこの洪水により、被災した多くの地域が電気や水へのアクセスを失い、浸水によって衛生状態が悪化、感染症流行のリスクも高まっているとのことです。このような事態を受けて、南アフリカのシリル・ラマポーザ大統領は「国家的災害事態」宣言を発表し、支援策を実施・調整しているそうです。

警察や軍によって行方不明の人々の捜索や被害者への救助が行われ、電気の通らなくなったところや排水設備に影響を受けた地域には配管工や電気工によって救助が行われているとのことです。しかし、道や道路が塞がれてしまった地域は依然隔離されたままであるとされています。

このような甚大な被害をもたらす大洪水の背景には、排水設備の不備、気候変動の影響があげられています。

排水設備の不備に関して、特に貧困地域では排水設備が整っていないことが指摘されています。地元の方々は、以前から地方自治体に排水設備の改善を要求していたのにもかかわらず、果たされていないと述べています。しかしダーバンの市長は、今回の洪水は今までと異なり、広範囲に雨が降り注いだことによる地滑りが原因だとし、排水設備は関係ないと述べたとのことです。

気候変動に関して、こちらの記事ではその原理が説明されています。温められた海水が大気中に水気を充満させ、それが激しい雨を降らせているのではないかと専門家は指摘しています。実際、11日の降水量は南アフリカの年間平均降水量の75%にも及んでいたとのことです。このような豪雨は気候変動が影響していると考えられています。今後、気候変動の影響を拡大し、より頻繁により激しい自然災害が起こると予想されています。

このような事態に対して、南アフリカでは気候変動への取り組みが行われています。以前投稿したこちらの記事では、南アフリカの気候変動への取り組みを他国からの債務救済によって加速させようという動きについて書かれています。気候変動の影響を受けている南アフリカでは以前から気候変動への取り組みを行おうとする姿勢が見られました。

またこちらの記事では、アフリカ全体における気候変動への取り組みについて書かれています。アフリカの開発金融機関であり、インフラ不足等の課題解決に主に取り組んでいるAFCがアフリカの気候変動への耐性を確立することを目的としたファンドを設立したことを発表したということについて書かれています。一カ国内だけではなく、大陸全体での動きも見られるようになっています。

今後、南アフリカの大雨、洪水は無視できない問題となってくるように思われます。今後の排水施設の整備や気候変動への取り組みなどに注目が集まります。