こんにちは!Pick-Up!アフリカです。

今回は、物流と貿易の観点から、ロシアとウクライナの戦争のアフリカへの影響に関する記事をご紹介します。


英題:Russia Turns to Africa for Trade Amid US, EU Sanctions

『ロシアはアメリカ、EUの制裁の中、アフリカとの貿易へシフトしています』

記事リンク:

現在、世界中がロシアとウクライナの戦争の動向に注目しています。以前投稿したこちらの記事では、ロシアウクライナ戦争がアフリカに与える影響について、全般的にまとめられています。興味のある方はぜひご覧ください。今回は、より貿易に焦点をあて、ロシア側の思惑を軸にした記事をピックアップしました。

今回ピックアップした記事では、アメリカやヨーロッパに制裁を受けているロシアが、アフリカへの輸出入を増やそうとしているとの内容が書かれています。

ロシアはウクライナに侵攻したことにより、アメリカやヨーロッパから制裁を受けています。そのため、ロシアは今後、新しい市場、新しいパートナー、同盟国が必要であるとのことです。ロシアは以前からアフリカへの進出を視野に入れており、ロシアにとって有益な市場であるとみなしていたそうです。

2019年にソチで開催された第1回ロシア・アフリカ首脳会議では、プーチン大統領とアフリカ連合長がロシアとアフリカ諸国間のさまざまな経済分野における多様な関係をさらに発展させようと話し合ったとのことです。ロシアはアフリカとの貿易を拡大することで、現在EU諸国から輸入している果物、茶、コーヒーをアフリカ諸国から輸入することができると考えているようです。

対して、サハラ砂漠以南の地域では、ロシアからの輸入を期待している国も見受けられます。南アフリカ、ナイジェリア、コートジボワール、ガーナ、エチオピア、タンザニア、ベナンといった国々の企業が、輸入の増加に最も関心を寄せており、鉱物肥料や食品などのサプライヤーを求めているとのことです。

しかし、現状ロシアはアフリカにモロッコ、アルジェリア、エジプト、南アフリカの4カ国としか貿易が進んでおらず、その中でも機能しているのは南アフリカだけであるとのことです。

また、ロシアは中国、インド、アメリカ、EUと比べるとアフリカへの投資が伸びていないとのことです。ロシア製品を促進するためには、そういった海外勢力に対抗すべく、輸出業者にとって競争力のある条件を作り出すことが必要になるとのことです。また、ロシアアフリカ間の貿易障壁を改善する必要があるとしています。3月上旬の討議では、ロシアとアフリカの貿易・経済協力の障害として、高い輸入関税、複雑な認証手続き、製品の高コスト、高価な物流、セキュリティと保証の問題、情報の不足などがあげられたとのことです。その上、市場の現状に対する認識が甘いこと、パートナーとしての信頼が足りないことなどが問題としてあげられています。

アフリカとの貿易を拡大していきたい反面、プーチン大統領は、ロシアの安全保障を確保するための対外経済特別措置令により、2022年にロシアからの特定の製品や原材料の輸出入を制限または禁止することを命じました。2022年12月31日まで、国が規定した製品や原材料の輸出入が禁止されるとのことです。この措置は、ロシアの安全保障と農業・工業を保護するために必要なものであるとのことです。上記で述べたようにアフリカ連合と手を取り合う姿勢を見せつつ、戦時下における政策が行われています。

このようなロシアの姿勢に対して、アフリカ各国は、ロシアとウクライナによる戦争で輸入が滞ることを懸念しています。こちらの記事また、以前のこちらの記事からもわかるように、穀物類、特に小麦の供給が問題としてあげられており、食料不足が心配されています。北・東部アフリカは、世界最大級の小麦輸出国であるロシアとウクライナからの輸入に頼っています。そのため、港の閉鎖、ロシアに対する各国の経済制裁による、貿易が途絶や世界の海運労働者の約15%を占めているロシア人とウクライナ人が戦争によって移動が妨げられ、製品の流通が滞るのではないかとも考えられています。

また、こちらの記事によりますと、3月2日のロシアのウクライナ侵攻を非難する国連総会が行われましたが、アフリカの半数近くの国が棄権したと書かれています。エリトリアはアフリカの国で唯一この決議に反対票を示していますが、17ヶ国は棄権しているとのことです。これら棄権した国の中にもウクライナ侵攻に批判的な立場を持つものがいます。南アフリカはその一つで、国連総会によるロシアとウクライナの対話を期待していたが、それが主な趣旨ではなかったことから、この総会があまり意味をなしていない、と意見しているそうです。

今後、ロシアとウクライナ、またその周辺の状況が不安定である状況が続くと予想されることから、こちらの記事では、アフリカは経済的自立が必要であると書かれています。これにより、AfCFTAなどの広域経済圏への期待が高まります。貿易の面におけるロシアの戦争の影響があり次第、記事にしていきます。

参考記事:

The Russia-Ukraine war threatens Africa’s wheat supply –Link

How Africa can protect itself from the effects of western sanctions on Russia –Link

Ukraine conflict exacerbates hunger in Africa –Link

ロシア-ウクライナ紛争がアフリカに与える影響は?【Pick-Up! アフリカ Vol.13:2022年3月4日配信】-Link

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