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こんにちは!Pick-Up!アフリカです。
今日は、物流と貿易の観点から、南アフリカのeコマースと物流に関する記事をご紹介します。
英題:B2C E-Commerce Market in South Africa: Cross-border Online Shopping was Led by Millennials and Generation X in South Africa in 2020
『南アフリカにおけるB2C eコマース市場:国境を越えたネットショッピングがミレニアル世代とX世代によって使われています』
記事リンク:
https://www.prnewswire.com/news-releases/b2c-e-commerce-market-in-south-africa-cross-border-online-shopping-was-led-by-millennials-and-generation-x-in-south-africa-in-2020-301496579.html
アフリカにおけるeコマースの現状と今後
パンデミックにより、世界中でインターネット上で商品やサービスの取引が行われるeコマースに注目が集まっています。この波はアフリカにも到来しており、以前にもアフリカ各国で作られた新たなeコマースのプラットフォームについての記事を投稿しています。記事下の関連記事でまとめているので、ぜひご覧ください。
今回ピックアップした記事では、南アフリカにおけるeコマースの現状がパンデミックの影響を含めて示されています。南アフリカでも地元企業を主としたeコマースが盛んになってきていることがこちらの記事では書かれています。
2019年と比べて2020では南アフリカのeコマース市場は60%成長したそうです。また、同時期にオンラインでショッピングをする人が10%増加したこともこちらの記事では明らかにされています。2020年11月の調査によりますと、eコマースを利用するようになった理由として、利便性、パンデミックの発生、待ち時間の短さ・節約があげられるそうです。また、こちらの記事によりますと、南アフリカだけでなく、ケニアやナイジェリア、でもeコマースの大幅な普及率の上昇が観測されており、2021年のレポートでは、ケニアでは25%、ナイジェリアでは南アフリカと同じく37%の上昇が見られたそうです。南アフリカだけではなく、アフリカ大陸全体でeコマースの普及が進んでいることがわかります。
また、今後の普及率の上昇の予測ついてもこちらの記事で述べられています。ルワンダでは2025年までに12.5%の成長率を遂げ、500万人がeコマースを使用し始めると予想されています。
また元記事では、南アフリカでよく使われているオンラインショッピングサイトについても触れられています。2020年には、Takealot.comやGumtree.co.zaといった南アフリカの企業がよく使われていたそうです。このようなeコマースの波を受けて、デジタル化に踏み切った企業も見受けられたそうです。
このような現状や展望に対し、以前投稿したこちらの記事では、他の国々と比べるとeコマースが進んでいない原因について述べられています。ここでは、インフラが整っていないこと、郵便システムの不整備による配達の不安定性、オンライン決済システムの普及率の低さなどが理由として挙げられています。アフリカにおけるeコマース市場の普及率の拡大は、様々な取り組みにより改善されてきていることを浮き彫りにしていると考えられます。例えば、こちらの記事では、トラックの運転手の業務を減らすようなデジタルプラットフォームの作成により輸送料を下げ、物流をより活発で円滑なものにしようとする動きについて書かれています。今後もそういった取り組みが増加し、続けられていくことが望まれます。
南アフリカにおける物流
南アフリカでは、物流施設や倉庫といった需要が安定しており、投資がよく行われている分野となっているそうです。こちらの記事によりますと、Improvonという会社が南アフリカに巨大な物流パークを作るために約100億円を投資したとのことです。上記で述べたようなeコマースの普及は南アフリカにおける物流への投資が進むきっかけとなっているようです。
南アフリカ国内の物流は比較的円滑に行われています。しかし最近では、国外企業の通販サイトで買い物をする人も増えているとのことです。国外企業で買い物をする人は中国、アメリカ、イギリスの企業を多く使い、ミレニアル世代やX世代(1965年から1995年生まれ)の人々が多く、Z世代(1996から2015年生まれ)の人々はあまり見られなかったそうです。しかし、国外企業のeコマースに関しては配送の遅さ、連絡の不備といったところに不満を持つ人がいるようです。
こちらの記事では、南アフリカで商品を頼んだ際の各種企業による配送にかかった日数について検証されています。検証では、南アフリカの企業であるTakealot、アメリカの企業であるWish、中国の企業であるSheinが使用されています。条件をそろえた場合、配達予定日は、Takealotが注文から2日以内、Sheinは注文から6週間、Wishは注文から4か月後だったそうです。結果として、Takealotは予定通り2日後に届き、Shienは8日後、Wishは16日後と予定より早めに届いたとのことです。国内と比較すると国外企業はやはり配送の遅さが目立ちました。
こちらの記事では加えて、Sheinは税関を通るために追加で税金がかかった挙句、その連絡が行き届いていなかったと述べられています。また、Sheinの荷物追跡サービスを行っている会社のbuffalo logisticsは、顧客から送られたメッセージへの返信が遅く、人々の不満を集めています。Shienに対しWishは南アフリカの郵便局と契約を結んだことから、以前に比べ配送が早くなったと考えられています。しかし同時に、商品のラベルが間違っていたといったような商品に対する不満も見受けられたようです。顧客側はさまざまなサイトを選べる中で、国外企業のサービスの質が悪いとなると、今後国外企業に対する不満が高まり、国内企業での買い物のシェアが大きい状態が変わっていかないのではないかと考えられます。
また、以前投稿したこちらの記事では、Amazonがエジプトにアフリカ最大の物流センターを建設したということが書かれています。これは、Amazonが現地のオンラインショッピング・プラットフォームを運営していた会社を買収することで事業拡大を目指す一連の流れとして行われたそうです。世界的な企業もアフリカでeコマースを進めようとしていることがうかがえます。
アフリカ企業の中には、eコマースによって経済の強化や活性化を目指しているところもあります。今後、改善すべきところは改善をすすめ、自国のeコマースの質を高めるとともにアフリカの企業も世界のeコマースセクターに参入していくことが期待されます。
参考記事:
Growth on the horizon for African e-commerce and logistics in 2022 –Link
We tested Takealot, Wish, and Shein delivery times – with surprising results –Link
Improvon extends expansion with huge logistics park in South Africa –Link
Amazonがエジプトに物流センターを作った背景【Pick-Up! アフリカ Vol. 212:2021年9月6日配信】-Link
コラム – Vol. 6: アフリカ物流市場のマーケットポテンシャルとは?-Link
関連記事:
コロナ禍でアフリカの農業に変化?eコマースが農業の流通を変える【Pick-Up! アフリカ Vol. 2:2022年1月21日配信】-Link
マラウィ:eコマース市場促進に向けた最新の動き【Pick-Up! アフリカ Vol. 87:2021年1月22日配信】-Link
アフリカ諸国の対外貿易およびeコマースセクターに関する話題【面白記事 Vol. 144: 2020年9月25日配信】-Link
eコマースセクターとネット接続向上に関する最新の話題【面白記事 Vol. 135: 2020年9月15日配信】-Link
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