こんにちは!Pick-Up!アフリカです。
アジェンダ2063に関して記事にしていくアジェンダ2063シリーズ!
第五回は、物流と貿易から、AfCFTAについてご紹介します。特に今回は過去に投稿した記事の総集編として、AfCFTAの軌跡をお伝えします。詳しく知りたいところはクリックすると、過去記事に飛べるようになっているので、ぜひそちらもご覧ください!
アジェンダ2063の概要について詳しく知りたい方はこちら↓
元記事:
Analysing the progress of the Africa Continental FTA
AfCFTAは、アフリカ大陸内での人、モノの移動を自由化し、域内のビジネスを活発化させ、それによって貿易だけでなく、それに関わる様々な産業を成長させると同時に、一般市民の生活水準を高め国によってはまだ対水準にある貧困率を削減することが期待されています。元々2020年7月1日から開始予定だったのですが、コロナの影響で2021年1月1日からに延長されました。
アフリカ大陸内での貿易は現在約16%にあり、他大陸や地域にとても依存している様がみて取れます。実際、ヨーロッパやアジアと比較しますと、それぞれ60%以上、55%以上と大きな差が見られます。
2022年までに、52%の貿易を域内で行うことを目標としていました。当初の予定では、コロナ環境下での損失をカバーするだけの効果が見込め、関税撤廃などで約1530億ドルの収入増、大陸内でものの取引が行われることで、大陸外からの輸入の際にかかっていた輸送費などの削減により、約2920億ドルの収入増が見込めるとしていました。
他にも、雇用機会の増加や収入の増加、貧困層にいる人たちの引き上げ、また、スタートアップへの投資の拡大やデジタル化の成功が予想されていました。21ヶ国から成っている大規模な自由貿易協定COMESAの経験も生かし進められることが期待されていましたが、パンデミックの影響もあり、現実にはすべての達成は難しくなっています。
そもそも準備段階でAfCFTAに関する疑念は様々存在していました。AfCFTAにより国ごとや個人によって見込める収入の増加幅の差が生まれることやアフリカへの投資額減少、中小企業やインフォーマルセクターの参入の困難、その国特有の産業がないこと、インフラの不十分や政府指導者による歩み寄りが少ないことなど、過去にもたくさん記事にしてきました。
また、AfCFTAが始まってからも、様々な課題が残されていました。去年記事としてあげられていた、原産地国規則の交渉や共通通貨の問題はそれにあたります。原産地国規則とは、商品の生産国を決めるルールのことで、AfCFTAはこのルールに基づいて取引可能な製品を定めていることもあり、交渉の終了による関税の引き下げが期待されています。また、Pan African Payments and Settlements Platformによる支払いシステムが開発され、通貨における問題を共通通貨を作ることなしに現地の通貨だけで解決させようとしています。
また、大陸外の国との関係にも注目が集まっています。域内貿易の活発化を目指すアフリカですが、大陸外からの投資が不可欠であり、様々な国との関係が鍵となっています。具体的には、中国との「win-win」な貿易関係の構築やロシアとウクライナの戦争による国際関係には目が離せません。
その他、様々な分野での発展が期待されています。広範な経済圏を作り出すには、内部経済の発展が不可欠であり、それは、エンタメやスポーツ業界も同様です。
最後に、ここまでのAfCFTAの現在の取り組みと進捗についてまとめられた記事をご紹介します。こちらの記事では、2022年7月の第9回閣僚会議において、The Guided Trade Initiativeが始められたことが書かれています。初期段階において上記にも述べた様々な理由からAfCFTAが上手く機能しなかったことから、今後AfCFTA下における貿易拡大のために8ヵ国の間で関税なしの貿易が行われているとのことです。これにより、AfCFTA の運用面、制度面、法律面、貿易政策面を精査するとともに、アフリカのビジネスに関わる人々にAfCFTAがビジネスとして成立していることを伝えることが目的とされています。
2022年末には、モノやサービスに関する交渉は完了しており、現在は投資、知的財産、競争等に関する議定書が含まれる話し合いが行われているとのことです。今後eコマースに関する交渉もされる予定で今後の進展が期待されます。
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