こんにちは!Pick-Up!アフリカです。

本日は、「アジェンダ2063とはなにか」についてご紹介します。

今後、アジェンダに関する記事を続々と公開する予定なので、お楽しみに!


アジェンダ2063(agenda2063)とは、AUの前進であるOAU(アフリカ統一機構)の結成50周年にあたる2013年に決定され、2015年1月31日のAU(アフリカ連合)首脳会合に採択されたアフリカ大陸全体における長期計画のことです。この計画は2013年からその50年後にあたる2063年までのアフリカ大陸全体の目標としてあげられました。

アジェンダ2063は「The Africa We Want」という副題がたてられており、「アフリカの人々が求めるアフリカ」を目指しています。彼らが求めるものを7つに分け(AUの7つの願望)、7つの願望に基づいて20の目標を作成し、その目標を達成するために15個のプロジェクト(15の旗艦プロジェクト)がたてられています。これらは、2013年〜2023年の最初の10年間の実施計画(FTYIP)の中でたてられたとのことです。

アジェンダ2063は、包摂的で持続可能な開発を目指しています。以前OAUで中心とされていたアパルトヘイトとの戦いやアフリカ諸国の政治的独立といった目標を刷新し、アフリカ大陸全体の課題に焦点を向けたものになります。

2020年2月10日、コートジボワールのワタラ大統領により、アジェンダ2063の進捗報告が発表されたことをきっかけに、現在では、2年に1度進捗報告をする文化が生まれています。

AUの7つの願望

「AUの7つの願望」はアジェンダ2063の目標をたてる上で大元となる、アフリカ。具体的には、「包摂的成長と持続可能な開発に基礎を置く繁栄するアフリカ」「平和で安全なアフリカ」 「人間中心の、及び、特に女性と若者そして子供を気遣うアフリカ人の潜在能力に依存した開発を進めるアフリカ」「強力で、統一され、強靭で、影響力のあるグローバルな主体でありパートナ ーとしてのアフリカ」といったものがあげられています。これらの願望に合わせて、目標が決められています。

アジェンダ2063の目標

上記の願望に基づいて、目標に表したものを「アジェンダ2063の目標」と呼びます。以下では目標の中の一部を紹介しています。

【すべての市民が高い生活水準、生活の質、幸福を享受できること】

アフリカではスラムに住む人口も多く、世界のスラム人口の約22%を占めるとも言われています。経済的に厳しい生活を強いられている人々の解決が必要になってくるでしょう。(参考記事:ケニア:スラムの問題と政府の取り組みー都市開発が解決へと導く?【Pick-Up! アフリカ Vol. 32:2022年5月24日配信】

【生産性向上のための近代農業】

アフリカで重要な産業となっている農業。生産性向上のために奮闘しています。過去記事では、数回にわたり現在のアフリカの農業とイノベーションについてまとめているので、ぜひご覧ください。

【経済成長加速のためのブルーエコノミー】

海洋資源を利用した経済活動のことをブルーエコノミーと呼び、アフリカ経済を成長させるために、ブルーエコノミーを活性化させようとしています。こちらの記事では、アフリカのブル-エコノミーの可能性と取り組み、今後の課題について書かれています。

【環境に配慮した持続可能で気候変動に強い経済・社会】

アフリカ大陸からは世界の3.8%分の炭素しか排出していないにも関わらず、干ばつといった気候変動に悩まされています。以前投稿したこちらの記事では、アフリカ大陸全体での気候変動の問題解決を目指すための会議が行われたことについて書かれています。

【アフリカを横断する世界レベルのインフラ】

インフラ整備はアフリカの課題の中でも重要視されています。インフラ部門は、コロナパンデミックやロシアウクライナ戦争の影響を大きく受けており、今後の成長に注目が集まります。

【生活のあらゆる領域における完全な男女平等】

アフリカには地域によって男女の格差が激しいところがまだまだあります。こちらの記事では、男女格差の激しい中央アフリカ共和国で女性進出に奮闘する女性ラッパーについて書かれています。このような職の機会に限らず、様々な分野での男女平等が目指されています。

15の旗艦プロジェクト

これらの目標を達成するためにたてられたプロジェクトのことを「15の旗艦プロジェクト」といいます。プロジェクトの中には、「アフリカ統合高速鉄道ネットワーク」「アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)の創設」「アフリカパスポートとヒトの移動な自由」「グランド・インガダム計画の実施」「アフリカの単一航空市場(STAAM)の創設」「年間アフリカ経済フォーラムの創設」「アフリカ宇宙空間戦略」「アフリカ百科事典」といったものがあげられます。今後、進捗があったものに関しては、記事を更新していきます。

10年計画とその見込み成果

最初の10年間の計画として、2023年までにあげられるであろう成果が、アフリカ連合のホームページでは7つのトピックに分けて発表されています。

1.生活の質の向上

→安全な水や衛生設備、子供・新生児・妊産婦の死亡率の低下

2.変革された、包括的で持続可能な経済

→GDPの成長や気候変動に対応した生産システムの導入など

3.統合されたアフリカ

→アフリカ地域内貿易の増加や、商品・サービス・資本の自由な移動など

4.女性、青少年、若者に力を

→女性のあらゆる障害の撤廃や若者の失業率の低下など

5.グローバルな文脈で上手く統治され、平和で文化的なアフリカ

→選挙の自由、紛争の予防・解決など

アジェンダ2063の課題

アジェンダ2063の実施においては様々な課題が指摘されています。こちらの記事では、2022年2月時点で、2021年に達成すべき目標のわずか51%しか順調にすすんでいないと書かれています。アジェンダ2063は、パンデミックや気候変動、ロシアウクライナ戦争の影響をうけているとのことです。

また、こちらの論文によると、アフリカの開発における課題に取り組むために設立されたアフリカ地域組織(RO)は、1970年代末に約50個だったものが2020年までに156までその数を増やしているとのことです。特にアジェンダ2063のビジネス・商業、政治、人権といったような分野には多くの地域組織が存在することから、組織の重複が起きており、その活動や成果について対立が起きているとのことです。

いかがでしたでしょうか。

今後、現在の進捗状況や課題などアジェンダ2063に関する記事を投稿していきます。

お楽しみに!

Pick-Up! アフリカを運営しているレックスバート・コミュニケーションズ株式会社では日本企業のアフリカ進出をサポートしています。

気軽にお問合せ、ご相談ください!

ご相談・お問い合わせ

アフリカ・ルワンダへのビジネス進出をご検討の際は、当サイトの運営に関わっているレックスバート・コミュニケーションズ株式会社までご相談・お問い合わせください。

コメントを残す