みなさま、こんばんは!

さて、本日は東アフリカでのコールドチェーン構築の動きとして、ルワンダのGET IT社が複数のベンチャーキャピタルや個人投資家などからシリーズAとして新たに資金調達を実施したというニュースと、Cold Solutions Kenyaがケニアの首都ナイロビに東アフリカ最大のコールドチェーン施設の建設を検討しているというニュース、2本をお届けいたします!

国連食料農業機関(FAO)もサハラ以南のアフリカ地域にて40%以上の食料ロスが消費者に届くまでに発生していると推定しているように、食品ロスは重要な課題となっており近年注目の集まる分野です。

ぜひお読みください!


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記事1:「ルワンダのGET ITがシリーズAでの資金調達を実施」

Rwandan food logistics startup GET IT raises Series A funding for regional expansion

記事リンク:

内容と背景:

本日はまず、ルワンダで食品ロジスティクスサービスを提供するスタートアップ GET IT社がシリーズAでの資金調達を実施したというニュースをお伝えいたします。

2014年に設立された同社は食品の生産、製造、流通を組み合わせ、統合された食品エコシステムを構築しています。設立当時は食料品の配達を専門とする家庭用小売流通会社として事業をスタートさせた同社ですが、その後サハラ以南全体のアフリカ地域で幅広いフードサービスを提供する会社が存在しないことに着目し、2016年からは乾物類だけでなく、コールドチェーンを必要とする野菜や果物、肉類や乳製品などの生鮮食品を国内のホテルやレストラン、商業用ケータリング会社へと届けているます。創設者であるLauren Nkuranga氏によると、同社は現在、高級ホテルのマリオットや、ルワンダのフラッグキャリアであるルワンダエアなど名だたる企業をクライアントとし、サービスを提供しているようです。

同社はさらに園芸作物を栽培する独自の生産部門をも保持しており、製造業社と提携して輸出および国内流通用に栽培した製品の簡単な処理を行なっています。これに関してNkuranga氏は、自社の強みを活かした生鮮食品での事業を通じて50の生産者からなる強力なネットワークを構築しただけでなく、園芸サプライチェーンにおいても重要なネットワークを構築してきたとこれまでの実績を述べています。

今回のシリーズAの資金調達は今年6月に満額(非公開)で終了しており、VCのVestedWorldやChandaria Capital、また個人投資家などが出資を行った形となりました。Nkuranga氏は、今回の資金調達を活用してさらなるパートナーシップの締結や園芸生産モデルの強化を実施する意向を示しています。同社は東、西、中央アフリカで主要な食品ロジスティクス企業となることをビジョンに掲げており、今回の資金到達は事業の地域的拡大を見据えた動きと考えられます。

生鮮食品は他の食料品と比較して高度な貯蓄および運搬環境を要するため、適切な貯蓄ソリューションが未だ整備されておらず、運搬中の腐敗も多発するアフリカでは収穫後のロスが問題となっています。コールドチェーンを提供する同社がこの課題へのアプローチとして実績を残し、今後ルワンダのみならずサハラ以南全体へサービスを拡大させることができるのか、注目したいところです。

関連記事:

  1. 「Local Start-up secures additional venture capital funding」Link
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  3. 「Entrepreneur quits Nike job to start food business in Rwanda」Link

記事2:「Cold Solutions Kenyaが東アフリカ最大のコールドチェーン施設の建設を検討」

『Kenyan firm mulls construction of largest cold chain facility in East Africa』

記事リンク:

内容と背景:

続いてもアフリカでのコールドチェーン網に関する話題をお届けいたします。

国連食料農業機関(以下:FAO)がサハラ以南のアフリカ地域にて40%以上の食料ロスが消費者に届くまでに発生していると推定する中、この度Cold Solutions Kenyaが食料輸送の強化を目的とした東アフリカ最大のコールドチェーン施設をナイロビのTatu経済特別区に建設するため、7,000万ドルにも及ぶ投資を行っていると発表しました。

Cold Solutions KenyaはARCH Emerging Markets Partners Limited(以下:ARCH)の助言を受けたプライベートエクイティファンドであるARCH Cold Chain Solutions East Africa Fundの投資先企業であり、コールドチェーンの形成に取組んでいるスタートアップ企業です。

記事によると、今回建設が予定されている施設は非常に柔軟に設計されており、+26C~-40Cまで様々な温度範囲と、新鮮な果物や野菜、医薬品やワクチン、肉や冷凍食品まで様々な製品範囲に対応できる予定のようです。

ARCHのマネージングディレクターであるJared Irving氏は、この施設は温度制御トラックを通じて企業によるリアルタイムでの商品追跡を可能とし、東アフリカ内での輸送を容易にするだろうと述べています。

これに対し、施設が建設される予定であるTatu市のオーナーおよび開発者であるChris Baron氏も、50以上ものケニア、東アフリカ、および多国籍企業が集まるTatu経済特区では適切なコールドチェーン網が必要であると述べ、Cold Solutions Kenyaによる施設の建設を歓迎しています。

冒頭でも少し触れましたが、FAOはサハラ以南のアフリカ地域にて40%以上の食料ロスが消費者に届くまでに発生しており、さらに生鮮食品に絞るとその割合は60%にも及ぶと推定しています。記事1でも述べたように実際に適切な貯蓄ソリューションの欠如や劣悪な運搬環境により食品や作物の収穫後ロスが多発しているサハラ以南のアフリカ地域ではコールドチェーンの整備は不可欠であると考えられます。

記事によるとTatu市はすでに住宅、学校、オフィス、また医療や娯楽施設に加え、15万人をカバーする製造業エリアを備えており、交通渋滞や長距離移動の必要ないユニークな生活、仕事、遊びの環境を提供している多目的開発地域であるようです。今回検討されているコールドチェーン施設の建設によりTatu市は人々にさらなる最先端の生活様式を提供する経済特区となりそうです。

記事1と共に、食品ロスや物流効率の向上などの点で課題の解決手段となり得るのか、今後の動向に注目したいところです。

関連記事:「Cold Solutions Announces Sh7.5bn Investment In Kenya」Link


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