目次
みなさん、こんばんは!
今日は毎週水曜日のテクノロジー、スタートアップ、イノベーションの日です。
今日は、ワールドエコノミックフォーラムの発表した「Techonology Pioneers 2020」のリスト入りをしたケニアのスタートアップ2社の紹介と、今年のスタートアップを取り巻く投資環境、そして、こちらのシリーズでも共有してきました、ケニアでのLooの取り組みの最新情報をお伝えします。
どうぞお楽しみください!
明日の記事もお楽しみに!
世界経済フォーラム、Technology Pioneers 2020を発表!
英題:「World Economic Forum Announces 100 New Technology Pioneers In 2020 Cohort」
内容と背景:
世界経済フォーラム(World Economic Forum)は先日、毎年発表している「Technology Pioneers」の2020年版を発表した。このリストで紹介されているのは、テクノロジーを世の中に出そうとしているアーリーステージ、あるいは発展段階にある将来有望なスタートアップ企業などで、今年は特に食料安全や金融へのアクセスなどに取り組む技術をテーマに選び企業がリストアップされたようです。もちろん、現在の世界的な問題でもある、コロナへの対策もその一つに入っているようです。
その中でアフリカからはケニアから2社がリストに入りました。この2社を少し簡単にご紹介します。
- Lori Systems社
彼らは2016年に設立されたケニアの企業で、スムーズな積み荷の受け渡しやマネジメントを可能とするB2Bソリューションを提供している企業です。特に、荷物などの業者間の受け渡しが捗らないことでおこる価格の高騰をテクノロジーを活用し、抑えることを目指しているようです。アフリカ大陸内での貿易率が低い中で、大陸外から多くの製品やグッズを輸入することが多いのですが、それらの製品の価格の75%が輸送費となっているようで、これはアメリカ内での6%と比べとても多いという課題を解決しています。
- Twiga Foods社
こちらの企業もケニア発のスタートアップ企業で、2013年に設立されました。名前にもあるように、「食」に関する課題解決に取り組んでいます。特に、人々の収入に占める食料への支出の高さ(50%)を一つの問題として捉えており、これが輸送などの不合理さからくると捉え、食料を低価格かつ高品質のものを帰るマーケットプレイスを作り出しているようです。
両社ともアフリカの課題に取り組んでおり、今後の彼らのビジネスの発展が楽しみなところです。
このリストに入ることで、2年間世界経済フォーラムの行う様々なイベントなどにもアクセスでき、彼らの成長を助けるだけでなく、彼らの技術を世界に広める場が提供されるようです。
日本からはAIを用いた様々なソリューションを提供しているABEJA社が選ばれています。どんな技術が今世界で求められているのかなど、世界的な傾向が見えてくるリストになっているのではないかと思います。
是非お楽しみください。
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関連記事:
- 「Technology Pioneers 2020」 – Link
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アフリカのベンチャー投資は鈍くなる傾向にあるが、ヘルスやAgriテックへの投資は増加傾向にある
英題:「African venture funding is expected to slow but impact investors are boosting health and agri-tech startups」
記事リンク:https://qz.com/africa/1869334/covid-19-impact-investors-eye-african-agriculture-health-startups/
内容と背景:
コロナ環境下にあって、やはり資金の循環はこれまでと比べ鈍くなっているという事実があるようです。特に昨年は記録的な20億ドルにも及ぶ投資が行われたとも言われており、その後なだけに今年の減りはより顕著にも思えます。しかし、スタートアップ業界全体が投資額減少のあおりを受けているようではなく、引き続き元気な分野もあるようです。こちらの記事ではそれらの分野を紹介すると同時に、スタートアップ業界の今年の傾向を届けています。
通常の投資と比べ、特にインパクト投資となった時、その投資先が社会の抱える課題に解決策を提供し得る物を選ぶ傾向が強いこともあり、現在世界的に抱えているコロナ関連、あるいはコロナによって引き起こされている課題に取り組んでいる企業への投資は引き続き行われていると書かれています。
そして、社会課題を解決していることもあり、国際金融機関や各国の国際協力機関などがそれらの投資を表明しているようです。この記事では、イギリスのDfIDやCDCグループ、ドイツのGiZの機関名をあげ、彼らが積極的に投資を行っているとも書いています。
こちらの記事でも何度か名前が出てきているナイジェリアの54gene社などもこの投資が行われた一例としても上がっていますし、ヘルス関係では主にコロナ関連のソリューション提供に取り組んでいる企業、農業分野では、農作物の栽培や、マーケットプレイス関連のソリューションを提供している企業がこれらの投資を集めているようです。実際GIZは3月に「Agriculture Innovation Fund Challenge 2020」を立ち上げ、アフリカや東南アジアの農業関連のスタートアップ向けのコンペティションを実施しました。
南アフリカのAfricArena社は今年のアフリカのスタートアップ企業への投資が昨年の40%減少を予測しており、通常の投資家らとは違った理由で投資を進めるインパクト投資の存在が今年のアフリカの投資シーンで今まで以上にう躍動するだろうとしています。
アフリカのスタートアップ向けだけでなく、アフリカでの課題を解決したいスタートアップも参加できる物も多いだけに、日本からもそのような挑戦をしたい企業は是非参加を考えるのもありだろう。こちらでも引き続きそのような情報を共有していきたいと思います。
関連記事ではGoogle社が昨年に続き行っているスタートアップ向けの3ヶ月のアクセレレーションプログラムをご紹介しています。今後アフリカに興味を持つみなさんにとっても良い情報となると思いますので、是非ご覧ください。
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関連記事:
- 「20 startups selected for Class 5 of Google for Startups Accelerator Africa」 – Link
- 「Google Helps African Startups to Grow and Thrive」 – Link
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最新情報!アルファベット社のケニアでのルーンプロジェクト、実際にインターネットサービスを提供する!(動画付き!)
英題:「Alphabet’s Loon balloons provide their first commercial internet service in Kenya」
内容と背景:
さて、今年4月に発表され、こちらの記事でも紹介しました、ケニアでのLoonプロジェクト。実際に取り組みが行われておりますので、今回はその現状をご報告します。
4月の発表以来、35のバルーンが飛ばされ、4G回線のサービス提供が行われているのですが、35000ユーザーに対し現在インターネットが活用できる環境・サービスを提供しているようです。特に農村部など、通常はインターネットサービスを提供する企業や通信会社がコストに見合わないとしてタワーを立てることをためらう場所に対するインターネットの提供を目指している中にあって、サービス費用がそれらの地域にあったものではないのではないかという意見も見受けられるようです。
現在はケニアの東部の10地域に重点的にサービスを提供しており、今後そのエリアも拡大されるのではないかと予測されています。
実際にインターネットを使っている人がいることで、このサービスがケニアだけでなく、他のアフリカの国々、また同社が計画しているアマゾン地域への同様のサービス提供が控えているだけに、ケニアで得られる知見の活用など今後も気になるニュースです。
また追加情報がありましたらこちらでも配信していきます。
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関連記事:
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