目次
皆さん、こんばんは。
今日も面白記事をお送りします。
今日は、アフリカ限定だけではない、このパンデミックの後のビジネス機会を考える上で参考になりそうな記事と、そして今回の状況の中で一番影響を受けた分野の一つである輸送業に関して扱った記事、合計3つをご紹介します。
今日の楽しみにも、そして週末の楽しみにもなればと思います。
ではまた来週もお楽しみに!
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記事1:『Silver linings: Post-pandemic opportunities for African SMEs』
内容と背景:
コロナの影響もまだまだ続きそうですが、ここ最近、特に5月に入ってからアフリカの諸国ではロックダウンを緩和するというニュースが続いています。生活が成り立たないことや、経済の停滞、そして中国やヨーロッパ、アメリカからの物品の出入りが減少したことで、孤立感が増したりしたこともあるようです。
そこで今回は、そんな中で通常の経済活動に戻そうとするアフリカの中小企業にとってビジネスの機会をどう見つけるかを書いた記事をご紹介します。
この記事では、自国内にある産業をリストアップし、それらの産業がパンデミックの影響をどれくらい受けたのか、そしてどのような課題を抱えているのかも書き出し、そこに自らの持っているビジネスが提供できるソリューションを書いていくことで、どこに・何に特化した解決策を提供すべきかを決めるという手法を紹介している。
そして、ヘルスセクター、教育、輸送、e-コマースと配送系、イベントケータリング、e-ガバメント、娯楽とスポーツ、そして、事務所を持つ企業に対して、と様々な分野が今回直面した課題をあげ、どんな解決策がありそうかを書いてくれています。
日本の事業関係者にも有益な情報もあるのではないでしょうか?
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関連記事:
- 「3 ways COVID-19 could actually spark a better future for Africa」 – Link
記事2:『Coronavirus Is Driving A Wedge Between East Africa & Its Trucking Sector』
内容と背景:
本日は、東アフリカ共同体(EAC)内でのコロナウイルス蔓延に関する少し驚きの記事を紹介します。
今週、ウガンダと南スーダンの政府は、コロナウイルスの陽性反応がでたケニア人、タンザニア人をそれぞれの国に強制送還したとして、WHOから問題視されているということです。
WHOの国際健康規制(IHR)2005の第23条、26条、および27条は、健康リスク宣言地域で発見された旅行者は、病気と診断された場所で治療する必要があることを指示しています。
ケニアの厚生省によると、輸送中のリスクのため、コロナウイルス患者を本国に送還することは不適切であるとコメントし、ウガンダ側は、ケニアのトラック運転手が強制送還されて自分の意志で自宅に戻ったと伝えているようです。
また、先週金曜日の時点で、ウガンダで確認された11件の新規症例のうち5例はケニア人、6例はタンザニア人でした。前者はムトゥクラ国境検問所を経由してカンパラに入り、後者はマラバとブシア国境検問所を通ったということは分かっているようですが、それでも、彼らがどのようにウイルスに感染したかということについては不明のままなようです。
しかし、実際のところ、トラック輸送はEACの生命線であることは確かです。毎日、何千もの貨物トラックが東アフリカとの国境を通り、国際貿易のネットワークを生み出しています。
EAC諸国の国際貿易量も、近年大幅に増加しており、2010年から2014年までの期間、貿易総額は37億米ドルから56億米ドルに増加しました。
しかし、最近のコロナウイルスの大混乱がこれらの数値にどう影響するかは誰も予想がつかない状況です。
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記事3:『Disrupted supply chains drop EAC sales by 56%』
内容と背景:
続いて、今年4月30日にリリースされた東アフリカビジネス協議会(EABC)による調査を引用しCovid-19が東アフリカ内でのキャッシュフローの減少をもたらし、いかにビジネスや投資プロジェクトに影響を与えているのか解説している記事をご紹介します。
東アフリカ(EAC)では全加盟国で感染者が確認されており、これまで面白記事でもとりあげてきましたように加盟国らは感染拡大防止のために移動の制限や門限の規定、また国境封鎖などを講じてきました。
これらの措置により地域のビジネスや投資が厳しい環境を強いられる中、この度EABCがキャッシュフロー、サプライチェーン、またビジネスの持続可能性に対するCovid-19の影響に焦点を当てる形でビジネスの状況を確認する調査を実施しました。
調査によると、Covid-19によるサプライチェーンの混乱によりEACでは売上が約56%も減少したと述べられています。さらに、国境を越えた規制により55.9%、原材料の調達が困難になったことから44.1%もの減少がもたらされたようです。また、その他の要因として調査では輸出市場の縮小(17.6%)、従業員の解雇(17.6%)、契約の遅延と顧客による支出の減少(14.5%)があげられています。
この調査を受け、EABCは加盟国らは原材料、資本財、中間財、また生活必需品などの輸入における輸入申告手数料(IDF)や鉄道開発税(RDL)をはじめとする手数料を排除すべきとし、域内の貿易規制の改善を通じて国境を超えた物資の移動を可能にすべきと主張しています。記事ではこれにより生産者に救済がもたらされ、商品が手頃な価格で入手、また利用可能となるとの見解が述べられています。
さらにEABCの事務局長であるPeter Mathuki氏は、加盟国らがCovid-19による影響を緩和するために体系的なアプローチを実施しない限り、失業率の向上は避けられないだろうと述べ、キャッシュフローの減少はバリューチェーンを崩壊へと導き、ビジネスや投資プロジェクトの閉鎖をもたらす可能性すらあると主張しています。
これに対しEABCは、キャッシュフローの減少を緩和する手段として、域内の政府が未払いの付加価値税(VAT)の還付および国内債務に対応するために十分な資金を割りあてることを推奨しています。EABCは、これにより企業らがCovid-19状況下でもビジネスの運転資金を増やすために必要な流動性を得ることができるとの見解を示しています。
記事の最後では調査をもとにセクター別にCovid-19がもたらしている影響に関して少し触れられており、観光業では92%、ロジスティクスでは75%、小売業では63%もキャッシュフローが減少している一方、製薬業界ではむしろ需要が高まっていると述べられています。
アフリカに限らず日本を含めどの国でも感染拡大防止策を実施する場合、経済とのバランスがカギとなっていますが、小規模事業を運営する中小企業などが多いアフリカでは特に政府による資金面での対応策が必要不可欠と考えられそうです。
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