目次
みなさま、こんばんは。いつもJRBCを応援いただきありがとうございます。
本日はアフリカから子どもの福祉に関する記事を選んでご紹介します。
ウガンダから、貧困と養子縁組に関しての課題について書かれた記事、南アフリカから、コロナ下での子どもの保護について書かれた記事をご紹介します。
記事1:米国、ウガンダからの不正な子どもの養子縁組を制限
The US is clamping down on fraudulent child adoption from Uganda as birth parents fight back
記事リンク:https://qz.com/africa/1895686/us-clamps-down-on-uganda-child-adoption-scam/
内容と背景:
本日ははじめに、ウガンダの養子縁組について書かれた記事をご紹介します。
アフリカの国々から他国への養子縁組は年々、法律の改正とともに減少しています。その法律が厳しくなる以前には著名人もたくさんの養子をアフリカから迎え入れていました。
アメリカの女優、アンジェリーナジョリーは2005年にエチオピアから、歌手のマドンナはマラウィから養子を迎えています。
しかし近年、国外への養子縁組に対して、貧困家庭をターゲットとした人身売買のリスクや、渡航後の養子縁組を受け入れた家族からの虐待などが問題として上がり、アフリカの国々はそれぞれにその問題を重く受け止め、海外への要支援組を禁止する法律を整え始めました。
ケニアでは2014年、エチオピアでは2018年から国外への養子縁組を禁止にしています。
今回の記事では、ウガンダとアメリカとの間で論争が巻き起こっている養子縁組の問題について取り上げられています。
ウガンダでは近年、幼い子どもが家族の手から引き離され、望んでいない養子縁組ネットワークに入れられ、不当に養子縁組にされてしまう犯罪が多発しています。
この記事では、ウガンダの役人に賄賂を贈り、米国の養親への詐欺を横行した事件の内容が書かれています。3人の女性が、ウガンダの社会福祉担当官と裁判官へそれぞれ賄賂を払い、裁判所の登録機関が2名の子どもを養子縁組に適した者であると承認したようです。養子縁組機関はこれらのスキームで$ 900,000以上を受け取り、女性は$ 400,000以上を受け取ったとされています。
この記事の中で、カンパラの社会的および経済的権利イニシアチブの責任者であるサリマ・ナムソビヤ氏は「違法な養子縁組や詐欺は、貧しい社会経済的背景を持つ最も脆弱な人々を標的にしています」と述べています。国の政策を整え、海外への養子縁組を制限するだけでは、この問題の解決は難しいようです。
実際にウガンダの人口の半分以上(57%)は18歳未満で、その半分(56%)以上が貧困と低水準の生活をしています。アフリカ大陸で見ても、全人口の約85%が5.50ドル/日以下で生活していると言われていることから、アフリカの一般家庭の貧困は深刻な状況であると理解できます。
また、新型コロナウイルスの影響で経済がさらに逼迫した状況になっている中で、緊急に保護されるべき対象は誰なのか、子どもの安全はどうやったら守れるのか、子どもの人権についても引き続き考えていかなければならないと感じました。
記事2:南アフリカ、COVID-19を超えて子どもの健康を保護するための計画の必要性
South Africa needs a plan to protect children’s health beyond COVID-19
内容と背景:
続けて、南アフリカからコロナ下の子どもの保護について書かれた記事をご紹介します。
記事1でご紹介した記事でも少し触れていますが、新型コロナウイルスが貧困地域に及ぼす経済的制裁は大きな問題になっています。
今回の記事では、南アフリカで新型コロナウイルスの影響は、そのウイルス単体によるものだけではなく、外出制限による医療アクセスの低下により、既存のHIVなどの感染症や糖尿病などの病気をさらに流行させた他、母子の健康に悪影響を及ぼし、子どもへの家庭内暴力をもたらすなど4重の苦悩があるということが書かれています。
特にこの記事では、コロナウイルスによる子どもへの致死率は低いとした一方で、子どもたちは国のコロナウイルスへの対応により、多くの犠牲を払うことになっていると言及しています。これには、社会的孤立、教育機会の欠如、栄養介入プログラムへのアクセスが含まれます。
以前共有した記事でも、学校閉鎖に伴う給食の停止から子どもたちが、大幅な栄養不足に直面していることが危惧されていたかと思います。
この記事では、南アフリカの幼児期の栄養失調について取り上げ、依然としてその数の多さを問題視しています。南アフリカの地区保健情報システムは、 1年間(2018/9)に5歳未満の小児の重度の急性栄養失調で11,280人の入院を記録したことが報告されています(806人の死亡を含む)。小児栄養失調に関連する入院および死亡の傾向は、過去数年間で改善していますが、今回のコロナ下の食料アクセスの減少により、急速に悪化する可能性があるということです。
子どもの栄養、成長、健康は密接に絡み合っており、緩和戦略が緊急に実施されない場合、相互的に影響を受けてしまいます。そこでこの記事では、現在、コロナの対応を慎重に行いながら、新しい目標を設定する新たなフェーズに入ったと述べ、高齢者や病人を守りながらも食料へのアクセスに関しては、子どもや若者が優先されるべきなのではないかと述べられています。
また、計画とビジョンを持つことの必要性について、関連するすべての役割プレーヤーの調整が必要であると述べています。これらには、さまざまな政府部門、企業、非政府組織、および信仰に基づく組織とドナーが含まれます。国の再建に建設的に貢献することは、COVID-19疲労に対する効果的な解毒剤であるかもしれません。
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