こんにちは、Pick-Up! アフリカです。アフリカといえば治安が悪かったり紛争が起きていたりするイメージを抱く方もいらっしゃると思いますが、国によって治安は全く異なり、日本と同じくらい治安の良い国もあります。

今回は、2023年の治安ランキングに続き、最新の2024年版をまとめました。

ぜひ観光やビジネス進出を考える際に参考にしてみてください。

アフリカの治安が良い国トップ20

前回同様、2024年に発表されたGlobal Peace Index (世界平和指標、①進行中の国家間・国内の紛争、②社会的な安全性、③安全保障・軍事、の3点に焦点を当てて計測される)という指標を使い、アフリカ大陸諸国の治安ランキングをまとめてみました。

<Global Peace Indexから見るアフリカの治安ランキング>

※()内の数字は世界でのランキング

2023年2024年推移
1位モーリシャス(23)モーリシャス(22)↔︎
2位ボツワナ(42)マダガスカル(44)↗︎
3位シエラレオネ(47)ボツワナ(50)↘️
4位ガーナ(51)ガーナ(55)↔︎
5位セネガル(52)ザンビア(57)↗︎
6位マダガスカル(55)ナミビア(62)↗︎
7位ナミビア(56)タンザニア(65)↗︎
8位ガンビア(59)シエラレオネ(66)↘️
9位ザンビア(63)リベリア(69)↗︎ 
10位リベリア(70)アンゴラ(72)↗︎
11位マラウイ(74)チュニジア(73)↗︎
12位チュニジア(81)モロッコ(78)↗︎
13位赤道ギニア(82)マラウイ(79)↘️
14位アンゴラ(84)ガンビア(82)↘️
15位モロッコ(84)セネガル(84)↘️
16位ギニア・ビサウ(87)ギニア・ビサウ(85)↔︎
17位ルワンダ(88)アルジェリア(90)↗︎
18位コートジボワール(90)ルワンダ(92)↘️
19位タンザニア(91)赤道ギニア(94)↘️
20位ガボン(93)モーリタニア(95)↗︎

ご覧の通り、今年は治安ランキングが昨年と大きく変わった国も多く、例えばマダガスカル、ザンビア、タンザニア、アンゴラなどの国が上位に上がってきている一方で、昨年順位の高かったシエラレオネ、ガンビア、セネガルなどの国は下降傾向にあります。

Global Peace Indexは、①進行中の国家間・国内の紛争、②社会的な安全性、③安全保障・軍事の三つの指標を組み合わせて統計を出しているため、みなさんが想像するような安全性(犯罪率、スリにあいやすいかどうかなど)に関するランキングとは異なる可能性があります。

例えば、東アフリカに位置するルワンダは、2023年にBBCが発表した「女性が安全に一人旅できる国」のトップ5にアフリカの中で唯一ランクインしていましたが、上のグラフから見てわかるように、Global Peace indexの指標ではアフリカの中で17位に位置します。

<Global Peace Indexの社会の安全・安心指標から見る治安ランキング>

そこで、みなさんが想像する、観光や滞在をする際に参考にしたい社会的な治安・安全性に関して、Global Peace Indexの指標の一つ、②社会的な安全・安心 のランキングを見てみましょうこちらの記事によると、この指標は犯罪率、テロ行為や暴力の少なさ、隣国との良好関係、そして難民・国内避難民の多さなどの基準から測られているそうです。

アフリカ大陸内でのランキング世界でのランキング
1位モーリシャス54位
2位ガーナ56位
3位モロッコ59位
4位マダガスカル60位
5位アルジェリア65位
6位タンザニア68位
7位マラウイ69位
8位シエラレオネ73位
9位エジプト75位
10位ルワンダ78位
11位モーリタニア79位
12位ギニア・ビサウ80位
13位ザンビア81位
14位チュニジア84位
15位リベリア88位
16位アンゴラ90位
17位ガンビア96位
18位赤道ギニア97位
19位ボツワナ99位
20位セネガル101位

(参考:日本は世界7位、インドは71位、フィリピンはアンゴラに続く91位)

ですが、この指標はあくまで国家としての社会的安全の指標であるため、治安と聞いて想像するような犯罪率に限らず、様々な要素が考慮された上での指標です。区域によって治安が異なったり、外国人が滞在する上での肌感とは異なったりすることもありそうです。そのため、参考程度にすると良いと考えられます。例えば、昨年の10月からハマスによる攻撃が始まったイスラエルのランキングは92位で、アメリカやタイなどよりも高いランクになっています。

2024年に実際にアフリカを旅行したスタッフが語る、各国の治安状況

上記のランキングだけでは、実際にアフリカ各国の治安の感覚を掴むことは難しいでしょう。そこで、実際に今年アフリカに渡航していたスタッフ3名が、旅行した国の治安に関する感想を綴ってみました。

タンザニア(Global Peace Index アフリカ内で7位)

インターネット上で凶悪都市とも言われている首都のダルエスサラームを1人で旅行した際、大通りやビーチ、商業施設などでは治安が悪いとは感じられませんでした。しかし細い道や奥まった道に入ったりすると、治安があまりよくないような雰囲気が漂っていたため、移動の際にはなるべく安全そうな道を選び、タクシーやバジャジ(三輪車タクシー)を使うと良いと思われます。

参考記事によると、2023年12月時点で、タンザニアにおける年間の犯罪件数は一人当たり約0.0092件の60万7102件(うち軽犯罪は55万3,462件)で、2022年から32,221 件増えたそうです。ちなみに日本の2023年の犯罪件数は一人当たり約0.0056件です。

タンザニアでは近年犯罪件数が増えているようなので、防犯対策をされることをおすすめします。

ダルエスサラームの街並み

アンゴラ(10位)

首都アンゴラは、治安はあまり良くないと思われます。日本人10人でホテル〜スーパーマーケットへ行った際、物乞いの少年たちがしつこくついて来て、海外が初体験だった友人は「怖かった」と言っていました。

公用語がポルトガル語であり、観光に来る外国人もあまり多くないため、何よりも英語がほぼ通じないということが不安を募らせる原因でもあると思います。4つ星ホテルのスタッフも、大半以上が英語を話せないという状況でした。

バスから見た首都ルアンダの景観

モロッコ(12位)

日本人の友人4人で旅行をしましたが、有名な観光地のみを周り、バスやタクシーで移動した結果、あまり治安の不安は感じませんでした。

観光客も多いせいか英語がよく通じます。しかしフェズという迷宮都市で夜中に狭いくねくねとした道を散歩した際は、明らかにスリを狙っていると思われる人に出くわしたので、夜の外歩きは警戒をする必要がありそうです。

「迷宮都市」と呼ばれるフェズの夜

ルワンダ(18位)

広く知られているように、アフリカの中でも非常に治安の良い国と言えます。

スリや軽犯罪は頻繁に起こることはなく、一年滞在したスタッフは、日本滞在時より少し警戒して過ごした程度で、一度も犯罪に遭うことはありませんでした。

しかし知り合いの中では夜に女子だけで歩いていたところ、携帯を盗まれたそうです。またバイクタクシーの事故は頻繁に起こっており、犯罪に限らず危険なこともあります。特に交通量の多い首都・キガリでは、車と車の間をスレスレでバイクがすり抜けたり、かなりのスピードを出したりすることがあります。旅行の際はバイクタクシーは控え、車のタクシーを利用することをおすすめします。

首都キガリ・カーフリーゾーンの景観

終わりに

いかがでしたでしょうか?Pick-Up! アフリカでは、上記の情報に加え、より多くの国や地域に関して治安情報や渡航・観光情報、ブログなど盛りだくさんの内容を発信し続けます。

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