アフリカで宇宙開発をするメリットは？今後の展開と歴史、アジェンダ2063との関係も【Pick-Up! アフリカ Vol.10：2023年4月3日配信】（アジェンダ2063シリーズ　第八弾）

こんにちは！Pick-Up!アフリカです。

アジェンダ2063に関して記事にしていくアジェンダ2063シリーズ！

第八回は、アフリカの宇宙開発に関する記事をご紹介します。

アジェンダの概要はこちらから↓

アジェンダ2063とは？その内容とアフリカ諸国の目指すところとは【コラムーVol.12：2022年11月30日配信】

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元記事：

https://africanews.space/auc-inaugurates-the-african-space-agency/

「AUC Inaugurates the African Space Agency」

アフリカにおける宇宙開発市場

アフリカにおける宇宙開発の市場価値は年々高まっています。以前投稿したこちらの記事では、2020年時点のアフリカにおける約73.7億ドルとされていました。2024年までには100億ドルを超えるのではないかと予想されています。（参考記事１）

近年では、2022/11/7にウガンダ・ジンバブエが、2023/2/24にエジプトが人工衛星を打ち上げています。一番最近に行われたエジプトは、中国との協力の下で行われました。このようなことからもわかるように、アフリカの宇宙開発は大陸外からも関心を得ており、特に中国やヨーロッパが強く関心を持っています。

アジェンダ2063の「15の旗艦プロジェクト」の中には、「アフリカ宇宙戦略」という項目があり、アフリカの大陸内では宇宙開発を促進しようとする動きがあります。今回ピックアップした記事では、新たにアフリカ宇宙機関 (African Space Agency：以下、AfSA)が設立されたことについて書かれています。AfSAの設立は、「アフリカ宇宙戦略」達成への一歩と考えられているそうです。

大陸全体の宇宙事業を担う本部、AfSA設立までの歴史と今後

今のAfSAにあたる、アフリカ大陸全体をカバーするような宇宙機関の設立案は、2009年から2012年の間に出されていましたが、2023年の現在になるまで実行されませんでした。

2018年より、アフリカにおける宇宙事業を包括的に担う本部（現在のAfSA）をどこに置くかについて審議し始め、2019年にはエジプト、エチオピア、ナイジェリアが候補としてあげられたそうです。その後、技術的、政治的な面からエジプトが選ばれたとのことです。

エジプトによって建てられた施設が、アフリカ大陸全体に受け渡されるような形であったために、すべての建物を建設するまでの時間が必要であったことが、設立まで多くの時間を必要とした要因の一つとして考えられます。

また、欧州宇宙機関 (ESA) の幹部および技術者と長年にわたって話し合いを行ってきたり、2021 年 4 月にブリュッセルによって設立された最新の欧州連合宇宙計画庁 (EUSPA) の幹部とも面会したりしたことも起因するのではないかと考えられます。

AfSAは運用開始後、アフリカと大陸外の国々との協力の中心となっていくことが予定されているようです。そして、AfSAの目的を「『宇宙を通じたデータ、情報、サービス、製品への最適なアクセスを確保するため、大陸での宇宙ミッション』を強化する」ことだとしているそうです。

AfSAに期待されていること、アジェンダ2063との関係

こちらの記事に面白い見解が書かれています。アジェンダ2063の核となるプロジェクトは「アフリカ宇宙空間戦略」ではないか、ということです。アジェンダ2063はアフリカ大陸が包摂的で持続可能な開発することを目標としており、「アフリカの人々が求めるアフリカ」を実現するために「15の旗艦プロジェクト」が設定されています。これらのプロジェクト一つ一つに宇宙開発が直接的、又は、間接的に関わっていると著者は考えています。

例えば、「15の旗艦プロジェクト」にある高速鉄道網の建設は、ヒトやモノの移動を自由にするために進められていますが、現在地や天気といったような鉄道を運営する上で必要な情報は衛星によって得る必要があるとしています。

また、アフリカ各国を結びつける「アフリカの単一航空市場（STAAM）の創設」においては、飛行、気象情報、通信、機内サービスの全てにおいて衛星が必要であると述べられています。

以上二つに加え、e-universityやe-ネットワークといったようなインターネットに関わるプロジェクトの場合、通信衛星が不可欠である他、グランド・インガダム計画を行う上では河川や平野を監視するための地球観測衛星や、気象情報を得るための気象衛星が必要であるとしています。ここであげた以外のプロジェクトに関しても、ほとんどの衛星からの情報が必要となり、宇宙開発の重要性があげられています。

アジェンダ2063の旗艦プロジェクトに関わる関わらない関係なく、「アフリカ宇宙戦略」によって広く受けられる恩恵については、過去に投稿したコラムにて紹介されています。ここでは、コラムで述べられている、宇宙開発によって発展が期待される分野三つを大まかにご紹介します。

過去のコラムでは、それぞれの分野について各国の取り組みなどを通じて詳細に解説されています。

まとめ

このように、アフリカの宇宙市場には関心が高まっており、今後大陸が発展していく上で非常に重要な鍵になると予想されます。アジェンダ2063の「15の旗艦プロジェクト」を進めていく中でも、「アフリカ宇宙戦略」は要となっていくという意見もあります。アフリカ宇宙業界のビジネスチャンスがうかがえます。

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