目次
こんにちは!Pick-up!アフリカです。
今回は、アフリカで読書を普及するための新しい施策をご紹介します。
元記事:
英題:Books in Africa. How this French company competes with Amazon
『本をアフリカに。フランスの企業はどうAmazonと競争していくか』
今回ピックアップした記事では、フランス語の本をアフリカで普及する取り組みがYouScribeによって行われていることが書かれています。
アフリカでは手に入りにくい本をデジタル化することで、多くの人々に安価で利用可能にしようとしています。
アフリカにおける本の普及の現状
アフリカでは、本を読むことなく育つ子供たちがいます。こちらの団体によると、地域によっては提供される教科書以外の本を読むことがほとんどない子供たちがいるとのことです。サハラ以南の地域ではその識字率が約80%となっており、識字率が低いと他の教育を受けることができない、雇用の機会を逃す、自分の子供を学校に通わせない、などの問題が発生することも合わせて書かれています。
また、こちらの記事によりますと、ほとんどの農村地域では数学や科学といった主要科目においても適切な資料を手に入れることができる学生は5%以下であるとのことです。本や教科書が慢性的に不足していることから、読書習慣の欠如や学習成果への悪影響がおきているとしています。
以前投稿したこちらの記事では、図書館にアクセスできる子供の数はわずか6%であるとされており、子供が本をより簡単に本を手に取ることができるようなサービスに注目が集まっています。
本不足解消へYouScribeの取り組み
今回ピックアップした記事では、YouScribeと呼ばれる電子書籍サービスがアフリカで普及していることについて書かれています。
YouScribeはフランス語の本や新聞、オーディオブックを取り扱っており、設立当初はフランスを対象としていました。しかし、2018年にギニアのコナクリで行われたブックフェアで、フランス語圏のアフリカでYouScribeのサービスの需要が大きいことがわかったことから、アフリカでの普及を目指しています。
アフリカでは本が高価で入手が困難です。コートジボワールのような国では、国全体で20店舗しか書店がありません。また、南アフリカの大手書店で本を買うとすると、250レアル程度かかります。それに対して、YouScribeでは1日あたり3レアル(0.19ドル)、1ヶ月あたり約90レアルでサービスを受けることができ、大幅に安く簡単に本を手に入れることができます。
図書館がたくさんあり本を買うお金の余裕があるフランスと比べて、アフリカの方が安価で簡単に本が手に入るサービスにより需要があります。
アフリカで電子書籍のサービスを普及させるためには、その課題に特化した対策が必要となります。その一つが支払い方法、もう一つは、出版社との交渉です。
アフリカでは、クレジットカードが普及しておらず、決済手段として使うことができないため、YouScribeはユーザーの携帯電話のクレジットから直接支払いを引き落とす、または、アフリカに強いフランスの衛星テレビ会社Canal+と提携し、テレビパッケージにYouScribeの加入権が含まれるようにするという方法をとっています。このように、アフリカに適した支払い方法を提供することで、Amazonのような大手企業と差別化し競争力を高めています。
もう一つの課題は、出版社との交渉です。YouScribeは、その他大手企業と差別化をするために、世界的なベストセラーだけではなく、アフリカの作家によって書かれた本も提供しています。しかし、すべての出版社がデジタル化に賛成するわけではないので、そのメリットと効果を説明し説得する必要があります。
現在、YouScribeは70万人以上の加入者のうち、フランス語圏のアフリカが90%を占めています。同サービスはアフリカ11カ国で提供されており、モロッコとコートジボワールが1位、2位の市場となっています。同社は最近、南アフリカで英語版コンテンツの提供を開始しました。今後、英語圏を含むアフリカでの普及に胸が膨らみます。
アフリカの本不足に対する様々な取り組み
ここからは、このようなアフリカで読書を普及させるサービスを他にもご紹介します。
以前投稿したこちらの記事では、ルワンダで新しくオンラインの書籍宅配サービスが開始されたことについて書かれています。こちらの記事で紹介されているサービスは、手ごろな価格の月額購読でオンラインプラットフォームから子供のために選ばれた本を家庭や学校に届けるというものです。
こちらの記事では、電気技師であり発明家であるNzolantima Swasisa氏によって、コンゴ民主共和国でデジタルライブラリが設立されたとのことが書かれています。そこには、机、タブレット、本があり、ハイテク技術によりインターネットにアクセスできるようになっています。これにより、本へのアクセスがより容易になり、様々な知識を身に着けることができるようになると予想されています。
また、こちらの記事では、アフリカに図書館を作るプロジェクトが行われていることについて書かれています。フィル・オイレット氏は、今までに少なくとも13の図書館を設立しているそうです。国際的なパートナーやボランティアと協力して、本の力を通じて子どもたちに批判的思考力を身につけさせ、創造性を育むことを目指しているとのことです。
このような取り組みが進められることで、アフリカにも読書の文化が普及していくかもしれません。この記事を読むことでアフリカで本を普及しようと考えてくれる方が増えるとうれしいです。
アフリカに進出を考えている方はぜひ参考にしてみてください。問い合わせより私たちがサポートさせていただきます。
参考記事:
LaSalle man helps establish at least 13 libraries in Africa-Link
Electronics technician establishes digital library in the Congo-Link
Bid to end chronic books shortage in schools, colleges-Link
Africa Literacy Facts-Link
ルワンダ発オンライン書籍宅配サービスが開始!他:エチオピアからのeコマースサービス紹介【面白記事Vol.57: 2020年6月12日配信】-Link
関連記事:
ルワンダ発オンライン書籍宅配サービスが開始!他:エチオピアからのeコマースサービス紹介【面白記事Vol.57: 2020年6月12日配信】-Link
ご相談・お問い合わせ
アフリカ・ルワンダへのビジネス進出をご検討の際は、当サイトの運営に関わっているレックスバート・コミュニケーションズ株式会社までご相談・お問い合わせください。