ナイジェリア:市民の間でより多くの生物多様性の認識を高める

Nigeria Could Gain By Promoting More Biodiversity Awareness Among Its Citizens

記事リンク:https://theconversation.com/nigeria-could-gain-by-promoting-more-biodiversity-awareness-among-its-citizens-160375 

内容と背景:

本日は生物多様性から考えるアフリカの環境問題について書かれている記事をご紹介します。

バイオダイバーシティーと言われる生物多様性は、地球に様々な生き物が生息することを意味し、人間にとっても重要な役割を担っています。アフリカでは、ケニア・ウガンダ・タンザニアなど、絶滅危惧種や希少動物を見るためのエコツーリズムなどが経済の中心になっているという国もあります。

本日ご紹介する記事では、「ナイジェリアに暮らす人々が、動物や植物の保護状況について考えることなく、食べ物や利益のために動植物を捕食しているのではないか」ということが言及されています。そこで、この記事では、ナイジェリアの人々の中で、「生物多様性」という言葉がどれくらいの認知があるのかということを調査した調査結果が示されています。

研究グループは、構造化された質問紙を利用し、ナイジェリア人による生物多様性保全の意識レベルを評価しました。調査には839名の専門家(高等教育を受けている人)と、285人の非専門家(基礎教育を受けているかまたは正式な教育を受けていない人)を含む合計1,124人の回答者が参加し、生物多様性、保全、国家生物多様性戦略と行動計画に関する知識、および国の生態学と経済に対する生物多様性の重要性についての認識をテストしました。

その結果、ナイジェリア人の中では生物多様性について、「それがなぜ重要であるかということが十分に知られていない」ということを明らかにしました。基礎教育を受けている、または正式な教育を受けていない人々の意識・関心は低く(30%未満)、回答者の多くは、国の生物多様性行動計画に気づいていませんでした(専門家の場合は43.8%、非専門家の場合は12.1%)。

ナイジェリアは、2010年に愛知県で行われた会合の際に発表された、愛知生物多様性目標(人類が自然と共生する世界を2050年までに実現することを目指す生物多様性条約)の締約国になっています。その上で、これらの目標の実現に向けて、国家生物多様性戦略および行動計画が策定されていたものの、今回の調査では、その概念は国民には浸透しきれていないということが明らかになったようです。

記事では、国民に生物多様性が浸透していないということで、ナイジェリア国内の生態系が破壊されつつあるということに懸念を示しています。

さらに、ナイジェリアでは密猟を取り締まる法律がないということから、人々も希少動物の猟に罪の意識がないため、多くの希少動物が命を落としているということが課題として挙げられています。関連記事によると、一方でウガンダでは、国立公園で6匹ののライオンを殺傷したとされる男性を逮捕するという事件も起きており、2733USドルの罰金が処せられています。

このように、ナイジェリア政府は、国連の生物多様性条約の締約国になっているものの、市民社会にはその概念が浸透していないということと、特別に取り締まりが行われているわけではないということが理解できました。

今回ご紹介している記事の中では、生物多様性の認知度を高めるために、義務教育内でもこのトピックを重要なト位置付けとして指導していくことが必要であるということが示されています。合わせて、希少動物や絶滅危惧種を特定し、密猟など生物多様性が損なわれる場面において、厳しい取り締まりを行う必要性があるということを感じました。

関連・参考記事:

  1. Nigeria’s Wetlands Disappearing 3 Times Faster Than Forests, Says Govt – Link
  2. Ugandan police arrest 4 men suspected of killing lions Body parts of lions killed in Queen Elizabeth National Park taken by poachers – Link
  3. Environmental Crimes and Arrests Statistics – Link


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