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Skillup Africa、サステイナブルな、アフリカの優秀なテック人材の供給パイプライン構築へ
英題:Skillup Africa – is creating a sustainable pipeline of top tech talent in Africa
内容と背景:
パンデミックの影響もあり、世界中の多くの場所で失業率に関するデータなどが共有されました。
本日ご紹介しております記事では、ナイジェリアの例をあげ、現在失業率が30%にものぼるとしています。今後世界的に技術者不足が起こるだろうとしており、2030年までにその数は8500万人にもなるとしています。さらにこの技術者不足は経済的にも大きな損失をもたらすようで、その額は実に8.5兆ドルになるとも記事では伝えています。
そこで、この課題に目をつけ、解決策を提供できるのではないかと考えているアントレプレナーとして、Nkemdilim Uwaje Begho氏とJoseph Agunbiade氏が紹介されています。両者は、この課題に優れた人材を提供できる持続可能なパイプラインを形成するというアイディアを掲げています。
Nkemdilim Uwaje Begho氏はFuturesoft社の代表を勤めており、彼女の会社ではCEOや取締役などの顧客1000人以上に対し、デジタルとソーシャルメディア関連のトレーニングを提供してきた実績をもち、元のアイディアがどのように形成されているのかが想像できます。
対し、Joseph Agunbiade氏はソフトウェア開発関連の教育やトレーニングを提供するUnivelcity社の創立者として、教育を受けた若者を実際の職に繋げるということもしてきているようです。
この両者が共同で立ち上げたのが、Skillup Africaというプラットフォームで、ここには投資家などが投資し、その投資を活用し、将来の技術者を育成するというもののようです。職はないけど、特定の技術を身につけるために、また新たに学校に通う、あるいは学習コースを修学するなどできない人に対しては良いソリューションにも思えます。このプログラムのもとローンを受けた学生は、学び終えたのち、受けたローンの支払いを行うのですが、年10%の利息がつくようです。
現在すでにこのプログラムは4万ドルの資金で始まっているようで、最初の生徒たちが今はローンの支払いを行っている段階と記事では紹介しています。
2021年の目標として、100名の生徒(うち40〜50%は女性)に対して同機会を提供することを目標にしているようです。
アフリカの人材関連の課題はこちらのサイトでもたびたび話題にしていますが、こちの記事では人的資本への投資の重要性を共有しています。その中で一つの課題として挙げられているのが、教育などの機会が得られないことで、中東や北アフリカのデータで若者がもちえる潜在的な生産性の約57%の力しか最終的に発揮できないというデータです。
またこちらの記事では、北アメリカ、中南米、そしてアフリカを比較し、より多くの技術者が求められているのにもかかわらず、アフリカの技術者の対人口の割合がその他の大陸と比較し圧倒的に劣っていることに触れられています。こちらでは、技術者のプールができる仕組みを整える必要性が共有されています。
例えば一時期注目を浴びた、Andelaのような取り組み(ITの大企業に対し、人材を派遣し、遠隔で開発系のプロジェクトをこなす)がありますが、実際に求められている人材のレベルがある程度の高さで理ことが課題になり、彼らも事業の見直しを行ったことなどを考えると、簡単には解決できない課題なのではないかと感じます。
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