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本日はルワンダの教育関係に関する話題をご紹介します。
サハラ以南のアフリカ地域では、慢性的な教師不足が課題となっており、小学校の4割の教員は特別な訓練を受けていないと言われています。
ルワンダでも教師不足は喫緊の課題として捉えられ、先月新たな採用方法が決定されました。
アフリカで共通して存在するこの課題について、ルワンダはどのように取り組んでいくのか、興味深い内容となっています。関連記事も合わせてぜひお読みください。
ルワンダ:17,000人以上の新しい教師を採用
Government recruits over 17,000 new teachers
記事リンク:https://www.newtimes.co.rw/news/government-recruits-over-17000-new-teachers
内容と背景:
先月、ルワンダでは、教育の学位を取得せずに採用された小中学校の合計約1万人の教師に、1年間の契約が提供されました。
その契約とは、1年間の雇用期間中、必修の教育コースを修了する必要があるとするものです。
実際に、この期間に採用された15000人の小学校の教師のうち、10,630人は教育の学位を持っておらず、中等学校においては、2433人中234人が教育の学位を持っていなかったということです。
ルワンダでは以前から、教師の数が少ないということが問題視されていました。そこで、ルワンダ教育委員会(REB)は、入職時に必ずしも教育学の学位を取得しているということを求めることはできないという方針を明らかにしました。
そこで、学校の教師不足に対処するために 教師の入学試験を廃止する他、無資格の教員に対しては1年間の試用期間を設け、年末にコースを修了しなかった者は失格となるという仕組みを作ったようです。
現状では、小学校教員は高等学校卒業が必要であると定められているものの、実際は 25 %が中等学校卒であると言われています。加えて、無資格者は48%という状況であり(2)、教師の質の低さが問題視されていました。
また、それだけでなく、ルワンダでは、2009年から公的な教育言語がフランス語から英語に変更になったという背景があります。ほとんどの教員はフランス語のみで教育を受けており、英語への転換は教員にとって大きな負担であったとも言われています。
また、ルワンダ政府は、積極的に障害のある子どもたちの教育を推進するために、「インクルーシブ教育」の導入を積極的に行ったり、ICT教育推進のためにOne Laptop Per Child(OLPC)プログラムを行い、対象校1,624校に向けて合計250,000個ものパソコンが分配したりするなど、革新的な教育内容の充実化を図っています。
このように、教育は国の大切な開発の柱であると捉えられていますが、一方で教師の数が少ないという課題がいまだにあるということから、現状では一人あたりの教師の負担が重くなっているということがうかがえます。
1年間の契約期間の間に教員への訓練を行うというこの方法の導入は、今後のルワンダの教育分野にどのような変革をもたらすのでしょうか。引き続き見守っていきたいと思います。
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