みなさま、こんばんは!

本日はアフリカ大陸でのコロナウイルスワクチン普及に向けたエチオピア航空とケニア航空の取り組みをご紹介いたします。

両者とも、低温管理が必要なワクチン輸送を可能にする新たなコールドチェーンを発表しています。

ぜひ、関連記事と合わせてお読みください。


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記事:「エチオピア航空とケニア航空:アフリカでのワクチン普及に向けて新たなコールドチェーンを発表」

「Ethiopian, Kenya get ready to fly COVID-19 vaccines to Africa」

記事リンク:

https://www.africanews.com/2020/12/07/ethiopian-kenya-get-ready-to-fly-covid-19-vaccines-to-africa/

内容と背景:

欧米諸国を中心にコロナウイルスワクチンが普及し、国民への投与が開始される中、アフリカ諸国でもワクチン普及に向けた動きが活発化しています。そんな中、本日はエチオピア航空とケニア航空が医療貨物の需要拡大に対応するため、新たなコールドチェーンや医療施設を発表したというニュースをお伝えいたします。

本日ピックアップしている記事によると、まずエチオピア航空はこの度中国のアリババグループのロジスティクス部門であるCainiao Smart Logistics Networkとパートナーシップ契約を結び、適切に温度管理された医薬品の輸送を可能にするコールドチェーン航空貨物輸送手段を開発しました。同社はプレスリリースを通じて、コールドチェーンキャビン全体に室温をリアルタイムで監視する温度制御システムが装備されていると述べています。このコールドチェーンを備えた航空機は週に2回、中国南部の深センを出発し、ドバイとアディスアベバを経由して世界各地に医療貨物を届ける予定であるようです。

上記の新たな輸送手段に加えて、エチオピア航空は首都アディスアベバに位置するボレ国際空港に-23℃から25℃に区画化された冷蔵設備を備える54,000平方メートルもの広さの貨物ターミナルを設置しています。これまでのところ、利用候補に挙がっている全てのコロナウイルスワクチンは輸送および保管に超低温な環境を必要とするため、エチオピア航空が今回開発した手段はアフリカ大陸でのワクチン普及に大きな貢献を果たすと予想されます。

これまでの発表によれば、中国は様々なヒト臨床試験段階に対応する約5つのコロナウイルスワクチン候補を保有しています。中国の習近平大統領は、一度国際的に承認されれば、ワクチンは世界の公共財になるだろうと述べており、同国の開発するワクチンに期待を示しています。今回、中国系の民間企業であるCainiao Smart Logistics Networkがエチオピア航空とパートナーシップ契約を結んだ裏には、自国のワクチンの供給先を確保し、アフリカ大陸での影響力を拡大させるだけでなく、世界の医療業界にて存在感を示したいという中国の狙いがあると考えられます。

ここまではエチオピア航空の動きをお伝えしてきましたが、その一方でケニア航空もワクチンの保管を可能にする新たな医療施設の設置を発表しています。

関連記事に載せた記事によると、ケニア航空は医薬品、ワクチン、血液サンプル等、医療貨物の世界的な需要拡大に対応するため、首都ナイロビに位置するジョモケニアッタ国際空港に超近代的な製薬施設を新たに設置しました。同社はこれまでコールドチェーンソリューションの世界的リーダーと提携し、既に-40℃から25℃に温度管理された輸送能力を保有しており、パンデミックとの闘いを支援するため、今年の3月以来多くの医薬品に加え、約6,000トンに及ぶ医療機器を輸送してきました。今回同社が新たに製薬施設を設置したことで、医療貨物への対応力が一段と強化されたと考えられます。

エチオピアのボレ国際空港とケニアのジョモケニアッタ国際空港はアフリカの重要な流通およびロジスティクスハブです。ジョモケニアッタ国際空港に関しては、2019年に国際空港評議会(ACI)により世界で2番目に急成長している貨物空港としての評価を獲得しています。エチオピア航空とケニア航空が大きな役割を果たし、一刻も早くアフリカ諸国民がワクチンを受けられる日が来ることを願ってやみません。

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