目次
みなさん、こんばんは。
いつもPick Up! アフリカをご覧いただきありがとうございます。
今年のノーベル平和賞にはWFP(世界食糧計画)が選出されました。
そこで本日は、食糧供給支援に関連して、コロナ禍の食糧配給システムに関して、障害のある子どもを持つ家庭の立場に着目して書かれた記事をピックアップしました。
万人に均等に配給される食糧は大変貴重な栄養源であると言えますが、例えば障害のある人や高齢者にとって噛み砕けない食材である場合、せっかく配給されても食べることができないと言います。配ってしまえばそれだけで問題解決。とはならないようです。
記事:ガーナ政府、食糧配給プログラムで特別支援家庭を無視したとして非難を受ける。
Government accused of neglecting special needs families in food distribution programme
内容と背景:
今年のノーベル平和賞にWFP(世界食糧計画)が選出されました。新型コロナウイルスが蔓延する中、世界各地で飢餓に苦しむ人々に対して、つぶさに食糧配給や緊急食料援助を行った実績などが評価されたようです。
昨年発刊されたユニセフによる報告書「The State of Food Security andNutrition in the World 2019」によると、コロナ以前でも世界的に飢餓の増大傾向は年々広がっており、2019年には6億9000万人が飢餓状態であったと発表されています。その中でもアフリカは特に最も早い速度で拡大しており、19.1%が栄養不良であると示されていました。
現在、新型コロナウイルスのパンデミックの影響により、WFPをはじめとする様々な機関は、その供給量を調整しながら多くの人々に食糧がいきわたるよう最善を尽くしているようです。
また国連だけでなく、アフリカ各国の政府もそれぞれに食糧不足となっている国民に対して、食糧の配給を行うなど様々な対策を実施しています。
例えばルワンダでは、トウモロコシ粉、豆、食用油、米、塩、砂糖と石鹸などが世帯人数によって量が調整され均等に配給されたようです。
今回の記事は、このようなコロナ禍の食糧配給システムに関して、ガーナの障害のある子どもを持つ家庭の立場に着目して、その困難について書かれたものになっています。
記事では、スペシャルマザーズプロジェクト(脳性麻痺や特別なニーズのある子どもを育てている家族を支えるアドボカシーと意識向上プログラム)のオンラインディスカッションの場の発言が取り上げられています。
このディスカッションの中で、障害のある子どもを育てる母親は、子どもを家に残して配給をもらいに出かけることがいかに困難なことであることを述べました。また、障害者団体から与えられた電話番号が繋がらなかったことから、自分たちは社会から置き去りにされていると感じたという意見や、他の母親は、教会に何度も電話をかけてやっと食糧を家に運んでもらった場合でも、調理済みのイワシを脳性麻痺の息子は食べることができなかったとし、おかゆを作るためのトウモロコシの粉であれば有り難かった。という発言もありました。
これらの発言を受けて、スペシャルマザーズプロジェクトの事務局長は、この記事の中で、現時点で重大なニーズを抱えている可能性のあるすべての特別支援家庭に手を差し伸べるための協調的な努力が必要であると述べました。
また、彼女は政府に対し、特別支援を必要とする子どもに関するさまざまなグループのリーダーシップを結集し、特別支援を必要とする子どもを育てている家族がこれらの特殊な時期に確実に適切な支援が受けられるようにするための最善の方法を検討するよう要請したということです。
先週初めて開催されたアフリカ障害会議(African Disability Conference)でも
African leaders and policymakers to consider the development and empowerment of Persons Living with Disability (PWDs) in all sectors
というトピックの元、障害者自身のエンパワメントが重要な位置付けとして言及されていました。
このように大変な混乱にある中でも誰一人取り残されることがないよう、当事者もしっかりと声を上げていく必要があると感じました。
関連・参考記事:
- ノーベル平和賞にWFP=世界食糧計画 NHKニュース – Link
- Rwanda Distributes Food Under Coronavirus Lockdown –Link
- Food rations cut for refugees in Eastern Africa as coronavirus stretches resources – Link
- Maiden Africa Disability Conference held: Leaders asked to prioritize development of PWDs – Link
ご相談・お問い合わせ
アフリカ・ルワンダへのビジネス進出をご検討の際は、当サイトの運営に関わっているレックスバート・コミュニケーションズ株式会社までご相談・お問い合わせください。