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本日は西アフリカと中央アフリカの教育現場の今について書かれた記事をご紹介します。
新型コロナウイルスで停滞している教育とその原因に迫ります。教育の停滞の一つの大きな要因には水や衛生設備の不足が大きく影響しているようです。

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記事:西アフリカと中央アフリカの学校、子どもを安全に受け入れる準備ができているのはわずか3分の1

Only 1 in 3 countries ready to receive children safely in schools in West and Central Africa

記事リンク:https://reliefweb.int/report/world/only-1-3-countries-ready-receive-children-safely-schools-west-and-central-africa

内容と背景:

新型コロナウイルスのパンデミックの影響により、全世界の90%以上の生徒が学校閉鎖の影響を受けたといわれています。パンデミック宣言から半年が経過した現在(2020年10月)では、全世界の約83%の国では何かしらの形で教育を再開していますが、17%における34カ国ではいまだに教育機関が閉じられているようです。

今回ご紹介する記事は、西アフリカのコロナ禍における教育現場の現状について言及し、いまだ学校が開けていない国とその理由、ユニセフによる具体的な支援策について書かれています。

西アフリカ・中央アフリカ地域では10月19日現在、24カ国のうちの7カ国(ベナン・ブルキナファソ・カボベルデ・チャド・コンゴ・赤道ギニア・シエラレオネ)のみが学校の整備を整え、学校教育をスタートさせているということです。

ユニセフは残りの17か国に対し、水、衛生設備などの提供、より安全な学習環境のための物理的スペースの準備、柔軟なブレンド型学習の応用など、学校を物理的に安全に再開できるようにする取り組みを加速するよう呼びかけています。 

この記事によると、貧しい国々で学校再開の一番の障壁になるのは、上記で述べたような水・衛生設備のハード面の整備の不足であると書かれています。学校に基本的な手洗い設備がない国の半数以上がサブサハラアフリカであると言われ、ギニアビサウでは、石鹸と水による基本的な手洗いを利用できる学校はわずか12%、ニジェールでは15%、セネガルでは22%、ブルキナファソでは25%ということです。

8月に掲載された讀賣新聞の記事では、感染防止対策のハード面の設備について下記の通りの記述がありました。

手洗い場や手洗い用の水がない小中高校に通う子供は約40か国の約4億6200万人、水はあってもせっけんなどはない学校の子供は約30か国の約3億5500万人。計約8億1800万人は手洗いの環境が整っていない状況だった。このうち、3分の1程度にあたる約2億9500万人はアフリカのサハラ以南の地域、約2億6400万人は中央・南アジア地域に集中していた。アフリカのエチオピアやエリトリアでは、手洗い用の水、せっけんがともにある学校は5%、アフガニスタンも6%にとどまった。一方、アメリカやフランスは100%だった。4億人超す子供、手洗い用の水ない学校に…アフリカ・アジアに集中

この調査に日本は含まれていないようですが、アメリカやフランスなどの先進国では100%の供給率である一方、エチオピアなどでは5%ほどの供給率にしか満たないという事実に驚きが隠せません。

しかしこのようなハード面での整備に関する課題は今回に始まった話ではなく、ウォーターエイドの報告書「水の格差 2018年世界の水の状況」によると、ウガンダやニジェールといったサブサハラアフリカの国々では、水を利用できる人口の割合が最も悪い国として以前から名を連ねていました。

コロナ禍における教育の問題は、以前から問題視されていた水環境へのアクセスなど、分野横断的にまたがっている問題であり、根が深く深刻な状況を映していると言えます。

教育関係者だけにこの問題を押し付けることはできず、様々なセクターが一丸となって解決することがキーポイントになりそうです。一刻も早く全ての子ども達が安全に学校に通い、適切な教育が受けられることを祈っています。

関連・参考記事:

  1. COVID-19 Impact on Education – Link
  2. 最も前例のない教育中断の世界 -ユネスコ公式レポートから見るコロナによる教育格差【面白記事 Vol. 77: 2020年7月6日配信】- Link
  3. 水の格差 2018年世界の水の状況 - Link


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