みなさん、こんばんは。いつも面白記事をお読みいただきありがとうございます。

今週は《アフリカエンタメウィーク》と題して、アフリカのエンタメに関するニュースをピックアップしてお届けします。
第一弾となる本日は、アフリカの映画業界に関するニュースとして、ジンバブエ育ちのアフリカ人俳優のアメリカの映画界へ移籍について書かれた記事をご紹介します。

グローバルな映画市場でのアフリカ映画プレゼンスや、ハリウッド映画界のダイバーシティなど、多方面からこの記事を読み解いてみました。

今週の残りのエンタメ記事もぜひお楽しみください!


記事:俳優Tongayi Chirisaが、南アフリカからアメリカの映画産業への移籍とNetflixプロジェクトでの役割について語る

Actor Tongayi Chirisa talks transitioning from South African to American film industry and roles in Netflix projects

記事リンク:https://www.amny.com/entertainment/actor-tongayi-chirisa-talks-transitioning-from-south-african-to-american-film-industry-and-roles-in-netflix-projects/

内容と背景:

Netflixが自社初となるアフリカのシリーズをローンチしたことが今年初めに話題になりました。これは、Netflixがアフリカ地域のユーザー数獲得を目指して、現在サブサハラアフリカ市場で推定150万人と言われるユーザー数を2025年までに500万人に増やすという目標が関係しているようです。

アフリカの映画市場では、ナイジェリアが大きなシェアを占め、映画の年間制作本数はアメリカより、1.3倍多い世界2位の本数となっています。約6億ドルの巨大市場であるナイジェリアの映画業界はNollywoodとも呼ばれ、注目されています。しかし、国内に映画館はわずか33館と少なく、入場料も高いため、一般市民にとっては敷居の高いものであるほか、その映画の消費はほとんどが国内の売店でビデオとして取り扱われる形で消費され、グローバル市場にはあまり出回っていない現状があります。

このようにアフリカ映画はグローバルなエンタメ市場ではまだあまり出回っていないほか、ハリウッド映画をはじめとしたエンターテイメントでは、毎日たくさんの俳優や女優を目にする機会がありますが、その映画に出ている役者には人種の偏りがあることが指摘されているようです。

UCLAのHOLLYWOOD Diversity report 2019によると、ハリウッド映画配役の人種別の割合(2016-17)は、White:77.0% Black:9.0% Latino:5.2% Asian:3.4% Mixed 5.0% Native:0.4%となっており、大幅に役者層に人種の偏りが見受けられます。

ここで、示されているBlackはアフリカ系アメリカ人と純アフリカ人役者の総数を示しており、純アフリカ人である役者はこの中でもほんの僅かとなっていると考えられます。

そこで本日の記事では、希少な純アフリカ人俳優として、アフリカ から海を越え、アメリカの映画市場へと移籍した俳優Tonagyi Chirisaさんの活躍について書かれた記事をご紹介します。

この記事では、Tonagyi Chirisaさんの生い立ちと、役者としての活躍について書かれています。Tonagy Chirisaさんはジンバブエで生まれ育ちました。高校生のとき、Yellow Cardというタイトルのジンバブエ映画に影響を受け、役者の道を目指すことに決意したそうです。

大学時代には、ジンバブエのNational Merit Awardsで、最優秀俳優賞を受賞し、その後南アフリカに移籍しました。南アフリカではKFCのCMなど多くのCMやテレビ番組に出演し、クラシックストーリー「Robinson Crusoe」を基にした「Crusoe」に出演した後、アメリカ市場に進出しました。

その後、American Horror Story、N.C.I.S、Hawaii 5-0、the Guest ListなどのTVシリーズにに多数出演し、その活躍ぶりを存分に発揮しました。また、2020年7月にはアンディサンドバーグ主演の新しいNetflixコメディ映画「パームスプリングス」にも出演しました。

この記事で、Tonagyi Chirisaさんは、今後は自分が書いた映画を制作することに挑戦したいと目標を語っています。

一昨年、上映されたキャスト全員アジア人の米映画「クレイジー・リッチ!」は、ロマンチック・コメディとして、2012年の映画「世界にひとつのプレイブック」北米興行収入1億3200万ドル(約148億円)を抜き、過去9年間で最大のヒットとなったことが大きな話題を集めました。

「ハリウッドでは、これまでとは違うタイプの物語への需要が高まっている」と、この映画の原作者クワンは語っています。

もしかしたら、これからのアフリカ映画のハリウッド進出にも期待ができるかもしれません。アフリカ人としてのアイデンティティとグローバルな映画界でのアフリカのプレゼンスを発揮するためにも、引き続きアフリカを牽引するような役者が世界のエンターテイメント市場に排出されていくことを楽しみにしています。

関連・参考記事:

  1. HOLLY WOOD DIVER CITY REPORT 2019 – Link
  2. Netflix: Will first African series launch a new chapter in African filmmaking? Link
  3. アメリカで「アジア人の映画」大ヒットの理由「クレイジー・リッチ!」は人種を超えるか – Link
  4. 全員アジア人の米映画「クレイジー・リッチ!」が達成した偉業 – Link
  5. ナイジェリア映画が人気 アフリカでエンタメ急拡大=志村一隆 - Link
  6. アフリカ映画の動向 - Link
  7. 「アフリカのエンタメシーンに関して(面白記事 Vol.45)」-Link


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