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みなさま、こんばんは!
さて、本日はアフリカの農業セクターにおける組織間連携の動きとしてアフリカを代表する多国間貿易金融機関であるアフリカ輸出入銀行(Afreximbank)が、サブサハラアフリカを代表する農業系複合企業である輸出取引グループ(ETG)へ4億ドル規模の国際融資枠の支給を承認したという最新ニュースをお届けいたします。
面白記事でもたびたび取り扱ってきた農業セクターにおける課題へのアプローチとして大きな貢献が期待できる動きです。
ぜひ最後までお読みください!
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記事:「AfreximbankがETGへの4億ドル規模の国際融資枠の支給を承認」
『Egypt- Afreximbank approves $400m agreement to spur African agricultural productivity』
記事リンク:
内容と背景:
本日はアフリカの農業セクターに関する話題をご紹介いたします。
この度アフリカを代表する多国間貿易金融機関であるアフリカ輸出入銀行(以下:Afreximbank)が、サブサハラアフリカを代表する農業系複合企業である輸出取引グループ(以下:ETG)への4億ドル規模の国際融資枠の支給を承認しました。
Afreximbankの見積もりによると、アフリカは世界の残りの耕地の最大60%を所有しているにもかかわらず、2019年の食料輸入に900億ドルもの巨大な額を費やしました。さらに、国連食糧農業機関(FAO)はアフリカの農業生産の最大50%が毎年農場から市場への流通過程の中で失われていると推定しています。これは不適切な収穫後の貯蔵、加工、輸送形態に起因する現象であると指摘されています。またこれらの課題はサプライチェーンの混乱を招いているコロナウイルスの発生により今後さらに深刻になる可能性があると危惧されています。
Afreximbankはアフリカの農業輸出業者が直面する主要なボトルネックに対処し、中小企業らに地域および国際市場へのアクセスを提供するために大量の農産物の集約に取り組んでいます。一方、ETGは小規模農家と国際市場を結びつけ、機械化と加工能力を拡張させることにより農業コミュニティの活性化に焦点を当てています。加えてETGは灌漑や収穫後の技術、また収量向上のための知識の増加にも焦点を当てています。
AfreximbankからのサポートによりETGはアフリカの農家と市場を効率的に結び、農業食品のサプライチェーンにおける重要な役割を維持できるようになります。また今回の合意はアフリカ農業の生産性を向上させ、収穫後の損失を減少させることで大陸全体で効率の良い食糧供給網の構築を実現させることができるのではと期待されています。
Afreximbankアフリカ大陸内貿易イニシアチブのマネージングディレクターであるKanayo Awani氏は、今後もAfreximbankはコロナ禍でのアフリカ経済の回復力を強化するため、農業生産性の向上と作物の多様化に焦点を当てて取り組みを行っていくと述べています。また、大陸内貿易の促進を図るアフリカ大陸自由貿易協定(AfCFTA)の施行を来年度に控えるタイミングで行われた今回の合意について、大陸の将来のためにセクターの繁栄と食糧安全保障の両方を実現する絶好のタイミングであるとポジティブなコメントを残しています。
面白記事でもたびたび扱ってきていますが、上記で触れた収穫後のロス(PHL)に起因する低い生産性は農業セクターにおける重要な課題のひとつです。今回ご紹介した組織間での連携のように複合的にアプローチする動きは課題解決に向けて必要不可欠と考えられます。
関連記事にはアフリカ農業セクターにおける課題点、およびその課題へのアプローチ事例、またアフリカ大陸自由貿易協定(AfCFTA)の最新情報を扱った過去の面白記事をのせましたので、ご関心のある方はぜひお読みください。
関連記事:
- 「東アフリカでのコールドチェーン構築の動き;ルワンダのGET ITとCold Solutions Kenyaの最新動向(面白記事 Vol. 93)」–Link
- 「アフリカ農業における課題点からみるコールドチェーン構築の必要性(面白記事 Vol. 108)」–Link
- 「本格始動までもう少しのAfCFTAの最新情報!(面白記事 Vol.115)」–Link
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