目次
みなさま、こんばんは!今週もアフリカに関する最新のニュースをお届けします。
コロナウイルスに対するアフリカの取り組みから、話題のAfCFTA(アフリカ大陸自由貿易圏)等についての記事が目白押しです。ぜひご覧になってみてください!
コロナウイルスの影響が日々増しておりますが、みなさまもくれぐれも体調管理を万全にお過ごしください。
――――――――――
記事1:『Website Allows Users to Track COVID-19 Pandemic in Real-Time』
内容と背景:
皆さま、コロナウィルスの影響が世界各国に広がっていますが、どのようにしてモニタリングしていらっしゃいますか?
今回はアフリカ関係なく、コロナウィルスの進行具合をリアルタイムなどで確認することのできるウェブサイトをいくつか下のリンクにて共有させてください。
今回、こちらの記事で紹介されているのは、最初のリンクのもの。Google Earthのような感覚で地球儀を回し状況を確認したい国をクリックするといくつかの項目からその国のコロナの状態が確認できるのです。
開発者はこのようにインタラクティブなものにした理由として、1カ国で起こっているだけの問題だけでなく、世界全体として、つながりの意識を持ちやすいと感じたためとしています。
まだ世界に与える影響は大きそうですが、何が起きているのかを知ることからも対策できるのではとも思いますので、ぜひ活用してみてください。
1. Navid Mamoon氏とGabriel Rasskin氏(カーネギーメロン大学所属)開発
2. 世界屈指の医学部と言われるジョンズ・ホプキンス大学開発
3. 日経新聞提供
――――――――――
記事2:『COVID-19 Will Greatly Reduce Africa’s GDP Growth』
記事リンク:https://africa.com/covid-19-will-greatly-reduce-africas-gdp-growth-in-2020/
内容と背景:
こちらは、COVID-19がアフリカ経済に与えるであろう影響をGDP成長率に焦点を当てて解説しているマッキンゼー社のレポートを紹介している記事です。
レポートではまず、アフリカ諸国が今後直面するであろう課題を以下3つの観点から説明しています。
1. 世界的なパンデミックによる影響
2. アフリカ大陸内での流行による影響
3. 原油価格の崩壊による影響
さらにその上で、上記の課題が経済に対して与える具体的な影響として、2020年のアフリカの平均GDP成長率に焦点を当て4つの想定されうるシナリオを紹介しています。シナリオはそれぞれグローバルとアフリカの両方の観点で想定されうるCOVID-19の蔓延状況により4つに分けられていますが、4つ目の最も悲観的なシナリオでは、平均GDP成長率は3.9%(コロナウイルス発生前の予測)から約8ポイントマイナスの-3.9%、最も楽観的なシナリオでさえ0.4%となると述べられています。
また終盤では、ナイジェリア、南アフリカ、ケニアを例に国ごとの影響の出方の違いについても解説されています。
今後COVID-19がどこまで拡大するのか、またいつ収束するのか見通しの立たない状況ですが、シナリオごとにアフリカ経済に及ぼす影響がわかりやすくまとまっている記事です。ぜひお読みください。
関連記事:
- 「Africa registers a massive $29b dent to its economies, and still counting」 – Link
- 「This is how COVID-19 is affecting local businesses in Rwanda」 – Link
- 「PSF surveying virus-hit businesses」 – Link
- 「Tackling COVID-19 in Africa」 – Link
- 「Bold Action Needed Now」 – Link
- 「African finance ministers: urgent need for $100bn immediate emergency financing for COVID-19」 – Link
- 「Coronavirus: African ministers call for emergency stimulus package and interest waivers’ to fight menace, here’s how」 – Link
- 「Rwanda’s Kagame thanks Jack Ma for ‘huge shot in the arm’ after receiving donation of test kits」 – Link
- 「African Development Bank Raises USD 3 Bn Social Bond To Save African Livelihoods & Economies Post-COVID-19」 – Link
- 「Covid-19 puts SADC region at crossroads」 – Link
- 「ECOWAS must meet to find sub-region response to COVID-19 — Mahama」 – Link
- 「East Africa: IGAD Heads of State and Government Declaration on The Coronavirus (Covid-19) Pandemic」 – Link
――――――――――
記事3:『COVID-19 won’t affect AfCFTA secretariat inauguration — Prof. Dodoo』
内容と背景:
こちらは、先週、先々週の投稿でもとり上げましたAfCFTAに関する記事です。記事では、アフリカ連合(AU)基準大使であるAlex Dodoo氏の言葉も紹介し、COVID-19の影響により今年7月から予定されているAfCFTAの運用が遅れる事はないだろうと述べられています。
その上で、逆に今回のCOVID-19の影響が、アフリカ諸国の多くが中国や東南アジアなど外国からの輸入に依存していた構造を露呈させ、アフリカ大陸内での貿易の促進の必要性を高めているとも述べられています。
運用開始まで残り3ヶ月と迫っているだけにCOVID-19の影響をどこまで受けるのか、今後のAfCFTAの動向に注目です。
関連記事
- 「AfCFTA Can Be A Mechanism For Building Long-Term Continental Resilience: Ways Africa’s Free Trade Area Could Help Mitigate Effects Of COVID-19」 – Link
- 「Experts chart roadmap to AfCTA’s July 2020 take-off」 – Link
- 「Countdown to the African Continental Free-Trade Area Agreement」 – Link
――――――――――
記事4:『EAC health ministers unveil action plan to contain coronavirus spread』
内容と背景:
こちらは、COVID-19に対してEACがとっている措置に関して述べられている記事です。記事では3月末にEACの保健大臣が域内の6つのパートナー国に対して出した行動計画に基づいた複数の指令に関してまとめられています。
具体的には、まず外部からの持ち込みケースを防ぐため、トランジット乗客などの抜け穴を回避する100%の出入国審査と全入国者に対する14日間の強制隔離が行われるとのこと。また、生活に必要不可欠な物品の移動は、輸送中のウイルス拡散を防止するため、車両の乗員が2-3人である場合に限り認められ、さらに最終目的地まで輸送回廊沿いの指定された地点でしか停車できないとのこと。
EACでは今回のCOVID-19への対応を担当する特別の地域調整委員会も設けられており、現時点では域内での蔓延が深刻化する前にトップにより素早い対応が取られていると言えます。医療体制の脆弱な場所も多い地域であるだけに、今後急速なウイルスの拡散を防げるか注視したいところです。
関連記事:
- 「EAC private sector calls for common post-COVID-19 recovery strategy」 – Link
- 「An East African Country Has Set Out To Tackle COVID-19 With Telemedicine」 – Link
- 「’Community infections could happen any time’: Kenya prepares for Covid-19」 – Link
――――――――――
記事5:『COVID-19: COMESA Business Council cites trade disruptions』
記事リンク:https://www.newtimes.co.rw/business/covid-19-comesa-business-council-cites-trade-disruptions
内容と背景:
記事4でも今回のCOVID-19による影響が、アフリカ諸国の多くが外国からの輸入に依存している構造を露呈させていると述べられていましたが、こちらの記事では東南部アフリカ市場共同体(COMESA)が直面する貿易面での混乱について解説されています。
記事によるとCOMESAにおける国際貿易では、中国、EU、アラブ首長国連邦、そして米国が大きな役割を担っているとのこと。記事ではCOMESAビジネス協議会による報告書が紹介されており、パンデミックの影響により彼らが人々の移動を制限し、製造工場、また港まで閉鎖している事によりCOMESAでは輸入品に影響が出ており、また輸出品の需要も減少しているとのべられています。さらに記事後半では、諸外国との貿易だけでなく域内貿易、そして貿易に絡む航空業界などの他の業界にも混乱を招いているとし、経済全体への影響を緩和するため、資金的・非資金的な政策やサポートの提供など、政府と民間セクターが協力して取り組むべき推奨事項が複数挙げられています。
今年7月に運用開始となるAfCFTAのもと、今後どれだけアフリカ諸国が諸外国への貿易面での依存を払拭する事ができるのか注目です。
関連記事:
- 「Coronavirus: COMESA agency issues tough warning to companies」 – Link
――――――――――
記事6:『Rwanda’s successes and challenges in response to COVID-19』
内容と背景:
次にこちらでは、COVID-19に対するルワンダ政府の取り組みについてご紹介します。
3月8日に国内初めての感染事例が報告されたルワンダでは、2019年に脅威にさらされたエボラ出血熱の経験を教訓に、政府主導の迅速な措置が取られています。しかしその後感染事例は増え続け、3月半ばには2桁にまで増え続けた事から、政府はさらなる協力な措置として3月21日の深夜に全国的な閉鎖を命じました。この閉鎖に伴い発表された代表的な指針は以下の通りです。
・礼拝、学校、結婚式、スポーツイベントなど集会の禁止。
・すべての非必須事業の閉鎖。
・ルワンダ発着の全商用便の30日間の停止と国内の都市、地区間での移動の無期限停止
・2週間の不必要な外出禁止
・モバイルマネーまたオンラインバンキングの奨励
記事後半ではこれらの強力な政府の対応にもかかわらず、肝心のCOVID-19に対するテスト能力をもつのはキガリに拠点を置く国立研究所のみであると問題提起しています。記事によると最初に症例が確認された3月8日から2週間でわずか300人しか検査ができていないとのこと。テストにかかる時間(1回4〜5時間)とスタッフ不足により1日あたり20回から30回しか検査する能力がないと述べられています。米国では1回45分で済む検査が導入されているのと比較すると、ルワンダで実施されている検査の効率の悪さがおわかりいただけるかと思います。広範なテストを実施しないとウイルスの拡大範囲の分析は困難となるため、ルワンダではCOVID-19の検査能力が課題と言えそうです。
検査能力の低さ故に実際に感染している人は発表されている数値よりも多いと予想されますが、少なくとも現時点では統率の効いた政府による対応は強力なものであると言えます。ルワンダは人口密度の非常に高い国だけに今後ローカルコミュニティーでの感染拡大が広がらないことを願うばかりです。
また、経済的活動、そして国民の購買活動にも影響が及ぶことが予測されることから、食糧を中心としたいくつかの製品に対して、固定価格をつけ、食呂品価格の高騰を防ぐとともに、一人当たりが購入できる量の調整なども行っているとも共有されています。
斬新な取り組みとして、バスに乗車する前に人々が道に用意された蛇口で手洗いを行うという、日本ではなかなか見られない光景を映している3月上旬に撮られた動画も載っています。ぜひご覧ください。
関連記事:
- 「Rwanda provides fertile ground for reverse innovation in healthcare」 – Link
- 「Rwanda: COVID-19 Lockdown – Government Takes to Distance Learning」 – Link
――――――――――
記事7:『7 Africa-focused digital tools helping in the COVID-19 fight』
記事リンク:https://techcabal.com/2020/03/30/7-africa-focused-digital-tools-helping-in-the-covid-19-fight/
内容と背景:
次は、民間企業が主導として行っているナイジェリアの取り組みについてご紹介します。
ナイジェリアのベンチャーズプラットフォームはCOVID-19パンデミックへの取り組みを支援するテクノロジーベースのツールを求める声を受けて、初めての表彰型プロジェクトを立ち上げました。
選出されたスタートアップ企業には、ベンチャーズプラットフォームチームから1,000米ドルの助成金、ワークスペース、法的サービス、メンターシップが提供されます。
500件を超える申請の中で、今回選ばれた7つのモデルの例を簡単にご紹介します。
「COVID Triage by Wellvis」のトリアージプラットフォーム。:どの国に居てもアクセスできるデジタル評価ツールで、低・中・高のリスクがある場合に何をすべきか、いつ以上を求める必要があるか等についてを評価できるツール。
「Infodemics」の情報発信と収集のツール:未確認のケースや、自主隔離等の情報に役立ち、ウイルスがどのように萬栄しているのかを監視するNCDCにデータベースを提供している。
他にも、「MyServiceAgent by iQube Labs」のAIを用いた取り組み、「CmapIT by CmapIT Software」の位置空間のデータ視覚化ソフトウェア、「COVID-19 Nigeria by Innover Technologies」は、関連する海外からの情報をナイジェリアの言語やインフォグラフィックに翻訳するプラットホーム、「Wella Health Driage by Wella Health」の、NCDCが承認したガイドラインを提供し、ユーザー応答を収集トリアージボット、「GloEpid by Prunedge」組織向けの効率開発テクノロジーツールなどが選ばれています。
詳細が気になる方はぜひ、この記事をチェックしてみてください!
また、関連記事には、その他にもアフリカで取り組まれている、受け身型だけでなく、積極的なコロナウィルスに対するイノベーティブな記事もありますので、こちらもお楽しみください。
関連記事:
- 「Africa Roundup: Africa’s tech ecosystem responds to COVID-19」 – Link
- 「COVID-19 in South Africa – An Ecosystem of Tech-Driven Solutions to combat the spread」 – Link
- 「Biotech startup, 54Gene raises $500,000 to boost COVID-19 testing in Nigeria」 – Link
- 「Did Coronavirus Just Kick Start the Digital Economy?」 – Link
- 「7 Nigerian startups selected for COVID-19 Innovation Challenge」 – Link
- 「Coronavirus – Africa: WHO in Africa holds first ‘hackathon’ for COVID-19 | Africanews」 – Link
――――――――――
記事8:『Africa Contributes SARS-CoV-2 Sequencing to COVID-19 Tracking』
内容と背景:
今回の記事では、コロナウィルスへの世界的な対応においてアフリカができる貢献に関して書いています。
ナイジェリアで最初のCOVID-19症例が確認されてから3日後にSARS-CoV-2の患者検体のゲノムシーケンス結果が発表され、最初の分析が行われたことなどから状況をただ見ているだけの立場ではなく、対応するなど、解決策を導くために動くアクターとしてアフリカが貢献できるということを話すと同時に、エボラ出血熱に対する取り組みなど、過去の経験や、そこで得られた知見、そして整備された環境も貢献に一役担うだろうとしています。
大きな、そして影響のある出来事を経験してきなアフリカが今回の状況にいかに貢献していくのか楽しみです。
関連記事:
- 「Coronavirus – Africa: “We are racing to slow the spread of COVID-19”」 – Link
――――――――――
記事9:『These Guidebooks Profile Africa’s Most Important Startups』
記事リンク:https://www.itnewsafrica.com/2020/03/these-guidebooks-profile-africas-most-important-startups/
内容と背景:
スタートアップ関係の情報・動向に興味のに取って有意義な情報です。
既に世界30都市のスタートアップ会話の情報を集めたStartup Gudeという約230ページに及ぶガイドブックを発行しているデンマーク発のStartup Guide社。今回はアフリカのアクラ、ラゴス、キガリ、ナイロビの4都市が加わりました。それぞれの都市のスタートアップエコシステムや環境の情報、また、既存のスタートアップの一員になりたいという方々にとって有意義な情報を集めているようです。
現在はまだPre-orderと、本当の意味での発売までもう少し待たなければいけませんが、楽しみなところです。東京のも発行されているので、先にこちらを読んで感じを掴んでみるのもアリかもしれません。
関連記事:
- 「What are the Most Popular Startups in Africa?」 – Link
- 「Disrupt Africa Connects Corporates and Investors with Innovative Tech Startups」 – Link
――――――――――
記事10:『WHY SHOULD INVEST IN AFRICA LED & OLED DISPLAYS AND LIGHTING PRODUCTS MARKET? | KNOW ABOUT INVESTMENT OPPORTUNITIES』
内容と背景:
「アフリカLEDおよびOLEDディスプレイと照明製品市場」というタイトルのレポートに関しての記事をシェアします。
このレポートは、Coherent Market Insightsによって今よりも効果的なビジネスの見通しを得るために出されました。
例えば、このレポートでは、地域ごとの詳細な分析や製造プロセス、原材料、機器のサプライヤーや様々な製造関連コスト、収益、需要と供給のデータなどの主要な情報を提供しているほか、主要ベンダーのSWOT分析に加えて、包括的な地域の展望も含まれているようです。
アフリカで照明製品に関するビジネス展開をお考えの方は、こちらを利用してみるのも良いかもしれません!
――――――――――
記事11:『Africa’s cloud computing boom creates data centre gold rush』
記事リンク:https://www.ft.com/content/402a18c8-5a32-11ea-abe5-8e03987b7b20
内容と背景:
世の中に多くのデータが溢れている現在、データセンターをどこに設けるかということも近く課題になるのではないでしょうか?また、最近では特に政府関係の情報を自国内で保存するなど様々な動き、そしてデジタル化が進む中で、アフリカでも多くの情報が蓄積されることから、アフリカにデータセンターを設立するということが一つの傾向としてみられているようです。
地球の全人口の17%がアフリカ大陸にいるにもかかわらず、全世界にあるデータに占めるアフリカのデータは1%にも満たないらしいです。しかし、現在はアフリカでデータにアクセスする際、ヨーロッパや他にデータセンターなどを持つ国のネットワークを介してアクセスすることから、スピーディーにアクセスできない、あるいは自分のところにデータがセンターはないから保存などに不安を感じているなどの声を聞くことがありますが、アフリカでも様々なサービス、そして社会自体がデジタル化されていることからそのデータセンターをアフリカに設けることも考えられており、これにより、アフリカ大陸内での情報へのスピーディーなアクセスも可能になることが期待されています。
またマイクロソフト社が南アフリカ、ナイジェリア、ケニア、そしてガーナにデータセンターを持っているなどの動きもこの流れを加速させているようです。
記事の題名にもあるように、アフリカにデータセンターを持つことは一つの大きな挑戦になりそうですし、今後の動向が気になるところです。
関連記事:
- 「THE NEXT DATA GOLD RUSH IS IN … AFRICA」 – Link
――――――――――
記事12:『WEF names Minister Ingabire among top young world leaders』
記事リンク:https://www.newtimes.co.rw/news/wef-names-minister-ingabire-among-top-young-world-leaders
内容と背景:
World Economic Forumが発表する「Young Global Leaders of the Year」の2020年版が発表されました。今回は40歳以下の国際的に影響力を持ち、社会や芸術、文化、政治、ビジネスなどの分野で世界をリードしイノベーションなどを起こすことが期待される115名が選ばれ、その中にルワンダのICT and Innovation省のPaula Ingabire大臣も含まれています。昨年のWomen’s World Cup(サッカー)で優勝したアメリカ代表選手なども含まれている今回のリスト、アフリカからは11名が選出されました。大臣の今後の活躍に期待です。
――――――――――
記事13:『Free trade area needs continental businesses to become a reality』
内容と背景:
お次は、既出のAfCFTAに関しての記事をもうひとつシェアします。何度か取り上げてきていますように、このAfCFTAが実現しようとしているのはアフリカ域内での貿易、人の移動、そして産業の活発化を通した、大陸内のマーケットの成長と成熟化。それによって、現在一つの課題として認知されている、諸外国への依存度を減らすだけでなく、より多くを発信すること。そんな中で今回は、それを実現するためには「アフリカは国内市場を超えて投資及び運営できるビジネスリーダーが必要となる」と題している記事をご紹介します。。
この記事では、現状でアフリカには小さな規模の企業が多く、国内市場を超えて活動するアフリカのビジネスリーダーの数はさらに少ないとしたうえで、アフリカ政府がビジネス環境を改善すれば、今の現状が改善するのではないかと指摘しています。
そのうえで、世界的に事業を展開している企業は少ないながらも、南アフリカを代表する、スタンダードバンクなどが大陸内の様々な国で活動していることに例に出し、これらの企業に学び自国内だけでなく、大陸規模で商売を行うことのできる企業が増えていくことがカギを持つとしています。
また、南アフリカの大統領であるシリル・ラマフォサは、「アフリカに投資するのにこれほど良い時期は今までにない。」と主張をしているようです。
しかし、より円滑なビジネス環境を構築するためには、アフリカ国内のビジネス規制の抜本的な改革が必要になることも確かです。
政治面での調整がどんどん進んでいる中で、民間企業がどのように関わっていくのか、そしてそれらの効果がどのように出てくるのか楽しみなところです。
今の所、7月1日が一つ今行われていること、そして指摘されていることなどをどのように形にするのか確かめる上では気に留めておく日付となりそうです。
――――――――――
記事14:『Mobile money crossed a key milestone last year—that’s good news for Africa’s coronavirus battle』
内容と背景:
アフリカに一番影響をもたらしている、もたらしたイノベーションといえば、M-Pesaに代表されるFintechではないでしょうか?その中で今回はGSMAがこの中でMobile Moneyの動向に関するデータを集めたレポートを出しました。
レポートによると、モバイルマネーの業界は約10年ほどの歴史ながら、すでに96%の国で使われていおり、それぞれの国で最低でも全国民の3割が実際にアカウントを持って活用しているようです。そして、このレポートで一番の目玉は、全体で行われた6900億ドル(約69兆円)相当のトランザクションの60%以上がサハラ砂漠以南のアフリカの国々で発生しているというデータです。始まりこそM-Pesaを中心として東アフリカが大きな発展を見せていたのですが、ここ最近は西アフリカでの動きも活発のようです。こちらの記事にも何度もナイジェリアを中心とした西アフリカ地域発のFintechスタートアップに関する大きな取引などを取り扱ってきましたが、どうやら今後もさらに成長が期待されるようです。
またデータの中では、人口10万人あたり、ATMが33台、11銀行の対応割合であるのに対し、モバイルマネーをトップアップなどするエージェントと呼ばれる方々の対応割合228人存在するなど、既存の金融とは違った流れがあることが見て取れます。
今回のコロナウィルスの影響もあり、アフリカでは各国政府がモバイルマネーの活用を進めているのに呼応するように取引コストの無償化などをプロバイダーが進めており、さらなる利用者が増えることが予測されています。しかし、この業界の発展に政策作りや、枠組み作りも早急に行われなければいけないともレポートは指摘しており、従来通信会社の一つの商品・サービスとして提供されているものを、切り離す動きや金融関係者以外でも入りやすいようレギュレーションや登録プロセスを簡易化する動きも起きているようです。これ以外にも関税やデータの保持先など法・政策の整備も今後、トライ&エラーを通して進められていくでしょう。その他にもこの分野にはFinancial Inclusionなどの効果も見込まれているようです。
今後も大きな発展が見込まれるため、目が離せない分野です。
レポートのダウンロードはこちらから:レポート
関連記事
- 「2019 marked a major milestone for the mobile money industry: the number of registered mobile money accounts surpassed one billion.」 – Link
- 「5 Juicy Highlights As Mobile Money Clocks 1 Billion+ Users Globally Of Which Half Are Africans」 – Link